トキ消費

トキ消費|3つの特徴と事業例、変化する消費行動をわかりやすく解説

「トキ消費」とは、現在の消費者行動を意味するキーワードであり、消費者行動について調べる中で耳にしたことがある、という方も多いでしょう。

しかし、「トキ消費」とは何か?と聞かれると、分かりやすく紹介することは難しい、という方も多いのではないでしょうか。

今回は、知っているようで知らないトキ消費について見ていきましょう。

トキ消費とは

消費形態は時代とともに変化し、その時その時の消費形態ごとにさまざまなキーワードで表されます。

「トキ消費」とは、2020年以降に見られるようになった消費者行動を表すキーワードであり、「ある特定の場所や時間でしか楽しめないこと」を意味します。

「トキ消費」以前の消費行動を表すキーワードとして知られるのが、「モノ消費」や「コト消費」。

「モノ消費」とは、消費者がお金を使う際に、商品・サービスの所有する機能の価値を重視することを表すキーワードです

「モノ消費」は高度経済成長期からバブル期、そして、1980年代と続きます。

高度経済成長期からバブル期は、まだモノが少ない時代であり、商品・サービス「そのものの機能」に価値があるとされていました。

したがって、多くのモノを所有することが幸せや成功の証だと考えられ、生活を豊かにするテレビや冷蔵庫、洗濯機などが市場に出ればすぐに売れていたのです。

そして、1980年代はブランドもののアイテムや輸入車など、流行りのモノを持つことで他人と差別化しようとする傾向がありました。

1990年代後半になると、人々の消費行動が「モノ消費」から「コト消費」に変化していきます

「コト消費」とは、商品・サービスによって得られる経験や思い出、人間関係などに価値を見いだし、レジャーやサービスにお金を使ったりすることを表します。

具体的には、スポーツ観戦や、スキューバダイビングなどのアクティビティ、旅行、美術鑑賞などが「コト消費」の消費行動にあたります。

トキ消費の3つの特徴

トキ消費には

  • 被再現性
  • 参加性
  • 貢献性

という3つの特徴があるとされています。

トキ消費 特徴

非再現性

非再現性とは、時間や場所が限定されていて、その瞬間を逃すと同じ盛り上がり・感動は2度と味わえない、というものです。

その場面を貴重だと思わせることで行動を促します。

参加性

参加性とは、単に用意されたコンテンツを消費するだけではなく、消費者自身が主体的に参加する運動面が強いということです。

つまり、同じ趣味嗜好を持つ人たちが集まって盛り上げる場を、単なる来場者や傍観者としてではなく主体的に参加することで消費するということを示しています。

参加することが目的となっているといえるでしょう。

貢献性

貢献性とは、集まりやイベントに参加するための行動が明確で、参加した成果が目に見えてわかることで、盛り上がりに貢献していることを実感できるということです。

トキ消費の事業例

トキ消費の例として、ハロウィンやワールドカップ観戦、クラウドファンディングや防ハンバーガーチェーンのキャンペーンなどが挙げられます。

ハロウィンというと、仮装した人が渋谷のスクランブル交差点でハイタッチするイベントを思い浮かべる方が多いと思いますが、このイベントは、その「トキ」の体験を楽しむ、というイベントです。

また、サッカーのワールドカップ観戦も、同じ趣味を持つ人が集い、その「トキ」の体験を楽しむことができる「トキ消費」に該当します。

上述した2つのイベントは同じ趣味を持つ人が集まってその「トキ」を楽しむという点で共通したものですが、コラボカフェやファンミーティング、オンラインサロンなど、好きなものがテーマになっている場所もトキ消費の一つとなります。

また、インターネットを通じて多くの人からお金を集めるクラウドファンディングもトキ消費の1つです。

映画『この世界の片隅に』が、クラウドファンディングで3,912万円もの支援金を調達して制作されたことは有名な事例ですが、世の中に2つとないプロジェクトにお金を投じ参加することは、本人にとって得難い満足感や高揚感につながるといえるでしょう。

某ハンバーガーチェーンが実施した「ハンバーガー生き残りキャンペーン」も「トキ消費」の1事例として挙げられますが、このキャンペーンは、スタッフからの人気が高いものの売り上げは最下位というハンバーガーを、「約2カ月の期間中に、売り上げランキングで8位以上に入らないと販売終了」とするものでした。

結果は、多くの人がそのハンバーガーを食べるためにお店に足を運び、見事4位にランクインしたことで販売存続が決定。

このキャンペーンは、「もう食べられなくなるかもしれない、スタッフに一番人気のハンバーガーの生き残りをかけた投票」という非再現性と参加性、貢献性というトキ消費のワクワク感が分かりやすい事例といえるでしょう。

変化する消費の方向性

消費行動 トキ消費 コト消費 モノ消費 イミ消費 エモ消費

今の消費者はモノやサービス、情報などあらゆるものが供給過剰の状態にあり、すでに多くのモノを持っている状態です。

そのため、消費の方向性は多様化しており、最近では「モノ消費」や「コト消費」、「トキ消費」というキーワードだけではなく、「イミ消費」や「エモ消費」というキーワードも登場しています。

「イミ消費」とは、商品・サービス自体の機能だけではなく、社会に貢献できるという付加価値に共感して選択する消費、「エモ消費」とは心を動かされるような体験を含む消費のことを意味します。

「イミ消費」「エモ消費」という2つのキーワードに共通することとして、消費行動そのものに貢献感や満足感が伴うということが重視されているといえるでしょう。

最近では、いかにモノを増やさないかということを重視する「ミニマリスト」「シンプリスト」という人も増え、若年層ほど「家族や友人とのつながり」や「時間」を重視し、年齢が上がるほど「健康」を重視するというデータもあります。

今後は、商品やサービス、ターゲットとする層に合わせ「どう消費するか・させるか」ということを重視していくことが大切です。

まとめ

「トキ消費」とは何か、どういう特徴があるのか、ということについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

消費者行動の形態は時代とともに変化するものであり、消費スタイルを知ることで新たなビジネスの機会につながります。

インターネットやスマホの普及により、モノや情報のやり取りが簡単になった現代において、変化する消費者ニーズを的確に理解することが、ビジネスチャンスをつかむために重要です。


参考