花王 マーケティング

【花王】「デジタル活用」と「コミュニケーション」でマーケティングに成功

花王は、洗剤や化粧品、トイレタリーなどを販売する大手化学メーカーです。洗剤部門、トイレタリーにおいては、国内で1位を誇っています。

今回は、花王が実際に行って成功したマーケティング施策を紹介します。

この記事は、次のような人におすすめの内容です。

  • 花王が行ったマーケティング施策が気になる人
  • 成功したマーケティング施策を参考にしたい人
  • 有名な企業のマーケティングの成功事例が知りたい人

テレビ広告の投資対効果が悪化

今や、広告というと、SNSや動画配信サイトを活用したデジタル広告が主流ですが、以前は多くの企業がテレビCMに力を入れていました。

花王もその企業の1つで、2014年の段階ではデジタル広告よりもテレビ広告の方が出稿量が勝っていました。

しかし、スマホやSNSなどの急速な普及によってテレビの前でCMを見る顧客が段々と減り、テレビ広告の投資対効果が悪化。

こうした時代の流れに対応するかたちで、花王は広告の積極的なデジタルシフトを開始したのです。

マーケティング・ブランディングにデジタルを活用

2017年の秋、花王は初めて広告をデジタルだけに限定した新しいヘアケアブランドの数量限定商品を発売しました。

「働く女性たちに週の真ん中である水曜日に息抜きをしてほしい」というコンセプトのもと、ブランド名を「PYUAN(ピュアン)」から「水曜日のPYUAN」に変更。

バリアントごとにロゴやパッケージを変えて、顧客が好きな組み合わせを選べるような工夫もこらしました。

デジタル広告のみで展開する方向性を社内で理解してもらうために、同商品の担当者は苦労したそうですが、努力の甲斐あってか、同商品のターゲット層に対して手ごたえを感じることができたとされています。

花王のマーケティング施策

花王はさまざまなマーケティング施策を行っていますが、今回は、その中から

  • データ解析部門の設置
  • ユーザーの声、「ニーズ」を知る
  • 社内でのコミュニケーションを重視
  • グローバルブランドの育成

の4つのマーケティング施策について紹介します。

データ解析部門の設置

花王は2004年にマーケティングに関するデータを専門に取り扱う「データ解析部門」を設置しました。

設置当初のデータ解析部門は、小さな部屋に5人の社員で集まって毎日さまざまなデータを分析していましたが、データの可視化がうまくいかず、思うような成果がなかなか出せずにいました。

しかし、Domoというツールに出会ったことで状況は一変します。

それまで使っていたツールは、ITやデータに関する知識をある程度持っていないと使なせないものであったのに対し、Domoはリテラシーが高くなくてもデータを可視化しやすく、分かりやすい仕組みのツールであり、ECを担当する社員もデータを簡単に読み取れるほどシンプルで、データ解析を素早く行えたので3す。

データを収集するだけでは、企業として利益を生み出せません。大切なのはデータをしっかり解析して得られた情報から、適切な行動施策を決定することです。

花王はマーケティング専門のデータ解析部門を設置したことで、社員間ですばやくデータを共有・解析できる環境を得たといえるでしょう。

ユーザーの声、「ニーズ」を知る

花王に限らず、マーケティング施策を実施する場合はユーザーの声に耳を傾けてニーズを把握することが大切です。

花王では、顧客のニーズを取り逃さないために次のような情報収集が行われています。

花王 ニーズ調査

中でも花王が力を入れているのが、家庭訪問です。顧客の自宅を訪問すればどのような商品を使っているか調査できたり、顧客のライフスタイルや行動実態に関する情報を手に入れられたりします。

ニーズ調査の方法はいろいろありますが、家庭訪問のように顧客としっかりコミュニケーションを取る時間がある方法なら「本音」を聞き出しやすくなるのもポイントです。

花王は綿密なニーズ調査を行うことで、新しい商品や販売戦略に関するヒントを得ています。

顧客のニーズに寄り添った商品提供ができるのは、花王の強みといえるでしょう。

社内でのコミュニケーションを重視

花王のマーケティング創発部門のコンシューマーリレーション開発部では、日ごろから社員同士で積極的なコミュニケーションが取られています。

社員それぞれが仕事をしながら、お互いに相談したり、意見を言ったりなどの会話が行われているのです。また、意見が否定されない雰囲気も出来上がっているとされています。

社内でのコミュニケーションが重視されているだけでなく、現場の環境も整っていれば、社員同士で方向性を見極めたり、助け合ったりすることができます。

企業としても、プロジェクトが良い方向に進む可能性が高くなるといえるでしょう。

グローバルブランドの育成

花王は、世界に通用するグローバルブランドの育成にも力を入れています。なぜなら、新しい市場の開拓は花王にとって大きな戦力になり得るからです。

例えば、花王グループであるカネボウ化粧品は、ヨーロッパを中心に「SENSAI」というブランドのグローバル化に力を入れています。同ブランドでは他にも、「エリープラス」や「KATE」などがアジアを中心に売上を伸ばしています。

日本国内である程度の売上を獲得してもなお、世界に向けて事業拡大をして絶えず成長を続けようとするのが花王のあり方といえるでしょう。

スモールマス戦略でマーケティングを成功へ

スモールマスとは、一定の大きな市場のことですが、現代は、大きな市場であるマス市場が縮小して、スモールマスがたくさんあると指摘されています。

そのため、花王は、多くの顧客に対してアプローチするのではなく、顧客が1人1人が抱える悩みやニーズを把握した上で適切な情報を発信し、商品を開発するというスモールマスに対するマーケティング施策を実施することで企業としての成功につなげようとしています。

デジタル広告は、SNSなどの活用によって顧客の悩みやニーズに関する情報を収集しやすい特長があるため、スモールマスのアプローチに向いているという声もあります。

また、顧客をターゲティングして情報を発信しやすい点も、スモールマスのマーケティング施策としてデジタル広告が適している理由といえるでしょう。

まとめ

花王は、市場や顧客のニーズだけではなく、時代の流れにも合ったマーケティング施策を絶えず実施してきた企業です。

自社が売りたい商品で顧客にアプローチするのは大切ですが、それよりもニーズに合った商品を提供することが重要です。

データ解析の専門部署を設置したり、顧客の家庭を訪問したりしてコツコツ情報を集めたからこそ、花王のマーケティングは成功したといえるでしょう。

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<参考>

デジタルで変わる。花王の“顧客に寄り添う”マーケティングの極意(LINE for Business)

マスより一歩踏み込んだ「スモールマス」とは?(宣伝会議)

現場との徹底したディスカッションが価値あるデータ分析の源泉に[花王](できるネット)

なぜ花王は強力なデータ分析チームを作れたのか? リスクを取るリーダーが率いる総勢20名の組織とは(マナミナ)

花王グループ化粧品事業“新グローバルポートフォリオ”を策定(花王)

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