KJ法 やり方

「こうすれば新発想が生まれる」KJ法のやり方を解説

KJ法は、開発者の文化人類学者、川喜田二郎氏のイニシャルが名称の由来となっている情報整理術であり発想法です。

新たな発想を生み出すとき、大量に情報を集めてそのなかからヒントを探すことは、有効な手段です。

しかし、情報が氾濫する現代にあって、情報収集を開始するとすぐにカオスに陥るでしょう。

そのようなとき、KJ法で大量の情報を整理すると、集めた情報群に秩序が生まれ利用しやすくなります。

そこでこの記事では、KJ法を使ったことがない人向けに、このやり方を解説します。KJ法を活用すれば、新発想が次々生まれるはずです。

KJ法とは

KJ法は発想法の1つで、大量の情報を集めて、そのなかから有益な知見を抽出して新たな発想につなげるときに役立つもの。つまり、0から1を生むタイプの発想法ではありません。

KJ法の流れについて解説していきます。

大量の情報を1つひとつカードに記載する

KJ法に必要なものは次の2つだけです。

●大量の情報を集めた情報群

●紙製のカード

KJ法ではまず、大量の情報を集めた情報群のなかの1つひとつの情報をカードに書き写していきます。

このときのルールは、1枚のカードに1つの情報だけを書くことです。

したがって、情報群に100個の情報があったら、100枚のカードを用意する必要があります。

ルールはこれだけです。

「情報カードの分類」から「関係性の検討」まで

情報カードを作成したら、そのカードを分類し、情報グループの関係性を検討します。

■ステップ1:情報カードを分類する

情報群のなかの情報をカードに書き写したら、カードを情報の種類ごとに分類します。

ここでは、次のように分類できたとします。

情報グループAは、顧客満足度情報。

情報グループBは、顧客満足度情報の関連情報。

情報グループCは、店舗情報。

情報グループDは、店舗情報の関連情報。

情報グループEは、どの情報グループにも属さない情報を集めました。

■ステップ2:表札をつける

続いてそれぞれの情報グループに、そのなかの情報の性質がわかる言葉を「表札」としてつけます。

上記の表のなかの「顧客満足度情報」「顧客満足度情報の関連情報」「店舗情報」「店舗情報の関連情報」「どの情報グループにも属さない情報」が表札になります。

表札をつけることで、個別の情報の詳細を確認しなくても、グループ内の情報の性質がわかります。これにより、個別の情報へのアクセスが容易になります。

■ステップ3:情報を補充する

表札をつける目的はもう1つあります。それは、情報グループの情報の充実度を知ることです。

情報グループの情報の充実度は、カードの枚数でわかります。

情報グループに表札がついていると、「この表札の情報は十分あるので、すぐに考察に入ることができる」といったことや「この表札の情報は薄いので、もう少し情報を集める必要がある」といったことがわかります。

情報が薄い場合は、情報を集めます。

■ステップ4:情報グループの関係性を検討する

続いて、情報グループどうしの関係性を検討します。

表札つけは、情報グループの性質を言葉で表現しただけで、情報の価値については検討していません。

情報群のなかの情報は、価値が高いものと低いものにわかれるので、それもしっかりわけておく必要があります。

例えば、大テーマに関する情報は、小テーマに関する情報や大テーマの内容を補足する情報より価値が高いといえます。

先ほどのグループわけした表に、情報グループの関係性を加えると以下のようになります。

情報グループAは、大テーマに関する情報。情報グループBは、大テーマを補足する情報。情報グループCは、小テーマに関する情報。情報グループDは、小テーマを補足する情報になります。

情報グループEは、どの情報グループにも属さない情報のままで変わりありません。

考察する

情報を考察して新発想を導き出す過程は、KJ法を使っても、使わなくても同じです。

しかし、KJ法を使うと、情報の考察を効率的かつ効果的かつ論理的かつ機械的に進めることができます。

情報量が多いのにKJ法を使わないと、例えば、大テーマを考察していたのに、いつの間にか小テーマについて検討していた、ということが起り得ます。これは時間の無駄です。

また、KJ法を使わないと、大テーマだけに集中してしまい、小テーマや、どの情報グループにも属さない情報を無視するといったことが起こり得ます。これでは大量に情報を集めた意味がありません。

KJ法で情報を整理しておけば、例えば、1時間は大テーマの考察に集中して、次の30分で小テーマを考察して、20分でどの情報グループにも属さない情報を確認する、といったように進めることができ、途中で10分の休憩を取っても2時間で業務が終わります。

これがKJ法で情報を整理してから考察に入ることのメリットになります。

KJ法のポイント:図解と文章化

KJ法では、図解と文章化を使うと、さらに効率よく考察を進めることができます。

情報グループどうしの関係性を図解する

図解とは、情報グループどうしの関係性を見える化することです。

先ほどと同じ情報群を使って解説します。

このように情報群のなかの情報をグループ化すると、情報グループ内の情報の性質はわかりますが、情報グループどうしの関係は見えてきません。

そこでこれを、次のように図解してみます。色、文字の大きさ、矢印、位置がポイントになります。

グラフ が含まれている画像

自動的に生成された説明

大テーマを扱っている情報グループAが、この情報群のなかで最も重要な情報の集まりであることがひと目でわかります。

そして、大テーマの補足と小テーマは、いずれも矢印(→)が大テーマに向かっているので、大テーマを支える情報であることがわかります。

このように図解すると、大テーマの補足と小テーマが、性質が異なる情報であることがわかります。

大テーマの補足である情報グループBは、情報グループAと並列関係、つまり、情報グループBは、横から情報グループAを支えています。

小テーマである情報グループCは、情報グループAと上下関係にあります。つまり情報グループCは、下から情報グループAを支えています。

こうした見解がひと目でわかることが、図解の効果です。

なぜ文章化が必要なのか

文章化をする目的は、情報群に意味をつけること。

集めたばかりの情報群は、最初はカオスでしかありませんが、それを情報グループにわけたり図解したりすることによって秩序を持たすことができます。

情報群に秩序ができたら、情報群の意味を取りやすくなります。

「この情報群は何を示唆しているのか」という質問に対して「この情報群が意味することは~ということです」と説明しやすくなります。情報群に意味をつけることによって、情報群に価値が生まれます。

そして意味は、文章で説明するほかありません。

文章化することで、誰もが情報群の意味を汲み取れるようになります。

このように文章化していく

KJ法の文章化は難しくありません。なぜなら、図解を文章にするだけでよいからです。

そういった意味では、図解が間違っていると、正しく文章化できないことになります。

先ほどの図解を文章化してみましょう。

グラフ が含まれている画像

自動的に生成された説明

<図解した情報群の文章化の例>

情報グループAからわかることは、今回のプロジェクトの大テーマが●●であるということである。この●●が正しいことは、情報グループBから明らかである。ただ、大テーマをネガティブにとらえる情報も寄せられていて、その内容は小テーマとして情報グループCにまとめた。この内容を考察すると、■■という見解は少数派ではあるが、無視できないと考える。その根拠は情報グループDにある。今回のリサーチでは、大テーマと小テーマに関係しない情報も集まった。これらはすぐに今回のプロジェクトに役立つ情報ではないが、示唆に富む内容であるためここに収めておく。

図解と文章を併載することで、情報群の意味が明確になります。

まとめ~整理するから見つかる、使える

冒頭で、KJ法は情報整理術であり発想法であると紹介しましたが、世の中にこれだけ情報が出回る今、KJ法で情報を整理すれば、すぐに宝情報をみつけることができます。

情報を整理しておけば、すべての情報を無駄なく使いこなすことができます。新発想でもイノベーションでも、1つの情報を補強する必要が出てきますが、KJ法を使えばそれを効率よく行うことができます。

情報は、足元に転がっている状態では意味を持ちません。それを見つけて拾い上げて使ってようやく意味を持ちます。それにはKJ法が便利です。

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<参考>

ブレーンストーミングとKJ法

http://www.ritsumei.ac.jp/~yamai/kj.htm