商品開発 マーケティング

商品開発という業務の本質とこの仕事に就く方法

メーカーに入社して商品開発に携わりたい、と思っている人は少なくないでしょう。

商品開発に携わり、見事ヒット商品を生み出すことができれば達成感も強いもの。

しかし、商品開発は意外に地味な仕事で、来る日も来る日もトライ&エラーを繰り返すだけ、という期間が長く続きます。

本記事では、「商品開発をしたい」という人のために、商品開発の仕事の本質を紹介したうえで、この仕事に就く方法を解説します。

商品開発とはイノベーションである

商品開発の本質その1は、商品改良であること。

改良というと開発より下の概念に感じるかもしれませんが、商品開発は商品改良の領域を出ることはないでしょう。なぜなら、ゼロからまったく新しい商品を開発することは、ほぼ不可能だからです。

例えば、近年の最大の世界的ヒット商品であるスマートフォンですら、その源流をたどっていけばパソコン、インターネット、携帯電話、電話などの既存の商品や既存のサービスがたくさん現れてきます。

自動車の開発も、洋服の開発も、バッグの開発も、スイーツの開発も、既存の商品の改良をしていくというもの。

商品開発の本質その2は、イノベーションです。商品開発と商品改良は同じである、と紹介しましたが、世の中には「ちょっと改良しただけ」の新商品が数多く存在し、それらは価値が高い商品とはいえません。

やはり「新商品を開発した」と胸を張るには、社会や人々の生活をよくするものを生み出さなければなりません。

イノベーションを起こしたと認められるほどの「圧倒的な改良」をすることが、商品開発の仕事の醍醐味です。

商品開発の流れ

商品開発の流れについて紹介します。ここでは、商品企画も商品開発の一部として説明します。

マーケティングから商品企画

企業は、マーケティングを通じて、消費者や社会のニーズを探ったり、トレンドをつかんだり、改良の必要性を把握したりします。

つまり、マーケティングの結果から、「こんな商品があったらいいね」というアイデアを出し、そこからイメージを固めて商品企画にしていきます。

実現可能か、コストは見合うか

商品企画ができあがったら、自社で製造できるかどうかを検討します。

能力的に製造できることがわかったら、コストを算出。コストが合わなければ、商品企画に戻ります。

「商品企画」と「実現可能性とコストのチェック」の間を行ったり来たりしながら、利益を出すことができる新商品の姿が確定します。

設計と試作とテスト

新商品の姿が固まったら、設計をして実際に試作品をつくります。

そして、試作品をテストして、狙い通りの性能や品質が出るかどうかを確かめます。

量産化

試作品が合格すると、量産化に進みます。

工場に製造ラインを新設したり、既存の製造ラインを改良したりして、生産体制を整備。

商品開発の担当者の仕事は、試作で終わることもあれば、量産化の準備まで付き合うこともあります。

商品開発に向いている人、この仕事に必要なスキルと経験

商品開発の仕事に向いているのは、どのような人でしょうか。この仕事に必要なスキルと経験について解説します。

ひらめき

商品開発にはひらめきが重要です。

ひらめきこそ、画期的な商品を生み出す原動力となるもの。

しかし、企業の商品開発部門の責任者が商品開発スタッフに求めるひらめきは、とても地味なものです。

例えば、「あと3度高い気温に耐えられる材質が必要だ」「異音をあと3㏈小さくする方法を考えなければならない」「水分をあと3%増やしたい」といった開発ニーズを解決するひらめきこそが、商品開発の現場で求められます。

コミュニケーション力

商品開発では高いコミュニケーション力も必要です。

企業の商品開発の仕事は、企業が持つ資源を使って進めるもの。つまり、企業の資源を最大限利用できると、画期的な商品を開発できる確率が高くなります。

企業の資源を集めるには、社内の人から情報を集めなければなりません。さらに、社内の他部署の人たちに実際に協力してもらうこともあります。

複数の商品開発担当者が連係して1つの商品の開発を進めていくので、チーム内でのコミュニケーションが重要です。

商品に関する知識と情熱

サイクロン掃除機を開発したダイソン氏が掃除機を開発した背景にあるのは、すぐにパワーが落ちる紙パック式の掃除機への不満です。

ダイソン氏は、掃除機を観察して、紙パックがゴミで目詰まりすることが吸引力の低下を起していることを「発見」します。

紙パックの目詰まりが吸引力を落とすことは、紙パック掃除機を使っているほとんどの人が知っていたものの、紙パックの目詰まりが掃除機という便利器具にとって致命傷になることを「発見」したのは、ダイソン氏だけでした。

そして、ダイソン氏は、5年をかけて5,127台の試作品をつくり、世界初のサイクロン掃除機を世に出しました。

掃除機をここまで憎み、ここまで愛した人はいないでしょう。

商品開発には、その商品に関する知識と情熱が欠かせません。

商品開発の仕事に就くには

商品開発の仕事に就くには、メーカーに就職して商品開発部門に配属してもらうことが最短ルートです。

しかし、メーカーに就職しても、必ず商品開発部門に配属されるとは限りません。

ただ、メーカーに就職して商品開発部門に配属される確率を高めることは可能です。

例えば、理系の大学院を修了すると、研究部門に配属される確率が高くなります。研究部門は商品開発部門に近いので、異動しやすいでしょう。

また、企業によっては、中途採用で、商品開発部門の人材に限って求人することがあります。

ただ、その場合、商品開発部門や研究部門での勤務経験を求めることが珍しくありません。

メーカーに入社後、商品開発部門以外の部門に配属された場合、商品開発部門への異動を希望し続けといいでしょう。営業を担当していても、新商品の提案をする機会はあるはずです。そのようなチャンスを活かして自己アピールすることで、商品開発への異動がかなうかもしれません。

どの部署で働いていても、そこでの仕事に一生懸命取り組みながら、商品開発スピリッツを磨き続けることが大切です。

まとめ

経済雑誌やテレビ局の経済番組がヒット商品の開発秘話を報じるとき、商品開発担当者が大きくフィーチャーされます。ヒット商品を生み出した商品開発担当者は、社内ばかりか業界でもヒーロー・ヒロイン扱いされます。

しかし、商品開発の仕事の大半は地味な作業です。成功する確率は決して高くないので、毎日徒労の連続です。

商品開発の仕事に向いている人は「それでも」商品開発の仕事をしたい人といえます。


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<参考>

食品の商品開発職に役立つスキルや経験って?

商品開発の仕事内容と向いている人

「誰もが感じるように、きちんと機能しない製品に対して不満を感じます。デザインエンジニアとして、その不満を解決する方法に取り組みます。発明と改善がダイソンのすべてです。」