自社の戦略を実行するために、市場を分析することは非常に大切です。
マーケティングには数多くの分析手法がありますが、その中から目的や商品・サービスに応じた適切なフレームワークを選択できていますか。
今回は、数あるマーケティングの分析手法の中から7つにフォーカスして、基礎から詳しく解説していきます。自社の良さが出せる手法はどれかを考えてみましょう。
・マーケティングの分析手法を詳しく知りたい人
・リサーチ発注を任される人
・仕事でマーケティングを担当する人
は、ぜひ参考にしてください。
マーケティングにおける分析手法
マーケティングを分析する手法には、多くの種類があります。
たくさんの学者が試行錯誤し、多くのフレームワークを提唱しているので、自社の商品やサービス、戦略などに適したものを選ぶのがポイントです。
分析手法を知っておくと、自社のマーケティングを効果的に活用することができるので、できるだけ多くの方法を理解しておきましょう。
今回は、マーケティングにおける分析手法の中から下記の表にある7つの手法について紹介します。
分析手法名 | 特徴 |
3C分析 | 企業戦略を立てるのにぴったり |
SWOT分析 | 商品やサービスの現状を分析できる |
STP分析 | 商品やサービスのターゲットの分析に向く |
4P分析 | 商品やサービスを効率良く考えられる |
PEST分析 | 自社に関わるリスクを把握できる |
5フォース分析 | 市場の競争率や参入価値をはかれる |
バリューチェーン分析 | どれくらい収益性があるか判断できる |
聞き覚えのある分析手法もあると思いますが、基礎から丁寧に解説していきます。
それぞれの内容や方法などについて解説するので、ぜひ、自社のマーケティングでいかしてください。
3C分析
3C分析は、Companey(自社)、Customer(顧客)、Competitoer(競合他社)の3つの要素を軸に商品やサービスを分析する手法です。自社の競合と参入する市場について客観的に考えると、今後自社が取り組むべき課題や弱み・強みが明確になります。
Companey(自社)は、将来のビジョンや経営理念などを基に、資本力や投資能力、商品やサービスの現状を明らかにします。他にも、既存事業の戦略や売上、同業他社内のシェアなどを把握しましょう。
Customerには顧客以外にも市場環境という意味があります。商品やサービスのターゲットのニーズや購買行動はもちろん、参入市場の成長性や規模をしっかり掴むことが大切です。
Competitoer(競合他社)で把握すべきなのは、代替品の脅威やシェアの推移、業界でのポジションなどです。自社の商品やサービスに似ていたり、アプローチが近い場合は特に注意すべきです。どの会社が競合他社なのか的確に判断しましょう。ライバルが分かれば今後の対策を練れるので非常に大切な作業です。
SWOT分析
SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの観点から商品やサービスの現状を分析する手法です。
SWOT分析は内部環境と外部環境、マイナス要素とプラス要素の2つに分けられます。
内部環境はStrength(強み)とWeakness(弱み)、外部環境はOpportunity(機会)とThreat(脅威)が該当します。
マイナス要素はWeakness(弱み)とThreat(脅威)、プラス要素はStrength(強み)とOpportunity(機会)です。
自社の商品やサービスの弱みや強み、脅威や機会を抽出します。その後、強みを存分に生かして脅威に対応したり、現状の弱みを克服して新たな機会を得たりなど、多面的にSWOT分析をすると効果的です。
弱みとしてピックアップされたものは、見方を変えることで強みになることもあります。
一面的に分析するのではなく、さまざまな観点から物事を捉えることがポイントです。
STP分析
商品やサービスのターゲットの分析に向いている手法がSTP分析です。
STP分析は、Segmentation(市場細分化)、Targeting(狙う市場の決定)、Positioning(自社の立ち位置の明確化)の3つの視点で分析をします。多くの業種で使用できるフレームワークであるということがSTP分析の特徴です。
Segmentation(市場細分化)は、顧客を似たグループに分けて考えることです。市場を細分化することで、自社の商品やサービスを利用するユーザーを明確にできます。年齢や性別、仕事や家庭などでセグメンテーションをしていきます。
Targeting(狙う市場の決定)は、細分化した中からターゲットを決める作業です。差別型マーケティングや無差別型マーケティング、集中型マーケティングなどがターゲティングに適しています。
Positioning(自社の立ち位置の明確化)は、市場における自社の立場を明確にします。レッドオーシャンかブルーオーシャンかによってマーケティング手法は異なります。自社が置かれている状況を適切に理解し、目指すべきポジションを設定することが大切です。
4P分析
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の4つの頭文字を取ったものが4P分析です。それぞれについて客観的に分析することで、自社の商品やサービスをより効率的に考えることができます。4P分析はマーケティングミックスのひとつでもあり、企業側の視点で商品やサービスを分析する手法です。
Product(製品)は機能性の高さや効果、デザインなどについて詳しく分析します。自社ならではの特徴や他社との違いを明確にするのがポイントです。
商品は、安すぎても高すぎても売れません。自社や商品のブランドに応じて適切な価格設定をすることが大切です。原価と利ざやなどを考慮して決める必要があるため、Price(価格)は特に重要です。
顧客に商品やサービスを提供するために、Place(流通)を選択することも大切です。ターゲットに合わせて流通網を整備すると、購買機会を失うことを避けることができます。
最後に、顧客に商品やサービスを知ってもらうためにはPromotion(販売促進)が大切です。自社の雰囲気や商品のターゲットなどに合わせて適切な公告方法を考えましょう。
PEST分析
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の情報を集めて分析する手法がPEST分析です。
マクロ的環境で自社が受ける影響を解析します。外部要因を把握することで、未然にリスクを防げるのがPEST分析の特徴です。
Politics(政治)は政治動向や法律などを分析し、所得や金利、為替などの情報を得るとEconomy(経済)が分かります。
人口動態や流行などでSociety(社会)が分かり、業界の専門技術や最新技術がTechnology(技術)の把握に繋がります。
5フォース分析
5(ファイブ)フォース分析は、内的要因である競争企業間の敵対関係、供給企業の交渉力、買い手の交渉力と外的要因である代替品・代替サービスの脅威、新規参入業者の脅威の5つについて分析する手法です。
5フォース分析を使用すると、自社が参入する市場の競争率や新しい市場に参入する価値をはかることができます。
内的要因 | 競争企業間の敵対関係 | ライバルの存在や競合他社の市場シェア |
供給企業の交渉力 | 必要な材料や部品を提供してもらえる力 | |
買い手の交渉力 | 参入する業界で売上をあげる難易度 | |
外的要因 | 代替品・代替サービスの脅威 | 同じような商品やサービスの有無 |
新規参入業者の脅威 | 参入する業界の入りやすさ
(参入しやすい業界ほど陳腐化しやすい) |
マーケティング分析の成功事例
最後に、マーケティング分析の成功事例としてサントリーのDAKARAを紹介します。
実は、DAKARAはスポーツをしない間の飲み物です。
価格 (Price) | 他社と同様 |
販売促進(Promotion) | 冬季にテレビCMを流す(他社が広告を出さないため) |
流通 (Place) | スーパーやコンビニ |
製品 (Product) | スポーツ時以外のスポーツ飲料 |
競合他社がカバーしていない領域を狙ったことで、DAKARAは他社に負けない知名度を誇るに至りました。
まとめ
マーケティングの分析方法を7つに絞って紹介しました。
マーケティングでは、自社の意向や商品・サービスのターゲットなどに合った手法を選ぶことが大切です。
効果的に分析するためには、客観的に分析することがポイントのひとつです。
今回紹介した分析方法を参考に、自社のマーケティングを成功させてください。
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