A/Bテスト

サイトの改良に欠かせない「A/Bテスト」の仕組みと注意点

企業のWebサイトや商品のランディングページを改良するときに便利なのが「A/Bテスト」です。

A案とB案を比較するだけの簡単な調査手法ですが、効果は絶大です。

Webマーケティングに欠かせない、A/Bテストの仕組みや注意点を解説します。

A/Bテストとは「2案のよいほうを決める」調査

A/Bテストは、A案とB案ではどちらが消費者に好まれるかを確認する調査手法です。

例えば、ECサイトのデザインを2つつくり、Aデザインを見たモニター(消費者)の好感度と、Bデザインを見たモニターの好感度を比べます。

A/Bテストのポイントは、次の2つです。

A/Bテスト

なぜ2案を比べるのか

A/Bテストでは、なぜ、2案を比べるのでしょうか。

その意義を考えてみましょう。

例えば、①案、②案、③案、④案、⑤案でA/Bテストを行なったとしましょう。

それぞれの案についてA/Bテストを実施することは可能ですが、A/Bテストは「A」か「B」かを選ぶものであり、すべての案を同時に比べることはできません。

したがって、比べる案が3案以上あれば、A/Bテストを複数回実施する必要があり、すべての組み合わせでのテストを実施しても、結局1案に決めることができない、ということになるのです

つまり、A/Bテストは案が3案以上ある状態で実施しても意味がない、ということになるでしょう。

一方、例えば、サイト制作チームが、高級イチゴを販売するECサイトをつくることになった場合に、チーム内でさまざまなコンセプト案が出され、それぞれについて議論を重ねた結果、「産地をPRする」案と「甘みをPRする」案との2案に絞られたとしましょう。

そこでA/Bテストを実施すれば、「イチゴの甘みを強調したサイト」のほうが、「産地を訴求したサイトより好感度が高かった」という結果が得られ、サイトの方針が「甘みをPRする」という案に決定するのです。

つまり、2案に絞られた状態でA/Bテストを実施することで、方針を決定することにつなげることが可能となるのです。

A/Bテストは、企画の初期段階の案が3案以上ある状態で実施してしまうと混乱が生じるので、2案に絞ってから実施するようにしましょう。

なぜ1人の消費者に1案しか示さないのか

A/Bテストは、A案を見せる消費者グループ(モニター)とB案を見せる消費者グループにわけてテストを実施する方法であり、1人のモニターにA案とB案の両方を見せて「どちらがよりよいですか」と尋ねるものではありません。

A/Bテストで1人のモニターに2案を示さないのは、「選択」をさせないため。

A/Bテストは、本番と同じ状況で試さなければならないのです。

実際のECサイトでは、消費者はサイトのデザインを選んでから購買行動に進むわけではありません。

つまり、サイトのデザインを選択する行為は、本物の消費行動では登場しない行為であり、モニターに選択を迫ると、評価や批判といった「余計な思考」が働いてしまうのです。

余計な思考が働くと、モニターは、本物の消費行動とは異なる行動を取るかもしれないため、A/Bテストは、本番と同じ形で調査することが大切です。

A/Bテストを有効にするには、モニターの人数を多くする必要があります。また、A案を見るグループと、B案を見るグループの、モニターたちの属性が似ていることが必要です。

A/Bテストでわかること、わからないこと

A/Bテストは優れた調査手法ですが、その結果からわかることとわからないことは、明確にわかれます。

わかること

A/Bテストでわかることは、「片方の案のほうが、他方の案より優れている」ということです。

例えば、コンバージョンを左右するサイトページでA/Bテストを行ない、次のような結果が出たとします。

  • Aページのモニターのコンバージョン率:40%
  • Bページのモニターのコンバージョン率:30%

このとき、かなりの確度で「AページはBページより、コンバージョンの誘導に優れている」ということができます。

ここまではっきりしたことは、一般的なアンケート調査ではいえません。

マーケターなら一度は「アンケート結果で良好と出たのに、実際は芳しくなかった」といった経験をしていると思います。このような齟齬が生まれるのは、アンケート調査の選択項目が多すぎるからです。

A/Bテストでは、比べる対象は2つまたは数個しかなく、しかもモニターは1案だけを見て「良し」「悪し」を決めます。

このシンプルさが、結果の確度を高めます。

A/Bテストではさらに、「理由がわからないプラス要因」を探すこともできます。

サイトのページは、実績のあるデザイナーが作成すれば、大体はよいものができます。「よい」とは、デザインの法則にも、マーケティングの法則にもマッチするという意味です。

しかし、高いスキルを持ったデザイナーがつくったサイトでも、コンバージョンが増えるページと、増えないページが存在します。

そこはもう「理屈が通用しない世界」になります。

しかし、本当は、好まれるサイトには、理由も理屈も存在します。分析ツールが足りないので、好まれる理由や理屈が見えないだけです。

A/Bテストをしても、理由と理屈は見えないままですが、プラス要因が存在する案を選択することができます。

わからないこと

A/Bテストは、実は、わからないことのほうが多い調査手法です。

次のことは、A/Bテストでは確認できません。

  • なぜ優れているのか、なぜ劣っているのか
  • 多くの選択肢のなかの最良のもの
  • 煮詰まっていないアイデアのよし悪し
  • 多様な意見や微妙な感想
  • 選択肢に入っていない案の評価
  • 企画の初期段階での方向性

A/Bテストは、最良の案と最良の案を比べて、よりよい案を選ぶこと「しか」できない、と考えておいたほうがよいでしょう。

一般的なアンケート調査のほうが、より多くのことを発見できます。

A/Bテストを行う具体的な箇所

サイトづくりで威力を発揮するA/Bテストですが、具体的には次のような箇所を改善するときに有効です。

  • ファーストビュー
  • イメージ画像
  • 見出し
  • CTAボタン
  • 離脱動線

これらすべてにA/Bテストを実施すると、かなり効果的なサイトをつくることができるでしょう。

例えば、CTAボタンでA/Bテストを行ない、コンバージョンが上昇したという事例は、枚挙にいとまがありません。

ECサイトの閲覧者が、商品を気に入り値段にも満足しているのに、CTAボタンのデザインが気に入らないだけで「押さない(=やはり買わないことにした)」という事態は簡単に発生します。

マーケターが、自社のサイトやランディングページに少しでも違和感を持ったら、A/Bテストを実施したほうがよいでしょう。

注意事項

A/Bテストの注意事項は、実施時期とモニターです。

例えば、冬物衣料のサイトのベースカラーを決めるとき。

夏の暑い時期にA/Bテストを行なってしまうと青系の色が好まれ、秋にA/Bテストを行うと青は受けが悪い、など、季節や印象によっても判断は変わります。

「どういう」目的のサイトなのか、を念頭に置いてテストを実施することが重要です。

また、A/Bテストを受けるモニターも、厳選する必要があります。

サイトが狙うターゲット層とモニターとがずれていると、テストを行う意味が薄れてしまうので、A/Bテストはサイトのターゲット層に受けてもらうようにしましょう。

まとめ~簡単にできるから頻繁に行なおう

A/Bテストは、コストもそれほどかからず、簡単かつ気軽に行うことができるテストです。

そのため、Webマーケティングの担当者は、頻繁にA/Bテストを実施するといいでしょう。

グーグルでは、A/Bテストを行なえる「オプティマイズ」というサービスを無料で提供しています。このサービス以下のURLからアクセスできますが、こうした無料ツールを用いて自社でA/Bテストを実施し、より深い洞察や詳細な分析が必要になったら、サイト分析会社に依頼してみる、という方法もおすすめです。

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<参考>