アンケート 逆転項目

アンケートの設問に逆転項目をしのばせておく意味

アンケートはマーケティングにおいてとても重要な調査ツールですが、残念ながら、誠実に回答してもらえないこともあります。

アンケートは回答者に自由に書いてもらうことに意義があるので、不誠実な回答は想定しておかなければなりません。

また、不誠実な回答を集計に含めてしまうと、分析が間違ってしまいます。そのため、不誠実な回答は集計するときに排除しなければなりません。

排除をするときに役立つのが逆転項目です。

逆転項目とは、測定の向きが逆になる設問のこと。

逆転項目の概要とこれを使うメリット、集計するときの処理方法について解説します。

逆転項目とは

逆転項目を理解するには「測定の向き」を知っておく必要があります。

例えば、次のような質問を設定したとします。

●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 1、2、3、4、5
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 1、2、3、4、5
 ・1人でいるほうが好きだ 1、2、3、4、5

この3つの設問は、引っ込み思案で消極的な人は、5を選ぶ可能性が高いので、測定の向きが同じといえます。

それではここに、測定の向きが反対の設問、つまり逆転項目を入れてみます。★が逆転項目です。

●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 1、2、3、4、5
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 1、2、3、4、5
 ・1人でいるほうが好きだ 1、2、3、4、5
★・友達を多くつくって毎日遊びたい 1、2、3、4、5

「友達を多くつくって毎日遊びたい」という設問は、引っ込み思案で消極的な人は、1を選ぶ可能性が高いといえます。

したがって、「友達を多くつくって毎日遊びたい」は、その他の3つの設問とは測定の向きが反対ということができます。

逆転項目のメリット

逆転項目をアンケートの質問のなかに挿入するメリットは、不誠実に回答したものを除外できることです。

不誠実な回答者は、例えば、すべての項目で5を選んだりします。さらに巧妙になると、4と5を散らしたりします。

そのような回答は、設問を読まず当てずっぽうで選択しているだけなので、アンケートのデータに含めるわけにはいきません。そのような回答をデータに含めてしまうと、平均値が実際とかけ離れてしまいます。

ただ、可能性としては、誠実に回答した結果、すべてが5になったり、4または5になったりすることは十分考えられます。

先ほど紹介した、逆転項目なしの質問をもう一度みてみましょう。

●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 1、2、3、4、5
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 1、2、3、4、5
 ・1人でいるほうが好きだ 1、2、3、4、5

この質問の場合、消極的な性格の人であれば、誠実に回答してもすべてに5をつけるかもしれません。

つまりこの質問の形態では、いい加減にすべてに5をつけているのか、誠実にすべてに5をつけているのかわからないので、いい加減な回答を排除できません。

逆転項目を入れた質問をもう一度みてみます。

●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 1、2、3、4、5
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 1、2、3、4、5
 ・1人でいるほうが好きだ 1、2、3、4、5
 ・友達を多くつくって毎日遊びたい 1、2、3、4、5

消極的な性格の人が誠実に回答すれば「5、5、5、1」に近い回答になるはずです。

もしくは、積極的な性格の人が誠実に回答すれば「1、1、1、5」に近い回答になるでしょう。

誠実に回答していれば、逆転項目(「友達を多くつくって毎日遊びたい」)の評価(点数)が、その他の点数と真逆になるはずです。

上記の質問で「5、5、5、5」や「5、4、5、4」や「1、1、1、1」や「1、2、1、2」といった回答があったら、いい加減に回答していると認定してそれを集計から除外することができます。

逆転項目の処理方法

逆転項目を入れると、集計のときに少し加工が必要になります。

先ほど紹介した逆転項目入れた質問で、Aさんという回答者が次のように回答したとします。

Aさんの回答
●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 【回答:5】
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 【回答:4】
 ・1人でいるほうが好きだ 【回答:5】
 ・友達を多くつくって毎日遊びたい 【回答:1】

このまま計算してしまうと、「Aさんの合計点数は15(=5+4+5+1)点」となってしまいます。

この場合、点数の高さは消極性の強さになりますので、Aさんの消極性レベルは15となります。

Aさんが15という数値の「おかしさ」を解説します。

Bさんが次のように回答したとします。

Bさんの回答
●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 【回答:4】
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 【回答:4】
 ・1人でいるほうが好きだ 【回答:4】
 ・友達を多くつくって毎日遊びたい 【回答:3】

この回答から、BさんはAさんより多少積極的であることがわかります。

ところがBさんの消極性レベルも15(=4+4+4+3)となり、Aさんと同レベルになってしまいます。

この狂いが生じたのは、逆転項目(「友達を多くつくって毎日遊びたい」)の評価(点数)を、その他の質問と同じようにつけてしまったからです。

逆転項目では、評価(点数)を逆にしなければなりません。

この場合であれば、逆転項目の5を1と読み替え、4を2と読み替えなければなりません。3は3のままです。

このことを加味すると、正しい集計方法は以下のようになります。逆転項目の「読み替え」に★印をつけました。

Aさんの回答
●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 【回答:5なので5点】
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 【回答:4なので4点】
 ・1人でいるほうが好きだ 【回答:5なので5点】
 ・友達を多くつくって毎日遊びたい 【回答:★1なので5点】
Bさんの回答
●質問:各項目で当てはまる度合いを回答してください。度合いが強いほど、大きな数字を選んでください。
 ・自分は目立たないほうだ 【回答:4なので4点】
 ・自分からはあまりしゃべらないほうだ 【回答:4なので4点】
 ・1人でいるほうが好きだ 【回答:4なので4点】
 ・友達を多くつくって毎日遊びたい 【回答:★3なので3点】

これを集計すると、このようになります。

●Aさんの消極性レベル:19

●Bさんの消極性レベル:15

Aさんのほうが、Bさんよりはるかに消極性レベルが高いことがわかる結果になりました。

まとめ~逆転項目は不誠実回答発見ボタン

アンケートの質問をつくるときに、逆転項目をしのばせておくことのメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

不誠実な回答は、アンケートではどうしても発生してしまうもの。回答者に不誠実回答を禁じることは事実上不可能なので、アンケートの主催者は、不誠実回答を集計から外す方法を考えなければなりません。

逆転項目は、あたかも「不誠実回答発見ボタン」のように、疑わしい回答に目印をつけてくれます。

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<参考>

逆転項目

第4回  質問紙の作成