アンケートも顧客リストも、マーケターの武器であり貴重な財産です。
アンケートを上手に活用すれば、顧客満足度を知ることができたり、新製品のヒントが得ることが、そして、顧客リストを上手に活用すれば、販売を促進したり、ロイヤリティを高めたり、ブランディングができたりします。
アンケートと顧客リストは、性質が異なる独立したマーケティング・ツールと考えられていますが、この2つを合体させると意外な相乗効果が生まれます。
2つの財産が生む2つの相乗効果とは
マーケターがアンケートと顧客リストを合体させると、次のようなことができます。
●アンケートを使って、新たな顧客リストをつくることができる
●既存の顧客リストを使ってアンケートを実施すれば、新たな洞察を得ることができる
1つずつ解説していきます。
アンケートを使って新たな顧客リストをつくる
顧客リストが古くなったり、新しいターゲット層の消費者リストが新規に必要になったりした場合、アンケートを使って必要な情報を集めることができます。
アンケートといえば、製品の使い心地を尋ねたり、満足しているところや不満に感じているところを尋ねたりするために使いますが、個人情報を集めることも可能。
ただし、その際、入手した個人情報はマーケティングで利用することを、回答者に伝えなくてはなりません。
新しいターゲット層の消費者リストをつくりたいときは、ターゲットになる人たちに「謝礼つき個人情報提供型アンケート」を実施するとよいでしょう。
顧客リストを使ったアンケートで新たな洞察を得る
マーケターは、顧客リストのなかから特定の属性を持つ顧客を選択することで、ターゲットを絞ったアンケートを実施することができます。
任意の消費者や不特定多数に対して行うアンケートと、顧客リスト・アンケートでは、質問内容が同じでも、異なる洞察を得ることができます。
異なる洞察が得られれば、自社をよく知っている人(顧客)と、自社を知らない人(不特定多数の人)では、自社製品への見方が違うことがわかります。
もし、似たような結果が得られれば、不特定多数の人も、顧客と同じ感情を持っていることがわかります。
これらのアンケート結果は、次のマーケティング・キャンペーンを企画するときの重要な資料になるはずです。
顧客リストに必要なデータを紐づける
顧客リストを使ってアンケートを行うには、顧客リストのつくり方を変えていく必要があります。
顧客リストのデータをデジタル化することは基本中の基本なので、以下では顧客リストのデジタル化が終わってからの解説をしていきます。
アンケートの質が向上する
アンケートで使える顧客リストにするには、個人情報にデータを紐づける必要があります。
紐づけるべきデータは多種多様で、例えば、顧客ID、購買履歴、購入日、購入商品、購入額、サイト内の行動履歴などがあります。
顧客リストの個人情報と必要データを紐づけておくと、例えば、直近3カ月間に1度も購入したことがない顧客に購買を促すアンケートも、簡単に実行できます。
顧客リストの個人情報と必要データの紐づけは、いわばデータ整理です。顧客リストのデータを整理しておくことで、アンケートの質が向上するでしょう。
顧客データは宝物
顧客データが企業やマーケターにとって宝物であることは、誰でも知っています。しかし、宝物を宝物として大切に扱っていない企業やマーケターもいます。
情報漏洩しないように強固に保存するだけが、顧客データを大切に扱うことではありません。
せっかく、アンケートを使って新たな顧客リストをつくったり、顧客リストを使ってアンケートを行ったりするので、この機会に顧客リストを磨き上げましょう。
定期的に情報を更新する
住所が変わっている人や、苗字が変わっている人、自社製品を10年以上購入していない人などが顧客リストに載っていると、それを使ったアンケートやマーケティング施策は間違った方向に進んでしまいます。
顧客リスト内の情報は、定期的に更新してください。
更新作業には、使えない顧客リストを削除することも含まれます。
顧客リストを大事にしすぎると、つい「せっかく苦労して集めた個人情報なのだから」と、削除がためらわれてしまいがちですが、古い情報や古いデータで事業戦略を立てないように、古い顧客リストでアンケートやマーケティングを実施しても、期待とおりの結果は得られません。
使えないデータは削除するようにしましょう。
顧客リストの更新作業では、新しい顧客情報の追加も重要です。先ほど紹介したとおり、顧客情報を得るために謝礼つきアンケートを実施してもよいでしょう。
また、アナログデータのままの顧客情報は、早急にデジタル化したほうがよいもの。それがDX化、IT化の第1歩になります。
アンケートの質は顧客リストの質で決まる
顧客リストを使ったアンケートでは、新しい洞察が得られます。つまり、顧客リスト活用型アンケートは、質の高いアンケートになりえます。
しかし、アンケートの質は、顧客リストの質に左右されます。
更新されていない古い顧客リストを使ったアンケートから、質の高い結果が得られないのはもちろんですが、そのほかにも注意すべき点があります。
複数の顧客リストをつくろう
顧客リストを「1本」しか持ってない企業は、複数の顧客リストをつくるようにしましょう。
1本の顧客リストは、例えその内容が充実していても、単なるビッグデータでしかありません。ビッグデータがビジネスの重要要素として注目されて久しいですが、それ自体は混沌とした情報の集まりにすぎません。ビッグデータが価値を生むのは、そのなかの情報を整理したり分析したりしたときだけです。
1本の顧客リストも、顧客情報を集めただけのものであり、混沌とした情報群でしかありません。
マーケターは、例えば「30代の子持ち女性の顧客リスト」や「ある製品のヘビーユーザー・リスト」や「売上貢献度上位100人リスト」をつくるようにしてください。
細分化された顧客リストは、アンケートをするときにも便利ですし、それ以外のマーケティング業務でも活躍するでしょう。
まとめ
アンケートは、顧客や消費者の本音を探るために実施するものであり、顧客リストは、顧客とのつながりを深めるためにつくるもの。
アンケートも顧客リストも、顧客に近づくためのツールなので、両者は親和性が高いといえます。
したがって、アンケートを使って新たに顧客リストをつくることも、顧客リストを使ってアンケートすることも、マーケティングに鋭い洞察を与えることができます。
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