アンケート ブランドイメージ

【アンケート応用編】現実的な果実を得るために有効なブランドイメージ調査

ブランド化に成功すると、その商品やサービスや企業や場所は人々の憧れとなるもの。

そのため、ブランド化をマーケティングの重要課題にしている企業は少なくないでしょう。

そして、ブランド化に成功するために欠かせないのが、ブランドイメージの調査です。

本記事では、ブランドイメージ調査を行う意義とその内容について解説します。

ブランドイメージ調査とは

ブランドイメージ調査とは、商品、サービス、企業が持つブランド力について、消費者がどのような印象を持っているのかを測るアンケート調査の1つです。

イメージ調査と認知度調査の違い

ブランドイメージを理解するには、ブランド認知度との違いを把握しておく必要があります。

ブランドには次の2つの意味があります。

A:高級ブランドなどの憧れの対象

B:単なる商品名、サービス名、企業名

例えば、トヨタ自動車株式会社は、「トヨタ」と「レクサス」という2つの自動車ブランドを持っています。

この「自動車ブランド」のブランドはBのことであり、Aの意味のブランドは、レクサスに当てはまります。

つまり、ブランドイメージ調査の対象はAのブランドであり、ブランド認知度調査の対象はBのブランド、となります。

ブランドイメージとは:動かず消費者を引っ張る力

高級ブランドに対して消費者が描くイメージは、

  • 顧客に絶対に欲しいと思わせるもの
  • 他社商品より圧倒的によいと思わせるもの
  • 他社商品は要らないと思わせるもの
  • 割高であることを承知のうえで支払えるもの
  • これでなければ所有欲を満たせないもの
  • 所有・使用していることで、他人からうらやまれているはずだと自覚できるもの
  • そのジャンルの商品・サービスの代名詞になっているもの
  • 長く使いたいと思い、大切な人にすすめたいもの

などが挙げられます。

エルメスのバッグや、メルセデス・ベンツのセダンや、六本木のタワ―マンションの最上階の部屋は、上記のように思わせる力があります。

ここから、ブランドイメージとはとてつもなく強い引力であることがわかります。

ブランド商品が地球なら、普通の商品はせいぜいバスケットボール

物理の概念でブランドイメージを説明すると、ニュートンが発見した万有引力は、質量を持つ2つの物体が互いに引き合う現象です。

同じ質量の2個のバスケットボールを床の上に置いたとき、バスケットボールと床の間に摩擦がなく、バスケットボールが動いても空気抵抗が生じなければ、この2球は「万有引力定数×バスケットボールの質量の二乗÷2球の距離の二乗」の力で引き合います。

しかし、地球とバスケットボールを置くと、地球は動かず、バスケットボールだけが地球に引き寄せられます。

それは、バスケットボールの質量に比べると、地球の質量のほうが圧倒的に大きいからで、地球がバスケットボールを引き寄せる力と比べると、バスケットボールが地球を引き寄せる力はほぼ0になるからです。

ブランド商品は地球で、普通の商品はバスケットボールです。

普通の商品と消費者は、互いに引き合います。例えば、消費者はその商品を欲しいと思いながらも、「安くしないのなら買わない」と言います。

しかしブランド化された商品と消費者では、消費者が一方的にブランド商品に引っ張られるだけです。ブランド商品は動かず、顧客がどんどん吸い寄せられてきて、なかには「いくらでもいいからそれを売ってくれ」と言う人も現れます。

それでは次に、ブランドイメージ調査の質問を考えていきましょう。

質問はストレートに尋ねる

ブランドイメージ調査では、自社のブランドイメージについてストレートに、消費者や顧客に尋ねます。

先ほど紹介したブランドイメージを、質問に変えると次のようになります。

  • 当社の商品を絶対に欲しいと思いますか
  • 当社の商品は他社商品より圧倒的によいと思いますか
  • 当社の商品があれば他社商品は要らないと思いますか
  • 割高であることを承知のうえで、この価格でも買いますか
  • これでなければ所有欲を満たせない、と感じますか
  • 所有・使用していることで、他人から羨まれるはずだと自覚できますか
  • 当社の商品は、このジャンルの商品の代名詞になっていますか
  • 当社の商品を長く使いたいと思い、大切な人にすすめたいですか

もちろん、このままアンケート用紙に記入したり、このままインタビュイー(回答者)に質問したりするわけにはいけません。

これらをアンケートの質問のように翻訳してみましょう。

ブランドイメージ調査の質問票の例

ブランドイメージ調査の質問票の例を紹介します。自社に当てはまればこのまま本番のブランド調査に使うこともできますし、もちろんアレンジしても構いません。

●当社の商品Aを今、どれくらい欲しいですか

□価格に関係なく絶対に欲しい

□予算内であれば欲しい

□安ければ欲しい

□安くても要らない

●当社の商品AとB社の商品Bは、どちらが優れていると思いますか

□圧倒的にA

□どちらかといえばA

□同じくらい

□どちらかといえばB

□圧倒的にB

●B社の商品Bは1万円ですが、それと似た当社の商品Aはいくらが妥当だと思いますか

□値札を見ずに買う

□10万円でもよい

□2万~9万円

□1万円

□1万円未満

●当社の商品Aを買ったら、どのような満足が得られると思いますか。最も強くあてはまるものを1つ選んでください。

□所有欲が満たされる

□使い勝手がよさそうだ

□便利だろう

□友人や同僚に自慢できる

□満足できそうにない

●当社の商品AとB社の商品Bでは、どちらが「持っていて嬉しい」商品ですか

□商品Aを持つことができると嬉しい

□どちらも同じくらい嬉しい

□商品Bを持つことができると嬉しい

□どちらも嬉しくない

●当社の商品Aを買ったら、誰がうらやむと思いますか

□家族がうらやむだろう

□友人がうらやむだろう

□会社の同僚や上司がうらやむだろう

□誰からもうらやまれそうにない

●「~」といえばどの商品を思い出しますか

□「~」といえば商品Aだ

□「~」といえば商品Bだ

□「~」を代表する商品はない

(注:~には商品Aの一般名が入ります。商品Aが日清のカップヌードルなら~はカップ麺になります)

●当社の商品Aを何年使いたいですか

□ずっと使い続けたい(故障したら同じものを買いたい)

□10年は使い続けたい

□3年使えばよいほうだ

□1年使うかどうか

□使い心地を確かめて決める

□本当は他社商品が欲しかった。

●当社の商品Aを誰にすすめますか

□家族にすすめる

□友人にすすめる

□会社の同僚や上司にすすめる

□誰にもすすめない

ブランドイメージ調査を行う意義

ブランドイメージ調査を実施すると、なぜ現実的な果実を得ることができるのでしょうか。現実的な果実とは次の2つでした。

  • 一般常識的な価格より高い値段で売ることができる
  • 苦労して営業しなくて済む

現実的な果実を得られるのは、ブランドイメージ調査によって、ブランド力の強さがわかるからです。

ブランドイメージ調査の結果次第で、次に取り組むべき行動が決まってきます。

ブランド力があるのに売上が低迷していたらこうしてみては

もしブランドイメージ調査で自社商品に強いブランド力があることがわかり、それにも関わらず実際の売上が芳しくなければ、マーケティング戦略を変えたり、顧客へのアプローチ方法をブラッシュアップしたりするだけで、本当のブランドを構築できるでしょう。

ブランド戦略は順調なので、そのまま押し進めてよいでしょう。

ブランド力が低いことがわかったらこうしてみては

もしブランドイメージ調査で自社商品のブランド力が低いことがわかれば、マーケティング戦略をブランドづくりにフォーカスさせなければなりません。

ブランド力を高めるには、圧倒的な品質や圧倒的な高級感が必要になり、広告戦略を練り直し、顧客体験を向上させロイヤリティを高めていかなければなりません。

品質の高さは伝わっているのに高額で買ってもらえなければこうしてみては

もしブランドイメージ調査で、消費者が、自社商品の品質を高く評価しているにもかかわらず、高いお金は支払いたくないと思っていたり、所有欲を高めるほどではないと感じていることがわかったりしたら、イメージ戦略を早急に展開しなければなりません。

ベタですが、邦画で主役を務めることができる俳優や、日本アカデミー賞の受賞経験がある女優や、レジェンド級のロック歌手やポップス歌手などを起用したテレビCMを、多額の予算を投じて打ってもよいかもしれません。

ブランドづくりに励んでいる企業は次のような人物をCMに起用しています(2021年7月現在)。

  • 三井住友信託銀行:佐藤浩市さん
  • パナソニック、SKⅡ(P&G):綾瀬はるかさん
  • 日本マクドナルド:木村拓哉さん

ライバル会社がブランド化に成功していたらこうしてみては

もしブランドイメージ調査で、ライバル会社がブランド化に成功していることがわかったら、対策は難航するはずです。

あるマーケットですでに他社がブランド化に成功している場合、自社が2位のブランド商品をつくることは簡単ではありません。なぜなら2位は1位に負けていて、ブランドづくりでは負けのイメージは大きなマイナスだからです。

高級バッグならエルメスとルイ・ヴィトン、高級車ならメルセデスとレクサスは、お互いに切磋琢磨しているブランドです。

しかし、高級レベルでは同格でも、超高級レベルではやはりエルメスとメルセデス・ベンツのほうが上と感じる人は少なくないはずです。

ライバル会社の市場1位ブランドを追い抜かすには、相当の投資と時間とマーケティングが必要です。しかも、それだけお金と労力をかけても追い越せないかもしれません。

したがって、市場にすでに確固たるチャンピオン・ブランドが君臨していたら、ブランド戦略をあきらめるのも賢い選択といえます。

まとめ

品質、デザイン、機能、歴史、どれも申し分ないのにブランドになれない商品やサービスを持つ企業はいくらでもあります。

ブランドに相応しい条件がそろっているのにブランドになれないのは、消費者が簡単には商品やサービスをブランドと認めないからです。

しかし、それでも企業経営者とマーケターは、挑戦し続けたほうがよいでしょう。ブランド化に成功したときに得られる果実は格別だからです。

ブランドイメージ調査の結果は、ブラン戦略を描くうえで重要な資料となるでしょう。そして、ブランド戦略から撤退する決断を下すときの根拠にもなります。

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<参考>

「万有引力」の解説