マーケターは「営業部門」とどう向き合うべきか

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企業のマーケティング部門も営業部門は、顧客を自社に取り込み売上・利益を増やすという目標において完全に一致します。

しかし、両部門はときに対立することがあります。

マーケターは「営業担当者は市場をみていない」と不満を持ち、営業担当者は「売上に責任を持たないマーケターは無責任だ」と思うことがあるのです。

マーケターが営業部門と連携できれば、大きな相乗効果を生み出すことができますが、マーケターは営業担当者たちとどのように向き合えばよいのか、探ってみましょう。

マーケターの役割と営業担当者の仕事

マーケティングの最大の仕事は、市場を読み、売れる仕組みをつくることです。

この場合の市場には、消費者や顧客も含まれていますが、市場を正確に読むことができれば、商品開発やサービス改善につなげることや潜在顧客に「刺さる」広告を打つことができます。

営業の最大の仕事は、売上をあげることです。

そのためには、自社の商品やサービスを顧客に届け、お金を受け取らなければなりません。

自分たちがよいと思ったものでも、よくないと思ったものでも売る必要があるのです。

市場を読み、売れる仕組みができれば、商品やサービスは売れます。つまり、マーケティングが進めば進むほど、営業しやすくなるのです。

 どのようなときに営業と対立するのか

マーケターと営業担当者は本来対立しない立場にあるにも関わらず、対立するケースが後を絶たないのはなぜなのでしょうか。

マーケターと営業担当者が対立するのは、相手の仕事をリスペクトできないときです。

会社が儲かっているときは相手を素直に尊重できるので、対立はあまり起きません。しかし、会社の売上が落ちてくると、その原因を相手に押し付けようという心理が、お互いに働いてしまいます。

マーケターは「営業がマーケティング戦略とおりに動かないからだ」と考え、営業担当者は「マーケティング戦略とおりにやっていたら商品は売れない」と考えます。

会社の売上が落ちているとき、マーケターは市場全体をみようとします。市場がみえてくれば、商品を改良することも、広告を変更することも、営業方針を変えることもできるからです。

一方、営業担当者は、会社の売上が落ち始めると「とにかく1個でも多く、この商品を売ろう」と主張します。それが営業マインドだからです。

そして、マーケターから営業方針の転換を提案されると、営業担当者たちはイラッとして「そんな悠長な提案ができるのは、私たちが売上を確保しているからだ」と思うのです。

営業担当者たちが躍起になっている姿は、マーケターたちの目には非効率かつ不合理にみえます。

営業担当者が既存客を重視すればするほど、マーケターたちは潜在顧客の掘り起こしこそ売上増の近道であると思うようになり、営業担当者たちへのリスペクトは確実に減っていくのです。

営業と連携してこそ相乗効果が高まる

前述したように、会社が危機的状況を迎えているときに、マーケターと営業担当者は対立しやすくなりますが、対立しても会社が負っている傷を広げるだけです。

危機的状況に陥ったときにマーケターと営業担当者が連携していた会社は、必ず経営をV字回復しています。

その理由を考えてみましょう。

危機的状況を迎えた会社は、嵐のなかを進む船のようなものです。そして、暴風圏を脱出する最短ルートを進むには、最も大きな波に立ち向かわなければなりません。しかし、大波を回避するルートを取れば、途中で燃料が切れて嵐のなかで沈没するかもしれません。

このとき、船の進路を探す者と、船のエンジンを管理している者が対立したら、船は大きな波に立ち向かう前に破綻するでしょう。

つまり、会社の経営が厳しいときこそ、マーケティング部門と営業部門は連携しなければなりません。そこから相乗効果が生まれれば、危機を乗り切るだけでなく、波と風に乗って業界の先頭に躍り出ることも不可能ではなくなるのです。

営業に寄り添うマーケティングを

マーケターは、営業部門に寄り添うマーケティング戦略を策定することが大切です。

このように紹介すると「マーケターは消費者や市場をみるべきである。社内の営業部門に過度に配慮すると、マーケティングの本質を見失う」と批判したくなる人もいるかもしれません。

しかし、「営業部門に寄り添う」ことと「営業部門に迎合する」ことはまったく異なる行為です。

営業部門の要望を聞いてマーケティングの方針を捻じ曲げることはあってはならないことですが、営業部門に配慮しないマーケティングは「机上の空論」になってしまうでしょう。

マーケティング 営業

なぜなら、マーケティングの結果やデータを活用した営業活動があってこそ、マーケティングの最終目標である売上増と利益増を実現できるからです。

マーケティング部門にとって、営業部門はマーケティングの実践部隊にもなります。

マーケターは、市場と消費者を注視しながら、営業部門が働きやすいマーケティング戦略を策定しましょう。

そして、営業担当者が持っている顧客情報は、マーケティングの重要資料です。

営業担当者は企業のアンテナであり、マーケターにとっては「耳」や「目」になるものなので、マーケターは、普段から営業担当者とコミュニケーションを取り、重要情報をいつでも入手できるようにしておくといいでしょう。

まとめ~社内対立に利益なし

マーケターと営業担当者の闘いは、社内対立や派閥争いと同様に、不毛で会社に利益をもたらすことはありません。

顧客が多様化した今、マーケターと営業担当者が、顧客分析で意見を異にすることは問題ありませんが、マーケターと営業担当者は、互いに観察結果と分析結果を持ち寄り、より正確な顧客像を描く必要があります。

意見が衝突したときこそ、相手の見解に耳を傾けましょう。


<参考>