アンケート結果 クロス集計

アンケート結果は「クロス集計」でさらに多くを物語る

消費者や顧客の心のなかをのぞくことができるアンケートは、経営者やマーケターにとって強い味方となるもの。

したがって、アンケート結果を参考にマーケティング戦略を練っているマーケターは少なくないでしょう。

そのアンケート結果をまとめるときに用いたいのがクロス集計です。

クロス集計をすれば、単純集計では掘り起こせなかったアンケート結果のなかの消費者の本当の姿を浮き彫りにすることができるでしょう。

クロス集計とは、単純集計と何が違うのか

クロス集計の重要性を理解するには、単純集計の情報の少なさと限界を知るとよいかもしれません。

単純集計の限界「間違いを物語る」

例えば、商店街のなかのカフェが売上減少に悩み、商店街のなかでアンケートを実施した結果、「コーヒーが好き」が70%、「紅茶が好き」が30%と出たとします。これをそのまままとめたのが単純集計です。

<単純集計の例>

コーヒー好き紅茶が好き
総計70%30%

ただ、この結果を受けて、このカフェがコーヒーのメニューを充実させても、売上が上がるとは限りません。

なぜなら、そのカフェの客の90%が20~30代の女性なのに、アンケートの回答者の50%が40代以上だった場合、そのカフェが必要とする情報は得られないからです。

自社の客層に焦点を当てなければ意味がない

単純集計では「コーヒーが好きか、紅茶が好きか」だけしか知ることができません。

しかしこのカフェの店主が知りたいのは「20~30代の女性の飲み物の嗜好」のはずです。

クロス集計を行えば、例えば次のような結果が得られます。

<クロス集計の例>

クロス集計

アンケート結果の総計は、「コーヒーが好き70%、紅茶が好き30%」になっていますが、クロス集計をして、このカフェのメインの客層である20~30代女性に焦点を当てると「コーヒーが好き10%(=5%+5%)、紅茶が好き26%(=10%+16%)」であることがわかります。

このことから、このカフェは、紅茶メニューを充実させたほうがよいことがわかります。

データを交差(クロス)させる

クロス集計とは、アンケートを実施して得られた複数のデータを交差(クロス)させる分析法。

先ほどのクロス集計では、「コーヒー好き、紅茶好き」データと「年代別、男女別」データを交差させましたが、アンケート結果を単純集計でしか分析せずにいると「正しい分析による間違った結果」を導くことになるので注意が必要です。

分析とは、クロス集計の結果に耳を傾けること

アンケート結果を正しく分析し、有効な情報を得るには、クロス集計の結果に注目する必要があります。

先ほどの商店街アンケートから、次の教訓が得られることがわかります。

  • 単純集計は、このカフェに「コーヒーメニューを充実させたほうがよい」といった間違ったアドバイスをした
  • クロス集計をすることで、このカフェに「20~30代女性の満足度を高めるには、紅茶メニューを充実させたほうがよい」という正しいアドバイスをすることができる

クロス集計は、さらにいろいろなことを物語ります。マーケターはしっかり耳を傾ける必要があります。

新規の顧客ターゲットがみえてきる

先ほどのクロス集計から一部を抜き出してみます。

<クロス集計の例(一部抜粋)>

クロス集計

この表から、この商店街には、コーヒー好きの40代以上の男女がかなり多くいることがわかります。

つまり、このカフェは、20~30代女性をメインの客層にして売上が低迷しているので、別の客層を増やす必要があり、そのときのターゲットは、40代以上のコーヒー好きの男女になることがわかります。

例えば、メインの客層(20~30代女性)があまり来店しない時間に、店内の照明を少し落として、クラシック音楽やジャズを流してみると、40代以上の人たちに落ち着いた雰囲気が受けるかもしれません。

クロス集計の注意点

クロス集計には弱点があります。それは、多くの情報を引き出すには、アンケート回答者の数を増やさないとならない、ということです。アンケート作業の手間とコストと時間がかかります。

回答者が少ないと「偏見」が生まれる

先ほどのカフェによる商店街アンケートを、100人に「しか」実施しなかったら結果は次のようになります。「%」が「人」に変わっています。

<クロス集計の例>

クロス集計

このアンケートで回答した20~30代の女性は36人(=15人+21人)「しか」いません。

カフェの店主は、メインの客層である20~30代の女性の意向を知りたいはずですが、サンプル数が36人では心もとないでしょう。

サンプル数が36人だけでは、いくら「20~30代女性客の多くが紅茶を支持している」からといって、自信を持って、紅茶メニューを充実させる投資をすることはできません。

多くの情報を引き出そうとすると、確度が低下する

アンケートの回答者が少ないと、クロス集計の確度が低下するのは、多くの情報を引き出そうとするからです。

例えば、この商店街アンケートの目的が、「商店街に来る客のコーヒーと紅茶の好みを知ること」であれば、100人でも十分確かな結果が得られます。

70人がコーヒーを好み、30人が紅茶を好んでいれば、十分「コーヒー好きの客が多い傾向にある商店街」ということができます。

確度が高くなるのは、年代や男女を気にせず、コーヒーが好きか紅茶が好きかだけの情報を得ようとしているからです。

アンケート結果から多くの情報を得るには、回答者を増やさなければなりません。

質問項目を多くすると回答者が飽きる

アンケート結果から多くの情報を得るには、質問項目を増やすことも有効です。

例えば、先ほどの商店街アンケートに、「商店街1km圏内か、圏外か」という質問を加えると、結果は次のようになります。

<クロス集計の例>

クロス集計

このような結果が得られれば、マーケティングをするときに、1km圏内客をターゲットにするのか、圏外客をターゲットにするのかを決めることができます。

ただ、アンケートの質問項目を多くすると、回答者が飽きてしまうので注意が必要です。

まとめ~狭いターゲットはクロスを重ねる必要がある

クロス集計が必要になるのは、マーケ―ターがターゲットを絞っているからです。

ターゲットが狭くなればなるほど、クロス集計を重ねていく必要があります。

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<参考>

クロス集計とは