機械学習 マーケティング

なぜ機械学習をマーケティングに使う企業が増えているのか

AI(人工知能)の技術のひとつに「機械学習」がありますが、この最新のコンピュータ技術がマーケティングで活躍しています。

例えば、見込み客を優良顧客に育成するのに、機械学習を使うことができます。過去の売上実績から、向こう1年間の売上予測を立てることもできます。これだけでも「すごい」と感じるマーケターは少なくないでしょう。

しかし機械学習のマーケティング力はそれだけにとどまりません。

マーケターが見抜けなかった「市場に潜む傾向」も、機械学習を習得したコンピュータなら見つけることができます。

そう遠くない将来に、機械学習を使っていないマーケティングはなくなるのではないか――この記事を読んでいただければ、そのように感じることができるでしょう。

機械学習とは

機械学習の「機械」はコンピュータのこと。

つまり機械学習とは、学習能力を獲得したコンピュータのことです。

「学習能力を獲得したコンピュータ」という定義には「学習できるコンピュータが生まれた」という意味だけでなく、「普通のコンピュータには学習能力が備わっていない」という意味もあります。

エクセルやワードがインストールされている普通のコンピュータは、学習能力が備わっていないので、エクセルは自動に計算しませんし、ワードは自動に文章をつくり出しません。

しかし機械学習コンピュータなら、エクセルのような表計算ソフトが自動に計算するようになり、ワードのような文章作成ソフトが自動で文章をつくり始めます。

これが、機械学習のイメージです。

マーケティング使われる機械学習

自動で計算する計算ソフトや自動で文章をつくる文章作成ソフトなど、機械学習にはさまざまなものがありますが、機械学習にはさまざまな能力があり、そのうちのいくつかは、マーケティング業務に適合します。

マーケティングに適している、機械学習のアルゴリズムは、次の6種類です。

マーケティング 機械学習

それぞれとても重要なのでひとつずつ解説します。

教師あり分類とは

機械学習における「教師」とは、コンピュータに「正解」を教える人のことです。

例えば、化粧品メーカーのマーケターが、高級化粧品のマーケティングを企画した時とします。

マーケターが「教師あり分類」の機械学習コンピュータを使い、「優良顧客」のデータと「購買履歴」のデータを機械学習に与えて、その相関関係を探せと指示すれば、優良顧客の購買履歴データから、優良顧客の購買パターンを探ることができます。

つまり教師が「優良顧客は購買履歴に特徴がある」という「正解」を機械学習に与えているので「教師あり」というわけです。

教師なし分類とは

「教師なし分類」の機械学習は、教師の教えを必要としません。

顧客情報を機械学習に大量に与えるだけで、顧客を勝手に分類していきます。

マーケターが「優良顧客は購買履歴に特徴がある」と教えなくても、「教師なし分類」の機械学習は、優良顧客と購買履歴の相関関係をみつけるかもしれません。

回帰分析とは

回帰分析とは、過去の数値から将来の数値を予測する能力のことです。

ある現象を数値化し、その数値を大量に集めると、必ず傾向や法則が現れます。

ただ、数値の量が多すぎたり、現象の種類が複数あったり、傾向や法則が微弱だったりすると、「人の目」では傾向や法則をみつけることができません。

回帰分析のアルゴリズムを搭載した機械学習コンピュータなら、傾向と法則をみつけることができます。

回帰分析の技術は、天気予報にも使われています。

レコメンドとは

レコメンドの機能は、教師あり分類や回帰分析と似ていて、顧客に商品やサービスをすすめるときに使います。

最も単純なレコメンド機能は、ある漫画の単行本の1巻と2巻を買った顧客がいたら、その漫画の3巻が出版されたら、その顧客に3巻を推薦(レコメンド)することです。

また、ユーチューブで格闘技の動画をよく視聴する顧客に、タイ旅行をすすめることもあるでしょう。

これは、機械学習コンピュータが、ムエタイという格闘技がタイの国技になっていることを知っていて、この顧客がアジア旅行に興味を持っていることに気がついたからです。

異常検知とは

異常検知は、傾向や法則を発見する回帰分析の「裏の」機能といえます。膨大なデータから傾向や法則を見付けられるのであれば、膨大なデータの中にある「傾向や法則にそむくデータ」を検知できます。

異常検知を使えば、マーケティング・データのなかに潜り込んだ不正データを検出することができます。

また、不正データの出所が特定できればそれを除外できるので、マーケティング・データの精度が高まり、そこから導き出す傾向や法則はより正しくなります。

マーケティングにおける機械学習の活用例

マーケターの中には、見込み客を集めるのが得意なのに、彼らを優良顧客に育成するのが苦手な人がいると思います。

それは、一般消費者にインパクトを与えるキャンペーンのアイデアを出す能力と、集まった見込み客のなかから有望客を抽出する能力は、別物だからです。

そのようなマーケターが、教師あり分類の機械学習コンピュータを使えば、キャンペーンで集めた見込み客を分類することができます。

それができれば、マーケティングに合致する属性を持つ見込み客層に、集中的にアプローチすることができます。

さらに機械学習のレコメンド機能を使えば、集中的にアプローチすると決めた見込み客層に、彼らが好む商品やサービスをPRすることができます。

これだけでも「機械学習マーケティング」の将来性が有望であることを理解できると思いますが、さらにすごい能力があります。

それは、自動化です。

機械学習マーケティングは、業務の多くを自動処理できるようになります。

機械学習マーケティングは、マーケターに

1)正確なマーケティング

2)業務の省力化

という2つの果実をもたらすでしょう。

機械学習マーケティングで大切なこと

これから機械学習を使ったマーケティングに取り組もうとしているマーケターは

  • 機械学習でできることを理解する
  • 機械学習を取り入れてみる
  • 機械学習に詳しい技術者と連携する

という3点に注意しましょう。

2020年はまだ、機械学習マーケティングの「黎明期」であり、トライ&エラーが欠かせません。

機械学習はまだ万能装置ではないので、できることから取り組んでいくことが大切です。

また、機械学習をマーケティングに応用したいと考えている技術者は多く、「今なら」WinWInの関係を築くことができるので、マーケターは早急に「機械学習人脈」を構築するといいでしょう。

まとめ~苦労のし甲斐はある

トライ&エラーには、コストも時間も苦労も必要です。

しかし、機械学習マーケティングの将来性を考えると、十分「元」は取れるでしょう。

また、トライ&エラーを重ねたマーケターだけが、「これまで存在しなかった洞察」を獲得できるかもしれません。

その洞察があれば、有望なマーケティングを展開できるはずです。


<参考>