若者 ○○離れ

「○○離れ」に注目する価値とは【時代の流れが見える】

活字離れ、新聞離れ、自動車離れなど、最近「○○離れ」が注目されています。

マーケターは流行を追うことに一生懸命になると思いますが、「人々が飽きた現象」や「逆流行」にも注意が必要です。

「○○離れ」を分析して消費者心理を探り、マーケティングに活かしましょう。

さまざまな「○○離れ」ランキング

最近はどのような「○○離れ」が起きているのでしょうか。

さまざまなランキングから「離れ現象」を追ってみましょう。

男女ともに1位は「タバコ」、「恋愛」も意外に多い

株式会社エアトリインターナショナルが運営しているサイト「エアトリ」は、2019年2月に「平成の○○離れ」特集を組みました。

そのランキングは次のとおりです。

若者 ○○離れ

1位を獲得したのは「タバコ離れ」。

男女別でも男女総合でも1位となるなど「完全1位」を獲得しています。

男女総合で2位の「新聞離れ」は、女性の「離れ」の強さが、そして、男女総合3位の「ギャンブル離れ」は、男性の「離れ」の強さが色濃く影響しました。

意外なものに、男女総合5位、女性3位の「恋愛離れ」があるなど、いずれも時代の流れを反映していて、とても興味深いランキングです。

後段で分析していきます。

「車離れ」がダントツ1位になったランキングも

オンライン総合旅行サービスの「DeNAトラベル」が2018年に公表した「離れ」調査の結果は以下の通りです。

1位「車離れ」33.0%

2位「新聞離れ」13.2%

3位「読書離れ」7.9%

3位「結婚離れ」7.9%

5位「お酒離れ」6.6%

6位「テレビ離れ」4.9%

7位「タバコ離れ」4.6%

8位「恋愛離れ」3.3%

9位「旅行離れ」2.8%

10位「選挙離れ」2.2%

1位は「車離れ」と、先ほど紹介したエアトリのランキングとはかなり違う結果が出ています。

2位「新聞離れ」と3位「読書離れ」は、「活字離れ」「難しさ離れ」「有料離れ」の3つの要素が含まれていると考えることができますが、新聞と読書という2つの「離れ」を合わせると20%を超え、こちらもかなり有力です。

「恋愛離れ」と「結婚離れ」から見えるもの

エアトリのランキングでは、「恋愛離れ」が男女総合5位、女性3位であり、DeNAのランキングでも、「結婚離れ」3位、「恋愛離れ」8位でした。

これらの調査結果をはじめ、出生率の低下や晩婚化、セックスレス化やお一人様の流行などからも、「男女がくっつくこと」に「離れ」が生じていることがわかります。

このトレンドは最早避けられず、「くっつかない男女」という常識が構築されるかもしれません。

旅行や食事、エンタメや住宅などの分野では、「くっつく男女」向けマーケティングと「くっつかない男女」向けマーケティングは、全く異なります。

マーケターは「くっつかない男女」を前提としたマーケティングを考えてみるとよいでしょう。

「活字離れ・難しさ離れ・有料離れ」から見えるもの

DeNAランキングの2位「新聞離れ」と3位「読書離れ」を「活字離れ・難しさ離れ・有料離れ」と、ひとくくりにしてみました。

その意図は、次のとおりです。

  • 新聞も読書(書籍)も活字がメインの媒体
  • 新聞も読書(書籍)も硬派な内容や難解な内容を扱うことが多い
  • 新聞も読書(書籍)も有料

消費者が、「活字」と「難しいこと」、そして、「有料」であることから逃れようとしているのは、マーケターなら肌感覚で理解できるでしょう。

消費者は、「活字ではなく画像や動画」を「難しいことではなく安易なもの」を、「有料ではなく無料」のものを求めています。

マーケターは「新聞・読書離れ」を素直に受け止めて、マーケティングの手法を活字から画像や動画にシフトしていったほうがよいでしょう。

例えば、インスタグラムやユーチューブを使えば、消費者は無料で楽しむことができます。

これらのSNSにコンテンツを提供することは有効な手段になるはずです。

もし、「新聞・読書離れ」の流れに「逆らって」マーケティングをするのであれば、あえて書籍や雑誌を使った手法もよいでしょう。

安易さや簡単さは、その内容の薄さから流行してもすぐに飽きられてしまうので、あえてそれらを追わず、コアな客層が居る硬派さや難解さを追ってみるのもよいはずです。

安易さが流行すれば、硬派な客層はますます強く硬派な媒体を求め、コアな客層を大切にするマーケティングは、ロイヤリティを高めます。

「車離れ」「テレビ離れ」「旅行離れ」から見えてくるもの

DeNAランキングから、従来、不動の人気を誇っていた車(1位)、テレビ(6位)、旅行(9位)に「離れ」傾向が出ていることがわかりました。

この3つの「離れ」から、消費者が従来の価値観からの離脱したがっている気持ちが透けてみえます。

かつて車は、憧れの消費財であり、車を持っていることが成功の証だった時代もあります。

しかし、最近の車には、それほどの輝きはありません。

シェアエコノミーの急伸で、車も「借りればよい」モノになっています。

また、テレビに「離れ」傾向が出るのは、意外に感じるマーケターが多いと思いますが、2019年は、ユーチューブが突如フィーチャーされるようになり、有名人や著名人がこぞってユーチューバー・デビューを果たしました。

つまり、消費者は変わらず動画を求めていて、エンタメ業界や表現者たちは、動画での情報発信に力を入れています。

それなのに、動画のチャンピオンであるテレビに「離れ」が起きているのです。

これは、視聴者が以前から持っていた、テレビの「枠組み」への疑念が、一気に噴出したからでしょう。

やらせ問題や芸能事務所問題、コンプライアンス問題や熾烈な利権争い――といったゴタゴタに食傷気味だったところに、ユーチューブ文化が花開いたことで、視聴者そちらにドッと流れ込んだと考えられます。

動画の魅力が高まっているにもかかわらず、テレビ人気が落ちているのは皮肉です。

そして、多くの人の憧れだったはずの「旅行」も「離れ」が起きています。

旅行業界では、モノ消費からコト消費への移行が進んでいますが、体験で感動させるためには、さまざまな「仕込み」をしなければなりません。

さらに、さまざまな「仕込み」をしたにも関わらず、コト消費は意外にお金が落ちません。

例えば、農村体験や廃墟巡り、工場見学、伝統工芸体験などは、高い料金がつけられないどころか、無料の場合もあり、世界自然遺産も、「歩くだけ」「みるだけ」で十分堪能できるので、観光ビジネスになりにくい性質があります。

旅行スタイルの激変が、「旅行離れ」を引き起こしているといえるでしょう。

まとめ~「飽き」を分析すれば先回りできるかも

「離れ」を分析すると、これまでのビジネスの常識を否定する流れがみえてきます。

飽きている消費者に、飽きられているテーマのマーケティングを仕掛けても成功しません。

したがって、マーケターは、流行の最先端を追おうとしますが、流行の先頭は「おぼろげ」であり、追っているうちに見失ってしまうこともあります。

「○○離れ」の分析は「飽き」そのものにアプローチする手法であり、「離れ」や「飽き」を「終わったもの」と考えるのではなく、「なぜ人々はそこから離れていったのか」「なぜ飽きられてしまったのか」と考えていくと、消費者像が浮かび上がってきます。

「離れ」と「飽き」を丹念に分析すれば、流行を先回りできるかもしれません。


<参考>