マーケティングに強い企業の条件【日経ランキングから】

日経BP社のネットメディア「日経クロストレンド」は、2018年のマーケティング実力ランキング300を公表しました。 上位3位は 1位 カルビー 2位 ハーゲンダッツ 3位 ユニクロ という企業が名を連ねましたが、これらのトップ3以外も、上位には誰もが知っている会社が並びました。 これらの企業はなぜ、マーケティングが強いと認知されているのでしょうか。 上位企業が実行しているマーケティングを紹介しながら、強くなるための条件を探っていきましょう。

ランキングの概要

上位3位の企業については、冒頭でも紹介しましたが、4位以下の企業には以下のような企業が選ばれました。 4位 明治 5位 亀田製菓 6位 セブン-イレブン 7位 ミスタードーナツ 8位 日清食品 9位 サーティワンアイスクリーム 10位 モスバーガー いずれも、名前を耳にしたことがある企業がランクインしていることが分かります

基準

日経クロストレンドのマーケティング実力ランキング300は、次のような選考基準の元で選ばれているとされています。
  • 商品の魅力
  • 価格の魅力
  • 広告の魅力
  • 高感度
  • 購入意欲
  • 推奨するかどうか
また、調査対象は全国20~60代の男女のフルタイム勤務者、計5,600人。 つまり、このランキング上位企業のマーケティングは、アクティブな消費者から支持されていることを示しています。

上位企業のマーケティングを観察してみる

ランキングの上位企業として選ばれた「カルビー」「ハーゲンダッツ」「亀田製菓」の3社について、どのようなキャンペーンを展開しているのかみてみましょう。 このなかに、消費者から支持されるマーケティングのコツがみつかるはずです。

カルビーのマーケティング

カルビーは、今回のランキング調査で1位に選出されました。 カルビーはさまざまなキャンペーンを企画・実施する企業ですが、2019年8月~12月の期間限定で、「北海道のじゃがいも 10万名様にプレゼント」というキャンペーンを実施しています。 このキャンペーン期間中にカルビー商品を購入し、商品についている応募券をはがきに貼り付けて送ると、次の2つのプレゼントのいずれかが当選者に贈られます。
  • カルビーのオリジナル品種のジャガイモ「ぽろしり」(北海道産、2㎏)
  • 人気品種のジャガイモ「トヨシロ」(北海道産、2㎏)
カルビーといえば「ポテトチップス」を思い浮かべる方も多いと思いますが、カルビーはいわば「ジャガイモ・ビジネス」を展開している企業です。 このキャンペーンは「日頃お世話になっているジャガイモ」をリスペクトする内容であり、「ジャガイモのカルビー」を世の中にPRすることにも成功しています。

ハーゲンダッツのマーケティング

ハーゲンダッツは2位にランキングしている企業ですが、ハーゲンダッツのマーケティングの特徴は、ホームページにあります。 ハーゲンダッツのホームページには、常に新商品が紹介されています。 「どこの企業も自社ホームページで新商品を紹介しているのではないか」と考える方も多いかもしれませんが、ハーゲンダッツほど新商品にこだわり、それらをしっかりPRしている企業はそう多くないでしょう。 2019年9月現在、ハーゲンダッツのホームページには15種類の新商品が並んでいます。 そのすべてを紹介します。 1)デセールバーショコラバナナクロッカン デセールバーショコラバナナクロッカンは、期間限定商品です。 チョコレートとバナナの人気の組み合わせの新たなバーシリーズです。 2)紫イモのタルトレット 紫イモのタルトレットも期間限定商品。 人気の紫イモを使用した、ほっこりとした味わいのクリスピーサンドです。 3)リッチ パンプキン リッチ パンプキンも期間限定商品であり、カボチャそのもののリッチでクリーミーなおいしさが特徴です。 4)ジャポネ 抹茶パイ~ほのかな黒蜜~ ジャポネ 抹茶パイ~ほのかな黒蜜~は、期間限定・セブン-イレブン限定商品です。 人気の”抹茶”をアレンジしたアイスクリームデザートとなっています。 5)エスプレッソミルク~香味ロースト~ エスプレッソミルク~香味ローストは、コーヒーの深いコクと華やかな香りが感じられる本格的な味わいのフレーバーです。 6)ゆずのブランマンジェ ゆずのブランマンジェは、ユズとミルクが織り成す濃厚で爽やか夏のスイーツです。 7)バナナ&マスカルポーネ バナナ&マスカルポーネは、バナナとマスカルポーネを組み合わせた夏にぴったりなスイーツです。 8)ジューシーバーマンゴー&ブラッドオレンジ ジューシーバーマンゴー&ブラッドオレンジは、夏を感じるトロピカルで爽やかな味わいを楽しめます。 9)【スイート テラス】 クッキー&グリーンティー パンナコッタ&ラズベリー カフェ&ミルク 【スイート テラス】 クッキー&グリーンティー パンナコッタ&ラズベリー カフェ&ミルクは、春夏にぴったりの爽やかな味わいの詰め合わせです。 10)吟撰きなこ黒みつ 吟撰きなこ黒みつは、2019.09.17 発売予定のフレーバーです。 香り高いきなこの濃厚な味わいを楽しむことができます。 11)ずんだ ずんだも、2019.09.17 発売予定のフレーバーです。 枝豆の豊かな風味とミルクが織りなす味わいを楽しめます。 12)メルティーメープル&クッキー メルティーメープル&クッキーは、2019.10.22 発売予定のフレーバー。 とろりとしたメープルソースがあふれ出る香り豊かな秋の味わいを楽しめます。 13)【カフェ モーメント】キャラメルラテクッキー&チョコレートクリーミーエスプレッソ 【カフェ モーメント】キャラメルラテクッキー&チョコレートクリーミーエスプレッソは、2019.10.15 発売予定です。 くつろぎのひとときにぴったりの詰め合わせです。 14)クリーミーバニラプディング クリーミーバニラプディングは、2019.10.08 発売予定。 濃厚な味わいのカスタードとバニラが華やかに香るミルクソースのハーモニーを楽しめます。 15)マスカルポーネ&いちじく~ラム酒仕立て~ マスカルポーネ&いちじく~ラム酒仕立て~は、2019.10.08 発売予定のフレーバー。 ほんのり甘酸っぱいイチジクを感じる華やかな味わいを楽しめます。 15種類のアイスについて紹介してきましたが、いかがでしょうか? それぞれが異なる食材を用いて作られた15種類のフレーバー。 バラエティの豊富さとボリューム感に圧倒されます。 いずれも期間限定、またはこれから発売する商品であり、パッケージもそれぞれで作られています。 ハーゲンダッツはアイスクリームにとことんこだわっている企業ですが、消費者にもそのこだわりがしっかりと伝わってきます。 「家庭用高級アイスクリーム市場で圧倒的な知名度を誇る企業が貪欲に新商品を打ち出す」 この愚直で貪欲な姿勢こそが、ハーゲンダッツのマーケティングの強さの秘密でしょう。

亀田製菓のマーケティング

亀田製菓のホームページには、同社の主力菓子である「ハッピーターン」の動画CMが掲載されています。
(引用:亀田製菓) 動画CMはこのような内容です。 タレントのマツコ・デラックスさんが「ハッピーターンが変わりました」というキャッチコピーとともに、自転車に乗って登場。 マツコさんはすぐに画面から消えてしまいますが、そのあとすぐ、自転車に乗って現れます。 そして「戻って来たわよ、ターンよターン、ハッピーターンよ」と言います。ダジャレです。 画面が切り替わり、今度は、ハッピーターンを食べて「食べたわよ、変わってないわよ」と言います。 そこにナレーションが「変わりました」と入ります。 亀田製菓は2019年に、ハッピーターンをリニューアルさせました。しかし、ハッピーターンは「国民的お菓子」にまで成長した商品なので、劇的に変化させるわけにはいきません。 そこで、従来のファンに違和感を持たせないようにしながら、それでいて「おいしさが向上した」と思わせるようにしなければなりませんでした。 その苦労の様子をこのCMに込めたわけです。 マツコさんに「変わってないわよ」と言わせて、ハッピーターンはハッピーターンのままであることをアピールしつつ、それでも変わったことを訴えているのです。

3社のマーケティングの特徴

カルビー、ハーゲンダッツ、亀田製菓のマーケティングについて紹介してきましたが、その特徴は次のように整理できます。 マーケティング 企業 この3社のマーケティングに共通しているのは、自社の「幹」を強化しているところです。 ポテトチップスのカルビーがジャガイモにフォーカスし、アイスクリームのハーゲンダッツが多品種のアイスクリームを投入。 ハッピーターンの亀田製菓がハッピーターンのPRに力を入れています。

「買いたくなる」がある

日経クロストレンドは、マーケティングを次のように定義しています。
  • 買いたくなるような仕組みをつくる
  • 買いたくなるように仕向ける
教科書的なマーケティングの定義はとても複雑ですが、経済メディアのマーケティング論はこれほどシンプルなのです。 そして、マーケティング効果をあげている企業が実行しているマーケティング方針も「自社の幹を強化する」と、とてもシンプルです。 消費者の心をつかむには、ときに単純さが大切だといえるでしょう。

まとめ~買わせられるか

多くの企業は「お客様に商品を選んでいただけるよう努力する」と言いますが、マーケティングの現場はそのような「キレイごと」ばかりは言っていられません。 企業のマーケティング担当者は「どう買わせるか」を競っています。 ランキングの上位企業のマーケティングを研究することで、その貪欲さを学ぶことができるでしょう。

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<参考>
  1. 1位はポテチ新規客を掘り起こしたカルビー 「マーケ実力調査300」(日経クロストレンド) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00009/00001/?P=1
  2. 北海道のじゃがいも10万名様にプレゼント(カルビー) https://www.calbee.co.jp/daishukakusai/?corp_ban=top20190909
  3. 新商品情報(ハーゲンダッツ) https://www.haagen-dazs.co.jp/products/new-limited.html
  4. 亀田製菓 https://www.kamedaseika.co.jp/cs/