Tips for user hearing ユーザーヒアリング インタビュー コツ

【インタビュー編】ユーザーヒアリングの質問項目はどうつくるのか

インタビュー形式のユーザーヒアリングでは、何を尋ねたらよいのでしょうか。

質問項目はどのようにつくっていったらよいのでしょうか。

質問が不適切では、経営者やマーケターは、顧客から必要な情報を引き出すことができません。

相手が思わず本音をこぼしてしまうような質問を考えましょう。

まずは仮説を立てる

ユーザーヒアリングとして顧客インタビューを行うとき、先入観を捨てることが大切ですが、それと同時に忘れてはならないのが仮説を立てること。

先入観と仮説は、似ているように思えるものですが、ユーザーヒアリングではまったく異なるものと考えることが大切です。

仮説は質問項目に影響を及ぼすもの。

まずは仮説を立てる意義を考えていきましょう。

先入観と仮説を区別する意味

先入観とは「どうせこういうことなのだろう」という想いのこと。そして、仮説とは「このような結果になるのではないか」という予測のことです。

両者は似ていますが、ユーザーヒアリングでは分けて考え、先入観を捨てて、仮説を立てなければなりません。

先入観を持っていると、「仮説が間違っている前提」の質問が出なくなります。

先入観を持っていると、「仮説が間違っているかもしれない」という想いを持つことができないので、「どうしてこの仮説が間違っているといえないと言えるのですか」という質問ができません。

仮説を立ててユーザーヒアリングに臨まなければならないのは、仮説が正しいことと、仮説が間違っているわけではないことの両方を立証するためです。

そして、もし仮説が間違っていたら、ユーザーヒアリングの結果によって、間違いを証明できなければなりません。

例えば「今年はピンクの服が流行るに違いない」という先入観を持っている人は、ユーザーヒアリングの対象者に「なぜ『ピンクの服が流行らない』といえないのですか」と聞くことを忘れてしまうでしょう。

しかし、ピンクの服が流行るかどうかを知りたいユーザーヒアリングでは、ピンクが流行るといえる証明だけではなく、「なぜ『ピンクの服が流行らない』といえないのか」まで立証する必要があります。

先入観を持たない人なら「なぜ『ピンクの服が流行らない』といえないのですか」と顧客に聞くことができます。すると顧客は次のように答えるかもしれません。

「私は○○という雑誌を読んで、流行する色を予測しています。その雑誌が、来年の流行色はピンクだといっています。だから『ピンクの服が流行らない』とはいえない、と考えます」

この情報が得られれば、ピンクが流行るという予測が「1冊の雑誌によって打ち立てられたものである」ということがわかります。つまり、根拠は極めて脆弱なものといえるのです。

これが、先入観を持たずにインタビューする意義になります。

なぜ仮説は大切なのか

先入観を捨てなければならないなら、仮説も要らないような気がするかもしれません。

しかし、仮説はユーザーヒアリングには欠かせないもの。

なぜなら、仮説を立てないと、インタビューの質問が散漫になってしまうからです。

インタビューの質問項目は、仮説の正しさを立証するものと、仮説の間違いを否定できることを立証するものでなければなりません。

つまり、仮説を立てないと、仮説が正しいのか、仮説が間違っているのかが確認できません。

仮説に基づいて質問項目を考える

仮説を立てることができたら、それに基づいてインタビューの質問項目を考えます。

繰り返しになりますが、そのときの指針は次の2つです。

  • 仮説の正しさを立証できる質問
  • 仮説の間違いを否定できることを立証できる質問

この2点に加えて、「顧客の考えや感情、行動について聞く」質問も用意するといいでしょう。

仮説の正しさを立証できる質問

仮説の正しさを立証するための質問では、仮説の根拠について尋ねるようにします。

例えば、自社製品の課題を探るための顧客インタビュー(ユーザーヒアリング)を行う場合に、「自社製品が目標販売額を達成できないのは、性能が過剰で価格が高いからではないか」という仮説を立てたとしましょう。

このとき次のような質問が必要になることがわかります。

「この製品にはこのような性能がありますが、不要な性能はありますか」

「この製品はいくらなら買いますか」

仮説の間違いを否定できることを立証できる質問

仮説の間違いを否定できることを立証できる質問は、あえて仮説を否定する聞き方をします。

先ほどと同じように、自社製品が目標販売額を達成できないのは、性能が過剰で価格が高いからではないか、という仮説を立てた想定します。

その場合、

「実は、この製品の性能は過剰だと言うユーザーさんもいます。でも、これだけの性能がないと、使い物にならないですよね」

と質問したとしましょう。

この質問は明らかに、顧客(インタビューの相手)に、「これだけ充実した性能が必要である」と言わせようとしたもの。

もし顧客が「確かに、これだけ充実した性能が必要ですね」と答えれば、仮説が間違っていることがわかります。

しかし、もし顧客が「いえ、そのようなことはないでしょう。この製品の性能は、明らかに過剰です」と答えたら、この製品の性能が過剰であることの確証はかなり高くなります。

つまり、仮説の間違いを否定できることを立証したことになります。

顧客の考えや感情、行動について聞く質問

インタビュー形式では、信頼関係が重要となります。

インタビューを受ける顧客は、大抵は「せっかくだから、なるべく褒めよう」とか「問題点を指摘するようにしよう」と構えてしまい、「正味の意見」を聞くことができません。

しかし、インタビューをするときは、顧客の心を開かなければなりません。

顧客に心を開かせ、信頼してもらうには、質問項目を工夫する必要があります。

合理的かつ効率的な質問だけを並べず、

「例えば明日、このサービスを利用することになったとします。このサービスを利用し終えたとき、あなたはどのような気持ちになっていると思いますか」

「もしこの商品を手にしたら、誰に自慢したいですか」

「この製品は、キャンプ場で使えそうですか」

「空港の荷物検査で、ぎりぎり重量オーバーになりました。この5つの商品のなかで1つ削らなければならないとき、どれを選びますか」

など、エモーショナルな質問も用意しましょう。

同じ質問を3度する

インタビューの相手は、案外平気に矛盾した回答をします。それは悪意があるわけではなく、「なんとなく」そうなってしまうのです。

質問Aで「XはYである」と答え、質問Bで「XはZである」と答えても大丈夫なように、質問Cも用意しておきましょう。

「訊問や詰問」ができるのであれば、「あなたはXはYであると言う一方で、XはZでもあるとも言っています。これは矛盾しています、どちらが本当ですか」と詰め寄ることができますが、ユーザーヒアリングではそのようなことはできません。

そこで質問Cを用意しておき、「XはYである」という答えが得られれば、「XはY」が2票、「XはZ」が1票となり、この人の本音は「XはYである」と推測できます。

雑談を交えてさらに掘り下げる

エモーショナルな質問でも、インタビュー相手をリラックスさせられないかもしれません。そのとき活躍するのが雑談です。

「インタビューの雑談」と聞くと、インタビュー内容に沿った話題を用意しなければならないと思うかもしれませんが、そのようなことはありません。

例えば、家電製品の使い勝手に関するインタビューをするときに、飼い犬の話をふってもいいですし、最近のニュースについて感想を求めても構いません。

雑談のテーマはなんでもかまいません。

ただし、インタビューの相手が自ら進んで喋ることができる話題にする必要があります。ある話題に相手がのってこなかったら、別の話題を探しましょう。

雑談は、インタビューの途中に挿入してもかまいません。飲み物を換えるタイミングなどで雑談をふってみるのもいいでしょう。

インタビューが終了した直後に雑談をするのも有効です。

インタビューの終了を告げられた相手は「もう、しっかりした回答をする必要がない」と警戒を解きます。そして、そのときに本音がポロリとこぼれてくることがあります。

雑談は、本音を引き出す呼び水になります。

まとめ

ユーザーヒアリングにおけるインタビューは、本音を引き出すことができなければ、間違った結果を得ることとなります。

相手をリラックスさせて本音を語ってもらうようにしましょう。


<参考>

ユーザーヒアリングのコツを徹底解説! | 「ユーザーの本音」を知る為の流れについて詳しく解説