ユーザーインタビュー 依頼

ユーザーインタビューに気持ちよく応じてもらうには?依頼方法を紹介

ユーザーインタビューは、1人の回答者にじっくり話を聞かなければならないので、不特定多数の人たちに一気に意向を尋ねることができるアンケートより非効率に感じるかもしれません。

ところが、マーケティングの重要なヒントや、自社の本当のイメージや、自社の決定的な弱みといった重要情報に限っていえば、ユーザーインタビューのほうがはるかに短い期間で確かな情報を集めることができます。

ユーザーインタビューの回答の質は、回答者次第。

マーケターは、高い感性や深い知見を持っているユーザーをみつけたら、確実にインタビューしたいものです。

この記事では、ユーザーにユーザーインタビューを依頼する方法について解説していきます。マーケターが誠意をもって依頼することで、ユーザーは気持ちよくそれに応じ、貴重な意見を述べてくれるでしょう。

ユーザーインタビューの回答者は厳選すべき

マーケターは、ユーザーインタビューの依頼を、丁寧に行うようにしてください。

なぜなら、ユーザーインタビューは重みのあるリサーチだからです。

マーケターは、ユーザーインタビューの回答者を厳選する必要があります。

鋭い意見を持っている人、豊かな感性を持っている人、評価と批判の両方ができる人、自社製品に関する知識を多く持っている人、誠実な人を探してください。

ユーザーインタビューの回答者の答えによっては、マーケティング戦略を大きく変えなければならないかもしれません。もしくは、開発部門に大幅な改良を要請しなければならないかもしれません。さらにいえば、経営戦略の見直しを経営者に提案しなければならないかもしれません。

ユーザーインタビューの担当者(マーケター)は、それくらい重い情報を手に入れる覚悟でユーザーインタビューに臨むべきでしょう。

そして、それだけ重要な情報をもたらすであろう人の話を聞くためには、依頼方法が大切です。

ユーザーインタビューの依頼方法

ビジネスシーンでは、さまざまな人にさまざまな依頼をしますが、依頼方法には

●電話で依頼する

●メールで依頼する

●ZOOMやスカイプなどネット会議システムで依頼する

●会って依頼する

●人を介して依頼する

などがあります。

ユーザーインタビューの依頼方法でおすすめなのは、電話、メール、ネット会議の3つです。

3つすべて使って依頼しよう

ユーザーインタビューの依頼方法でおすすめなのは、電話、メール、ネット会議の3つと述べましたが、おすすめなのは電話、メール、ネット会議のすべてを使うこと。

ユーザーインタビューをお願いしたい人がみつかったら、電話をして、メールをして、ネット会議システムで詳細を打ち合わせをしましょう。

「そこまでする」ことで、回答者に緊張感が生まれます。

そして、3つの手段のうち、最初に準備したほうがよいのが、メールです。

メールの文面を考えると、メール依頼はもちろんのこと、電話依頼もネット会議依頼もスムーズに進むはずです。

メール依頼文をまずつくろう、「原稿」にも「やることメモ」にもなるから

なぜメールの依頼文を最初に考えたほうがよいのかというと、先ほど述べた通り、依頼文が電話依頼の原稿にもネット会議依頼の原稿にもなるからです。

メールの依頼文を電話口でそのまま読めば、電話依頼ができます。ネット会議依頼も同じです。

そしてメールの依頼文には、ユーザーインタビューの目的や狙い、質問内容の概要、日時などを記すので、そのままマーケター自身の「やることメモ」になります。

依頼メールの書き方、文章例

ユーザーインタビューの依頼文の構成は次ようになります。

●依頼内容【概要編】

●依頼をする理由

●受託の可否の回答方法

●依頼内容【詳細編】

●ユーザーインタビューの実施方法

●謝礼などの事務連絡

この6項目を書き込むだけで、依頼文は完成します。

例文を紹介します。

実際に書いてみよう

それでは実際に、ユーザーインタビューの依頼文を書いてみましょう。

ここでは解説しやすいように項目ごとに枠線で分けていますが、実際に依頼文を書くときはタイトルも枠線も不要です。

●依頼内容【概要編】
●●様
はじめまして、●●株式会社マーケティング部の●●と申します。●●様におかれましては、日頃より当社製品をご愛用いただき、感謝申し上げます。●●様に、当社のユーザーインタビューの回答者をお引き受け願いたく、メールをお送りしました。
ユーザーインタビューとは、当社の製品を実際に使っているお客様(ユーザー様)に、当社の担当者が直接ご意見をうかがう調査です。このユーザーインタビューの結果は、社内の開発業務と改善業務に使うものなので●●様の個人情報が社外に出ることはありません。
もし●●様がお引き受けくださる場合、当社にご足労いただき、会議室においてさまざまな角度からお話をお伺いできればと思っております。わずかではありますが、謝礼を用意しております。
●依頼をする理由
当社が今回、ユーザーインタビューを行うのは、昨年●月に販売した商品Aについて率直な意見をお伺いするためです。商品Aは販売開始以来、予想を上回る反響をいただいておりますが、一方で、お客様から「思っていたほどの効果が得られない」といった意見を頂戴することもあります。そこで、商品Aを購入されている●●様から、この製品の良い面と悪い面をお聞かせ願えればと思っております。
●受託の可否の回答方法
もしこのユーザーインタビューをお引き受けいただける場合、●月●日までに、本メールに返信をいただけますでしょうか。一言「引き受け可能」と返信していただければ、こちらから改めて詳細を説明させていただきます。
もし、ユーザーインタビューを引き受けることが難しい場合は、ご返信やご連絡は不要です。
●依頼内容【詳細編】
当社から質問させていただく内容は次のとおりです。
・商品Aを使ってみた感想
・他社の類似商品より優れている点、または劣っている点
・どのようなシーンで商品Aを使っているか
・もし商品Aを改良するなら、まずどこに着手すべきか
・商品Aを知人にすすめるとしたら、誰にどのようにすすめるか
・商品Aを知人にすすめられないとしたら、なぜそう考えるのか
商品Aに関する良いことも悪いこともお聞かせ願えればと思います。
●ユーザーインタビューの実施方法
ユーザーインタビューは以下の日時を予定しておりますが、変更は可能です。日時:●年●月●日●時~●時
所要時間:1時間
場所:当社会議室(東京都●区●、●ビル●階地下鉄●駅から徒歩3分)
●謝礼などの事務連絡
ユーザーインタビュー終了後、謝礼(●円)をお支払いいたします。領収書に押印していただく必要があるので、印鑑をご持参ください。そのほかにご持参いただくものはございません。

まとめ~金言を得るために誠実に依頼する

人に何かをお願いするとき、依頼の仕方はとても重要です。気持ちよく仕事をしてもらうには、丁寧かつ誠実に依頼しなければなりません。

ユーザーインタビューを実施するマーケターは「解」がみつからず悩んでいるはずです。そしてユーザーこそ、その解を持っているはずだと考えて、ユーザーインタビューを実施するはずです。

ユーザーの言葉は金言になり得ます。しかし、重要な情報を提供してくれるかどうかは、回答者(ユーザー)の気持ち次第です。

ユーザーインタビューの回答者に「よい製品をつくってもらいたい」と思ってもらえるような依頼をしましょう。

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