デジタルトランスフォーメーション

【DX(デジタルトランスフォーメーション)】マーケターがDXを学ぶべき理由

「DX」と略されるDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)。経済産業省も推進する国家戦略の1つですが、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネスモデルをつくったり、イノベーションを起こしたりするDXは、企業のマーケティングを担当しているマーケターにとっても無視できない存在です。

この記事では、DXの基礎と概要を紹介したうえで、マーケターがDXスキルを獲得するメリットを考えていきます。

DXの概要とDXが注目される理由

DXは2004年にスウェーデンの学者が提唱した概念とされていますが、日本で注目されるようになったのは最近のこと。経済産業省が「DXレポート」を作成したのも2018年9月です。

トランスフォーメーションとは「変換」という意味を持つ言葉であり、DXは「デジタル化に変換していこう」という取り組みのことをいいます。デジタル化とは、コンピュータ化、ネット化、IT化、IoT化、AI化、ロボット化、自動化、自動制御化--これらを総称していいますが、生活やビジネスを徹底的にデジタル化していく取り組みが、DXです。

コロナ禍でのテレワークも「DXがあってこそ」

今DXが注目されているのは、DXがビジネスになくてはならない存在であるため。新型コロナウイルスの感染拡大(コロナ禍)では、会社出勤を自宅勤務に切り替えるテレワーク化が急拡大しましたが、これを「急」に実行できたのはDXのベースがあったからです。

コロナ前から、多くのビジネスパーソンはパソコンとスマホとネット環境を私有しており、Web上には無料のテレビ会議システムが複数存在していました。つまり、DXツールもDXスキルもすでに揃っていたため、通勤しない仕事スタイルにすぐに移行することができたのです。

DXがビジネスの中心になっている

現在の世界のビジネスの最強の勝ち組はGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、マイクロソフト)といわれています。この5社はすべてDXの恩恵を受けていて、DXを推進し、DXをビジネスにしています。

日本のビジネス・シーンでも、時価総額ランキングは1位トヨタ自動車株式会社、2位ソフトバンクグループ株式会社、3位株式会社キーエンス、4位ソニー株式会社、5位日本電信電話株式会社が、すべてDX関連企業になっています(2020年8月30日現在、ヤフーファイナンス調べ)。

なぜ今DXが注目されているのか、それはビジネスがDXを中心に回っているからです。

マーケターがDXスキルを獲得するメリット

DXがビジネスを中心にまわっていると先述しましたが、マーケターもDXスキルの獲得に努めたほうがよいでしょう。なぜならマーケティングのDX化も進んでいるからです。いまや、マーケティングでは、インターネットとWebの使用が不可欠となっており、スマホなどのモバイルを無視したマーケティング・キャンペーンは時代遅れの雰囲気すら漂います。

マーケティングのPDCAではビッグデータ解析が効果をあげており、ユーチューブなどの動画SNSは、テレビCMや新聞広告よりも高い広告効果を出しています。マーケティング全体をDXで自動化するオートメーション化も進むなど、マーケターがDXスキルを獲得することにはメリットしかなく、DXスキルを無視することはデメリットしかないといっても過言ではないでしょう。

アマゾンの成功はDXなしにはありえない

DXの「申し子」の1人であるアマゾンは、世界中の流通を変えたといわれています。しかし、アマゾンのビジネスモデルは、「ネットを経由した買い物」と一言で表すことができ、とても単純です。

ではなぜアマゾンだけがネット経由の買い物で世界的な成功を収めたのでしょうか。アマゾンは、まず、サイトの在り方を徹底的に研究し、買いたくなるサイト、買いやすいサイトにしました。そして、徹底的なリサーチを実行し、商品の価格を適正化。

さらに、リコメンド機能を強化することで、顧客(サイト閲覧者)に「ついで買い」をさせる仕組みを築いたのです。こうした取り組みこそ、DXです。

そして今、アマゾンはDXを販売しています。どういうことかというと、アマゾンは、巨大倉庫を建設したり宅配網を整備したりして、圧倒的な物流網を構築しました。また、自動運搬ロボットを業界に先駆けて導入し、ドローンでの宅配もどの企業より早く提唱しましたが、そのシステムを、一般企業に販売するビジネスを始めたのです。

アマゾンの成功はDXなしにはありえないといえるでしょう。

「DXレポート」が指摘する「2025年の崖」とは

冒頭で紹介した経済産業省のDXレポートでは、日本の社会がDXを実現しないと、2025年以降、1年間に最大12兆円の経済損失が生まれると指摘しています。これを「2025年の崖」といいます。

すでに年4兆円の損失を生んでいる

経済産業省は、DX不足によって年4兆円の経済損失が生まれているとみています。

その理由は、

・企業の既存システムは事業部門ごとに構築されているので、全社横断的なデータ活用ができない

・過剰なカスタマイズが行われた結果、システムの複雑化やブラックボックス化が生じている

・経営者がDXを推進しようとしても、上記の問題があるため実行が容易ではない

などの弊害が生じているからです。経済産業省は、企業のDXへの取り組みは経営改革そのものである、とし、DXを実行するために業務自体の見直しが求められていると警鐘を鳴らしています。

上記の課題を解決しないと、日本経済は2025年から、毎年12兆円の損失を被ることになるでしょう。

まとめ

マーケティングは人にアプローチするビジネス活動なので、人間味やアナログ的な思考は欠かせません。しかし、業務の効率化や生産性の向上、新たな価値創造を目指すのであれば、マーケターは「DXありき」「人間味とアナログは隠し味」というスタンスを持っておいたほうがよいでしょう。

他社に負けないために、そして、業界を牽引するために、DXは欠かせません。

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DXレポート

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