ユーザーインタビュー 募集

ユーザーインタビューの相手は「こうやって」みつけよう【募集方法の解説】

ユーザーインタビューで得られる情報は、とても濃厚です。

その情報の質を左右するのは回答者、つまり、ユーザーインタビューの相手。

ただし、自社に強い関心を持ち、評価の目と批判の目の両方を持っている人にユーザーインタビューをしなければ、マーケティングのヒントを得ることはできなでしょう。

そこでこの記事では、良質なユーザーインタビュー相手(回答者)を集める募集方法について解説します。

気になる謝礼の額の相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

6つの募集方法を解説

ユーザーインタビュー相手を集める方法には、次の6つがあります。

●専門の会社に依頼する

●クラウドソーシングを使う

●縁故を使う

●アンケートの回答者から選ぶ

●顧客に直接依頼する

●従業員ユーザーを集める

これらは、どれが良く、どれが悪い、というものではなく、それぞれに一長一短あるため、マーケティング戦略に合致する方法を選ぶことが大切です。

1つずつ解説していきます。

専門の会社に依頼することの一長一短

アンケート会社やアンケート調査業者、リサーチ会社など、さまざま名称がありますが、企業のアンケート調査を引き受ける専門会社が存在します。

そのような専門会社に依頼すれば、ユーザーインタビュー相手を探してきてもらい、さらに、実際のインタビューや集計、分析まで任せることができます。

専門会社を使ってユーザーインタビュー相手を募集するメリットは、手間がかからないこと。

また専門会社は、どのようなタイプの人が「よい回答」をするか心得ているので、間違いのないユーザーインタビュー相手をみつけてくれます。そのため、専門会社に依頼することで質の高い情報を得ることができるでしょう。

専門会社を使うデメリットは、自社にノウハウが蓄積されないこと。

そのため、次回もまた専門会社に頼ることになるでしょう。

また、ユーザーインタビュー相手の募集は顧客との重要な接点になりますが、専門会社に任せてしまうとその機会を失うことになります。

顧客に「ユーザーの声を聞かせてもらえませんか」とアプローチすることも重要なコミュニケーションですが、それができません。

さらに、コストがかかることも専門会社を使うデメリットの1つです。

クラウドソーシングを使うことの一長一短

クラウドソーシングとは、フリーランスや副業をしている人たちに仕事を依頼するネットサービスのこと。

ユーザーインタビューを行おうとしている企業がクラウドソーシングのサイトに「当社の製品を使っている人の声を募集」と掲示すると、クラウドソーシングに登録している人たちが応募してきます。

企業はそのなかからユーザーインタビュー相手に相応しい人を選んで、話を聞くことができます。

クラウドソーシングを利用するメリットは、広く呼び掛けられること。クラウドソーシング・サイトの中には、数百万人の登録者がいるものもあり、質の高いユーザーインタビュー相手をみつけることができるでしょう。

また、クラウドソーシングを活用するメリットの1つにコスト安も挙げられます。ギャランティや謝礼の額は、ユーザーインタビュー相手と相談して決めますが、千円以下で引き受けてくれる人もいるでしょう。

一方、クラウドソーシングを利用するデメリットは、ユーザーインタビュー相手を探していることが広く知れ渡ってしまうこと。

ユーザーインタビュー相手を集めるには、クラウドソーシング・サイトに自社名を明かして募集しなければなりません。それはマーケティング戦略の一端を公開してしまうことになります。

また、応募してきた人が本物のユーザーかどうかを確認するすべがありません。

縁故を使うことの一長一短

縁故とは、取引先企業の担当者や社員の友人など、従業員の知り合いのこと。

従業員の知り合いに自社製品のユーザーがいたら、その人を紹介してもらってユーザーインタビューをします。

縁故を使うメリットは、回答者の素性がある程度わかるので確かな人にインタビューすることができるということ。また、回答者も、自分と深く関わる会社のことなので、真剣に答えてくれるでしょう。

また、縁故を使うことになると、マーケター自身がユーザーインタビュー全体を仕切ることになります。企画、募集、聞き取り、集計、分析までのすべてを、マーケターやマーケティングチームが手掛けるので、マーケティング戦略に則したユーザーインタビューを実施でき、社内にノウハウが蓄積されます。

一方、縁故を使うデメリットは、忖度が働いてしまうこと。

取引先の社員にユーザーインタビューをしても、悪いことはなかなか言ってくれません。

そのため、縁故者にユーザーインタビューを行うときは、強みの発見に注力し、弱みの発見は、自社と利害関係がない一般ユーザーの回答に期待するといいでしょう。

アンケートの回答者から選ぶことの一長一短

ユーザーインタビューを行う前に、一般的なアンケートを行い、そのなかで鋭い意見を出してくれた人にユーザーインタビューを行うこともできます。

このとき、一般的なアンケートは、ユーザーインタビューの予備調査という位置づけになります。

アンケートの回答者からユーザーインタビュー相手を選ぶメリットは次のとおりです。

●回答者に「選ばれた」という意識が芽生えるので、しっかりした意見を聞ける可能性が高い

●自社と利害関係がない一般ユーザーなので忖度せず批判的な意見も言ってもらえる

この2つのメリットはほかの手法では得難いものです。

アンケートの回答者からユーザーインタビュー相手を選ぶデメリットは手間とコストがかかることです。

アンケート結果もマーケティングに使えますが、主目的はユーザーインタビュー相手の選考なので「余分な作業」といえなくもありません。

顧客に直接依頼することの一長一短

企業の顧客リストのなかからマーケターが適当な人を選んで、直接ユーザーインタビューを依頼する方法もあります。

顧客に直接依頼することのメリットは、自社のことをよく知っている人にヒアリングできること。顧客は愛着のある企業に「頑張ってほしい」「成長してほしい」と思っているので、生産的な意見や建設的な意見を述べるはずです。

しかも顧客は、いい意味で「上から目線」を持っているので、厳しいことも言ってくれるでしょう。

顧客にユーザーインタビューを依頼することのデメリットは、よい意見が多くなってしまうことです。厳しいことを言ってくれる顧客であっても、顧客である以上は本気でその企業や製品を嫌っているわけではありません。

そのため、顧客へのユーザーインタビューでは、決定的な駄目出しの意見は期待できません。

したがって、例えば「自社製品がなぜ一般消費者に受け入れられないのか」といったことはわかりません。

また、マーケターが顧客リストからユーザーインタビュー相手に選ぶとき、よい顧客を選んでしまいがちですが、マーケターは意識して、1年以上購入が途絶えている顧客や、少額しか買わない顧客を選ぶようにしましょう。

従業員ユーザーを集めることの一長一短

従業員に自社製品のヘビーユーザーがいたら、その人にユーザーインタビュー相手になってもらうのもよい方法です。

従業員ユーザーは、製品の裏も表も知ったうえでそれを購入しています。

そのような人の意見は、一般ユーザーからは得ることができないもの。

ユーザーインタビューという特別の場を設けることで緊張が生まれ、前向きな改善点を提案してもらえるかもしれません。

従業員にユーザーインタビューをするデメリットは「変な気遣い」をされてしまうことです。指名された従業員は、批判めいたことを言ったら仕事で不利な扱いを受けるのではないかと心配するはずです。

したがって、従業員にユーザーインタビューをするときは、インタビュー結果を誰にどのように報告するのか、事前に明示してあげたほうがよいでしょう。

ユーザーインタビューにかかる費用

ユーザーインタビューの費用で最も高額になるのは、専門会社に依頼したときです。

ある専門会社の費用は約20万円。その業務内容は次のようになっています。

●ユーザーインタビューの企画づくり

●回答者は6人

●回答者の募集活動

●インタビューの実施

●回答者への謝礼

●集計と分析

クラウドソーシング・サービスを使うと、支払いの発生は回答者への謝礼だけです。

謝礼が1人2,000円なら、20人に話を聞いても4万円にしかなりません。

謝礼2,000円は安すぎると感じるかもしれませんが、回答者としては1時間程度のヒアリングで2,000円が受け取ることができるので「時給2,000円のバイト」と考えることができ、申し分のない額といえます。

ただ、クラウドソーシング・サービスを使うときは、マーケターが企画づくり、回答者の選考、インタビューの実施、集計と分析をしなければなりません。その人件費もコストに計上しましょう。

まとめ~いろいろな人から聞こう

ユーザーインタビューの募集方法を変えると、回答者のラインナップが様変わりして、異なる視点の意見を聞くことができます。

ユーザーインタビューは貴重な情報が得られるマーケティング・ツールですが、回答者が一様では、得られる情報も代わり映えしません。

さまざまな意見を聞くために、さまざまなユーザーと接触するために、募集方法を工夫しましょう。

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<参考>

ユーザーインタビューのおすすめの募集方法とは?謝礼の相場も解説