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DXはなぜ注目されているのか、そして、導入するとどうなるのか

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation、以下DX)を、次の3本の記事で紹介しています。

この記事は2本目の記事で、なぜ今DXが注目されていて、DXが拡充すると社会や生活がどのように変わるのか、について分かりやすく解説します。

また、DX社会を実現するための課題についても触れているので、参考にしてください。

現実世界とサイバー空間の融合

前回記事の「DXとは何なのか、基礎知識と実態」では、総務省が将来のDX社会を次のようにイメージしていることを紹介しました。

<将来のDX社会>

  • 現実世界とサイバー空間が融合している。両者の違いが見分けられない状態になっている
  • IoTで情報を集めてビッグデータがつくられ、その膨大なデータをAIで次々分析していき、新たな知見を生み出していく
  • DX社会は「生産性の向上」「健康の質の向上」「持続可能な社会」「安心・安全な社会」「快適な移動」などを実現する

本稿では、これらの点をさらに深掘りしていきます。

DXはゆっくり、しかし劇的に変わる

DX社会は、過去と現代のつながりのなかで成立するもの。

つまり、突然変異的にDX社会が現れるわけではありません。

これまでの技術革新を時系列に並べると、次のようになります。

DX 変化

DXという言葉自体は2004年に誕生していますが、注目され始めたのは2019年ごろです。

この年表から、5~10年おきに革新的な技術が社会に浸透していることがわかりますが、DXが最近注目され始めたのは「時代の必然」と考えることができます。

ビッグデータとAIがDXを加速させる

ゆっくり登場するDXですが、その利便性は加速度的に向上するでしょう。DXの進化を早めるのは、ビッグデータとAIです。

ビッグデータとAIは、両者が同時に進化しないと加速しないという性質があります。

データだけ大量に集めても、AIで大量・短時間処理しないと、新しい知見を得ることはできません。

また、AIが進化しても、データ量が少ないと将来予測の確度は高まりません。

そこで政府は「DATA GO.JP」というサイトで、国が抱えるデータを大量に公開しています。

例えば、「歩行空間」データには、日本全国の街の段差や幅員、スロープなどのバリア情報などが記され「気象観測_災害をもたらした気象事例」というデータには、1989年(平成元年)から2020年までの気象災害事例のうち、被害規模が大きかったものの詳細が記されています。

政府がデータ提供に力を入れているのは、日本や世界の人々に、AIを使って新しいことを発見したり、ビジネスの資料にしたり、確実な予想をしたりしてほしいからです。

世の中のありとあらゆるデータと最新のAIを使うことができた人や企業が、世の中を劇的に変えるでしょう。

DATA GO.JPのデータの利用は無料で、こちらからアクセスできます。

大企業で進むDX

日本の大企業はDXへの取り組みを始めています。

  • トヨタ自動車:国内5,600店の販売店の働き方改革と顧客管理システムを連携させた「次期営業活動支援システム」を構築
  • パナソニック:1)警察官がカメラを身につけ、撮影した証拠映像を監理するシステムの構築、2)顔認証技術を使った料金決済システムを導入した無人コンビニの開発
  • 日立製作所:日立がこれまで培ってきたソリューションを、顧客が簡単・スピーディーに活用できるLumada Solution Hubの構築

こうした事例から、DXは、「働き方改革、顧客管理、治安維持、小売インフラ、顧客サービス」といった幅広い分野で活用できることがわかります。

日本の課題はスキル、知識、データ活用

DXが日本で注目されている理由はもうひとつあります。

それは、低成長からの脱却です。

日本はバブル崩壊以降、失われた20年を経て、2013年ごろからようやく景気が上向き始めましたが、2018年終盤から成長は鈍化。

DXは、日本経済の回復のカギとなるかもしれません。

しかし、IT大国と考えられている日本は、デジタル競争力では世界トップ10にすら入っていません。

スイスのIMDという組織が2019年9月に公開した「IMD World Digital Competitiveness ranking」では、日本は23位であり、日本よりデジタル競争力がある国は次のとおりです。

1位アメリカ、2位シンガポール、3位スウェーデン、4位デンマーク、5位スイス、6位オランダ、7位フィンランド、8位香港、9位ノルウェー、10位韓国、11位カナダ、12位UAE、13位台湾、14位オーストラリア、15位イギリス、16位イスラエル、17位ドイツ、18位ニュージーランド、19位アイルランド、20位オーストリア、21位ルクセンブルク、22位中国

日本は、スマホやインターネット環境の普及では評価が高いものの、テクノロジーのスキルや知識、ビッグデータの活用実績が低評価でした。

こうした欠点は、日本の低成長の原因でありながら、同時にDXの推進スピードを遅らせる要因でもあります。

日本企業がDXに力を入れるのは、V字回復のきっかけをつくると同時に、デジタル競争力を身につけるためでもあります。

2023年までのDX投資は7.4兆ドル

アメリカの情報サービス会社のIDCは、2019年10月に配信した記事のなかで、2020年から2023年までの4年間で、DXへの投資は世界で7.4兆ドルに達するとの見方を示しました。

ここでは「DXが実現した世界がどうなるか」についてみていきましょう。

まず、DXが到来すると、企業文化が変わります。

特に大きな変化にさらされるのは、経営者や管理職などのリーダーたちです。

ITは人々のコミュニケーションを減らすこともありましたが、DXはコミュニケーションを濃厚にします。

5Gと進化したネット会議システムが組み合わされば、リアルな会議より濃厚な打ち合わせができるようになり、リーダーとスタッフの情報格差は最小限になるでしょう。

能力があるスタッフにどんどん権限移譲して責任ある仕事をさせるリーダーが、チーム全体のパフォーマンスを高められるようになるでしょう。

また、DXをいち早く拡充できた企業は、大きなエコシステム(経済圏)を手に入れることができます。

エコシステムは強い求心力を生むので、ベンチャー企業やスタートアップ(企業)が寄ってきて、イノベーションが起きやすくなるでしょう。

IDCは、世の中の半分の企業はDX投資を十分に行なわないだろうとみています。

しっかりDX投資をした企業は、脱落した企業が持っていた顧客や取引先を獲得できることになるでしょう。

まとめ

なぜ今、多くの日本企業がDXに注目しているのか。

それはDXが大きな可能性を秘めているからです。

デジタル化の波は「DX」が叫ばれる前から到来していましたが、DXに投資すれば大きなエコシステムを手にして、イノベーションを起こすことができるでしょう。

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参考