雪印メグミルク

ブランドイメージをV字回復!雪印メグミルクのマーケティング施策とは?

マーケティング施策を考える際、失敗を恐れて積極的な提案ができないことも少なくありません。確かに、マーケティング施策を考えることは難しく、失敗すれば会社に大きな損害を出してしまう可能性もあります。

しかし、他社のマーケティング成功例を参考にすれば、施策での失敗を回避することができるでしょう。

参考になるマーケティングの成功例はいくつかありますが、今回は雪印メグミルクが行ってきたマーケティング施策について紹介します。

ブランドイメージが失落した状態から雪印メグミルクとして新生し、大きく業績を伸ばしている雪印メグミルク。

そのマーケティング施策は畑違いの業種であっても手本になるものばかりです。

2000年・2002年の食中毒事故によるブランドイメージの低下

有限責任北海道製酪販売組合を母体とし、長年さまざまな乳製品を販売してきた雪印乳業ですが、2000年に起きた雪印乳業食中毒事件によって大きくブランドイメージを落とします。

そして、グループ会社全体の経営が悪化するなか、2002年に子会社の不監督が原因で雪印牛肉偽装事件が発生し、ブランドイメージはどん底まで下がってしまいました。

その結果、雪印食品は同年4月30日限りで廃業。雪印乳業も事実上の解体となりました。

事業分割、経営統合・合併による再建

ブランドイメージが失落した雪印が、まず行なった施策が事業分割です。

廃業した雪印食品の乳食品事業は雪印乳業が継承。アイスクリーム事業は、ロッテとの合弁会社ロッテスノーに、そして、冷凍食品事業は雪印冷凍食品(後のアクリフーズ)に分社しました。ロッテスノーは後にロッテの完全子会社となりロッテアイスに、アクリフーズはニチロに売却後、グループ企業と共に吸収されてマルハニチロとなっています。

その他の事業も、分割や経営統合・合併によって再建に成功しています。

中でも、牛乳事業は、ジャパンミルクネットの市乳事業と事業統合し、日本ミルクコミュニティとして分社。その後、2009年10月1日、雪印乳業と経営統合し雪印メグミルクを設立しました。2011年4月1日には、傘下の雪印乳業や日本ミルクコミュニティを吸収合併し、1社体制での再建に成功しています。

「グループ長期ビジョン2026」で長期的な成長を目指す

雪印メグミルク グループ長期ビジョン 2016

事業分割、経営統合・合併による再建に成功し、2011年から本当の意味での雪印乳業の牛乳事業の再スタートを開始した雪印メグミルク。

2017年からは、10年後をゴールとした持続的な成長を目指す長期ビジョンを活動の基軸として、更なる成長を目指しています。

この長期ビジョンの実現のために、現在、雪印メグミルクではライン構成の組替えなどによる効率の良い生産ラインへの進化や、グループの経営資源やバリューチェーン活用してのグループ総合力の強化を実施しています。

雪印メグミルクとして再スタートする際に企業理念として掲げたのが、ミルクの新しい価値を創造することによって社会課題の解決し、社会に貢献する企業であり続けること。

その社会課題の対象になっているのは、消費者や酪農生産者だけではありません。

環境負荷の低減のために、地球温暖化の防止や持続可能な資源の利用、循環型社会の形成に積極的に取り組んでいます。また、性別、年齢、国籍、障害の有無など様々な背景を持つ人がそれぞれの個性を認め、尊重し、互いの能力を発揮できる企業を目指し、育児や介護があっても働ける環境整備に力を入れています。

雪印メグミルクのさまざまな取り組み

「グループ長期ビジョン2026」では、2017年度5,961億円であった連結売上高を7,000〜8,000億円に、193億円だった連結営業利益を300〜400億円にすることを目標に掲げています。

ここでは、その目標達成のために雪印メグミルクが行っている取り組みを紹介します。

スマホユーザーの取り込み

スマホの普及に伴い、雪印メグミルクでは、スマホユーザーの取り込みを積極的に行っています。

例えば、サイトリニューアルの際にはスマホに対応したサイトを用意したり、スマホから応募できる赤ちゃん写真コンテストを実施したりしています。

また、雪印メグミルクの商品を使った料理のレシピや、牛乳パックを使ってすぐに作れる便利グッズでのレシピをスマホで公開するなど、スマホを活用したさまざまな取り組みによって、多くのスマホユーザーの取り込みを図っています。

サイトリニューアル

雪印メグミルクは、2011年の雪印乳業と日本ミルクコミュニティとの合併による再スタートの際に、サイトのフルリニューアルを実施しました。

この際、それぞれのサイトごとに商品情報やレシピ情報・ブランドサイトなどのコンテンツを統合し、企業情報の積極的な見える化をすることで、雪印乳業への不信感の払拭を図ったのです。

現在、雪印メグミルクは、ユーザーの意見を積極的に取り入れながら、ユーザーが求めている情報を考慮したサイトのリニューアルを継続的に行っています。

また、徹底したSEO対策を行うことによって、検索エンジンからのアクセス数が6ヶ月後に8.6倍、14ヶ月後に16.5倍、41ヶ月後に58.7倍、55ヶ月後には84.37倍を達成しています。

継続的なPDCA

PDCAは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、業務の効率化を目指す手法ですが、雪印メグミルクでは運用型広告で継続的なPDCAを実施しています。

PDCAサイクルでターゲットに合わせた媒体テスト・クリエイティブテストを継続的に実施することで、効率のよい掛け合わせを分析。その結果、キャンペーン申込数が約3倍、CV率は2倍以上の増加に成功しています。

SNSの活用

スマホユーザーの取り組みに積極的な雪印メグミルクでは、SNSの活用も積極的に行っています。

SNSによるキャンペーンには、Twitterを活用した雪印コーヒーと明神湯がタイアップした「雪印コーヒー風の湯に浸かれる」キャンペーン(2018年2月16〜18日)の告知など、さまざまなものがあります。

また、雪印メグミルクは、新入社員の育成支援ツールとしてもSNSの活用を行っています。

「何回も見たい」と思われるCM

CMでの​マーケティングは珍しくはありませんが、雪印メグミルクでは、他とは少し違うCMで商品の注目度を上げることに成功しています。

そのCMとは、雪印メグミルクの『6Pチーズ とろッピ~篇』。

本保佳音ちゃんがかわいらしい笑顔と不思議で気になる振り付けのダンスが特徴的でしたが、画面の左側でチーズのとろけ方にこだわったシズルカットが映るCMは、CM好感度のトップになったほか、SNSでダンスをやってみた動画がたくさんあがっています。

まとめ

どん底まで下がったブランドを再生させ、新たなブランドとして新生した雪印メグミルク。

マーケティングは達成したい目的に応じて施策が変わりため、そのまま真似しても成功することができませんが、成功事例を知ることで、自社に必要な施策に気付くことができます。

今回の事例を参考に、自社のサービスやターゲットに合わせたマーケティングを実施しましょう。


参考

雪印メグミルクグループは「ミルク未来創造企業」として持続可能な社会の実現に貢献してまいります。(トップコミットメント)

雪印メグミルク 株式会社 成功事例 〜徹底した潜在顧客調査とSEO対策を実施。検索エンジンからのアクセスが6ヶ月後に8.6倍、その後も増加し続け、55ヶ月後には84.37倍を達成!!(PENCIL)

雪印メグミルクのSNS戦略―たまには尖るが基本的には堅実路線―(Business-Relations)

雪印メグミルクの価値創造(雪印メグミルクレポート2019)