マーケティング戦略の基礎はフレームワークでつくる

フレームワークは「フォーマット」「見本」であり、活用することによって、マーケティング戦略の基礎をつくることができます。

もちろん、より効果的なマーケティング戦略を立てるには、フレームワークの枠を超えた洞察やオリジナリティが必要になります。

しかし、マーケティングの基礎が身についていない新人マーケターは、フレームワークを使って「近道」することで成長を早めることが可能です。フレームワークには、先人たちの知恵がぎっしり詰まっているからです。

マーケティングのフレームワークはいくつかありますが、ここでは8種類を紹介します。

フレームワークは「手持ちのカード」

若手社員が先輩社員の仕事を見て「早い」「ミスがない」と感じるのは、先輩たちが手持ちのカードをたくさん持っているからです。

この「手持ちカード」こそが、フレームワークです。

フレームワーク通りに仕事を進めたら必ずマーケティングが成功するというわけではありませんが、フレームワークを逸脱すると失敗する確率が急激に高まります。

したがって、フレームワークを覚えて基礎固めをするといいでしょう。

マーケティング フレームワーク

フレームワークは先人たちが築き上げたものであり、見本です。

したがって、フレームワーク通りに実行すれば作業を自動化できます。

また、実績があるモノであるにもかかわらず、いくら使っても特許料も使用料も発生しません。

さらに、フレームワーク通りにすすめることで、マーケティングが行き詰まったときに検証しやすくなるのです。

基本は「3C」

最も基本的なマーケティング・フレームワークに3Cがあります。

3Cとは、カスタマー(顧客)、カンパニー(自社)、コンペティション(競合企業)の頭文字を取ったもの。

マーケティングを始める前に、顧客のニーズとウォンツ、自社の強みと弱み、競合企業の強みと弱みの計6つについて、情報を集めましょう。

顧客目線の「4C」

4Cはカスタマーバリュー(顧客が求める価値)、コスト(費用)、コンビニエンス(利便性)、コミュニケーション(関わり合い)の頭文字を取ったものであり、とことん顧客にフォーカスするフレームワークです。

例えば、顧客は商品価値を追求する一方で、値札をみた途端に逃げることがあります。したがって、マーケターは、カスタマーバリューとコストのバランスを測らなければなりません。

また、いくら便利なサービスでも、サービス提供者に熱意や誠意がないと、顧客は満足しません。つまり、コンビニエンスを追求するだけではなく、コミュニケーションを強化しなければならないのです。

上級者に必要な「PEST」

ポリティカル(政治)、エコノミー(経済)、ソーシャル(社会)、テクノロジー(技術)の4つに注目するのがPESTです。

PESTは上級マーケターやマーケティングの管理業務に携わる人向けのフレームワークです。

企業活動は政治情勢や経済情勢に翻弄されますが、企業活動には、政治動向や経済動向を変える力があります。

「政治情勢が変わったからマーケティングが失敗した」という言い訳は、新人マーケターには許されても、上級マーケターには許されません。

また、企業活動は社会に貢献しなければなりません。コンプライアンス意識が強まりSNSが登場したことにより、社会を害する企業活動は瞬時に非難の対象になるからです。

さらに、インターネットやITはもちろんのこと、AI(人工知能)を使ったマーケティングまで登場しました。テクノロジーに疎いマーケターは、今後生き残ることができないでしょう。

業界の構造を把握する「5F」

5Fは「5つの力(フォース)」という意味であり、企業は

  • 業界内で生き残らなければならない圧力
  • 新規参入者が現れる圧力
  • 代替品が登場する圧力
  • 材料供給者からの圧力
  • 買い叩かれる圧力

という5つの圧力を受けている、という考え方を表します。

業界や市場が魅力的であればあるほど、新規参入者が現れて業界秩序を乱したり、シェアを奪ったりします。

有益で高額な商品を提供できていることに安住している企業は、より有益でより安価な代替品が出現したとき、一気に競争力を失います。

また、貴重な材料を加工している企業は、材料の供給がストップする脅威にさらされています。

ほぼすべての企業が、顧客の「顔色」を見ながら値決めをする必要があり、最悪、「買ってくれるまで値下げしなければならない」状態に陥るケースもあります。

マーケターは5Fを回避したり、5Fに立ち向かうマーケティング戦略を描かなければなりません。

漏れを防ぐ「MECE」

MECE(ミーシー)は、他の7つとは「毛色」が違うフレームワークです。

MEはMutually Exclusiveの略で「各項目が重複してない状態」という意味を、CEはCollectively Exhaustiveの略で「全体で漏れがない状態」という意味を持ちます。

マーケターはMECEの状態を目指すといいでしょう。

例えば、マーケティングを実行するにあたって具体的な業務が定まったときに、重複している業務があると無駄が生じます。

だからといって効率化を急ぎすぎると漏れが生じます。この漏れは、マーケティングの穴から顧客が落ちていくことに他なりません。

したがって、マーケティングを進めていくそれぞれの段階で「MECEする」ようにしましょう。

トヨタ式「5WHY」

5WHYは「5回のなぜ」です。これは、かんばん方式に並ぶトヨタの発明品です。

トヨタでは、トラブルが起きたときに5回も「なぜだ」と考えます。

例えば、ある会社で労災が起きたとします。普通の会社は1回しか「なぜだ」と問いません。そして「従業員が疲れていたからだ」という答えが出れば、それで原因追及が終わります。

しかし、それだけでは、従業員が疲れているなら休みを増やさなくてはならないが、いまは書き入れ時だから休みを与えることができない、したがって、労災を起こさないように仕事をするしかない、というところで決着してしまいます。

これでは労災の再発リスクは消えません。

そこで5WHYの登場です。

  • なぜ労災が起きた?:従業員が疲れていたから
  • なぜ従業員は疲れていた?:仕事がつらいからだ
  • なぜ仕事がつらい?:力仕事が多いからだ
  • なぜ力仕事が多い?:重量物を扱っているからだ
  • なぜ重量物を扱っている?:商品に必要な材料だからだ

と5回「なぜ?」と問い続けることで、隠れていた原因が明らかになります。

そして、ここまで分析できると次のような策を検討することができます。

  • 軽量な材料を使えないか
  • 重量物を軽く持ち上げられるロボットを導入できないか
  • 従業員の体力が落ちているのではないか
  • 従業員の人数は十分か
  • 従業員の労働時間は適正か

つまり、5回「なぜだ」と問うことで、改善策候補がみつかるのです。

将来をみる「SWOT」

SWOTは将来をみるフレームワークです。

ストレングス(強み)、ウィークネス(弱み)、オポチュニティー(機会)、スレット(脅威)の頭文字を取っています。

マーケターがいくら理想のマーケティング戦略を考案しても、自社にそれを実行する資源がなければ「マーケティングのためのマーケティング」に終わってしまいます。

したがって、マーケターは自社の強みを活かし、弱みを隠せる戦略を描く必要があります。

また、マーケターはマーケティングを仕掛ける絶妙な機会をうかがわなければなりません。

ライバル会社に真っ向勝負を仕掛けていては自社が疲弊してしまうため、ライバル会社の脅威を巧みに回避することも、戦略のひとつといえます。

プロセスを可視化する「AIDMA」

AIDMAは、アテンション(潜在顧客の認知)、インタレスト(顧客の興味)、デザイア(顧客の欲求)、メモリ(顧客の記憶)、アクション(顧客の行動)の頭文字を取ったもの。

これは、潜在顧客が購買に至る「順番」を示したものであり、ある企業の商品にまったく興味がなかった消費者を「A→I→D→M→A」の順に誘導すると、商品を買ってもらえるようになる、というものです。

したがって、マーケティング・キャンペーンのスケジュールもAIDMAに沿ってつくっていくとよいでしょう。

まとめ~まずは確度を上げよう

若いマーケターなら誰しも「独創的なマーケティングを生み出したい」という野心があるでしょう。

しかし、まずはフレームワークを覚えて、マーケティングの確度を少しでも上げることが大切です。

プロ野球選手が一流と呼ばれる域に達してもキャッチボールと素振りを欠かさないように、ベテラン・マーケターたちもフレームワークを重視しています。

フレームワークを身につけ、それを自由自在に応用できたとき「自分のマーケティング」が完成します。

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