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持続的な価値創出で「野菜の会社」へ|カゴメのマーケティング事例

マーケティングをする際、絶対に失敗しない施策を考えることは容易ではありません。しかし、実績を出すことができたマーケティングの成功事例を参考にすれば、失敗しにくいマーケティングが実施できるでしょう。

今回は、カゴメが実施したマーケティング手法を紹介します。

カゴメが取り組んだマーケティング施策

カゴメではさまざまなマーケティングを実施しています。そのなかでも、特に参考になる成功事例を紹介します。

オンラインとオフラインを分けた販売戦略の実施

カゴメ 販売戦略

カゴメは、販売・新規顧客の獲得に、新聞広告、折り込み広告、CMといったオフラインの媒体を主としていましたが、それをオンラインの媒体に拡大しました。

そして、オンラインの媒体を活用するにあたり、オンラインとオフラインで異なる販売戦略をとりました。その理由は、それぞれの媒体を利用するユーザーが異なるため。

その結果、カゴメの2017年12月期の通販売上高は、前期比10%増で100億円を突破。オンラインとオフラインを分けて新規顧客の獲得と販売戦略を行ったことが、売上拡大に繋がったのです。

具体的に行った施策の内容はというと、オフラインでは百貨店のカタログにチラシを入れたり、歌舞伎の会員向け会報誌に同封したりして、顧客の趣味や嗜好性を把握。また、アンケートや座談会などを通じて顧客のニーズを引き出したのです。

一方、オンラインでは、フェイスブックなどのSNSや、レコメンドウィジェット型のネイティブ広告などを販売や新規獲得に活用しました。

CRM施策の展開

カゴメの通販で主力商品の野菜ジュースの生産コストや物流コストの高騰を契機に実施したのが、CRM施策の展開です。CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、顧客と良好な関係を構築することを目的としたマーケティング施策のこと。

カゴメの通販事業部は、ライバル会社と比べてCRMの取り組みが遅れていたこともあり、コスト高騰などによる販促低下の改善策を模索していました。そして、伸びしろのあるCRMに着目したのです。

カゴメは、まず、顧客ともっとも接点のあるコールセンターからCRM施策を開始。2017年にコンタクトセンターアワードでストラテジー部門賞の受賞後、コールセンター業務をベルシステム24と共同で取り組むなどCRM強化を加速させました。コールセンターでCRM施策を実施することにより、顧客ロイヤリティを高めることに成功したのです。

コミュニティサイト「&KAGOME」でファンとの深い関係作り

カゴメの売上の3割はコアな顧客によるものですが、このコアな顧客が離れてしまったことから、2013年に業績が落ち込んだことがあります。

業績が落ち込んだ原因は、コアな顧客が離れてしまったこと以外に、主力商品であったトマトジュースの市場規模が縮小したこともありますが、コアな顧客が離れてしまう、ということはカゴメにとって大きな痛手でした。

コアな顧客が企業から離れてしまわぬよう、何らかの施策をとらなければならない、と考えてカゴメが実施したマーケティング施策が会員制コミュニティサイト「&KAGOME」です。

一般的に、コミュニティサイトといえば、広く会員を募集して会員を増やしていきます。しかし、「&KAGOME」は、コアな顧客とのコミュニケーションを重視し、会員は増やさないものとなっています。

「&KAGOME」の目的は、接点のある顧客に対してアプローチであり、「&KAGOME」によってコアな顧客が離れてしまうのを阻止しています。

「食」を通じて社会問題解決に取り組み、持続的に成長する企業へ

カゴメ 長期的ビジョン

「トマトの会社」というイメージを持たれているカゴメを「野菜の会社」にするため、「トマトの会社から、野菜の会社に。」という長期ビジョンをスローガンとしたカゴメ。

そのマーケティング施策の1つに、人間が生きていくための基本となる「食」を通じて、人々が健康的な食生活ができるようにするという取り組みがあります。

高齢化が加速している日本において、いかに健康寿命を延ばすことが社会解決に繋がると考えたカゴメは、健康寿命を延ばすための糸口に野菜の摂取量を増やし、日本人の野菜不足を解消することに注目。

そして、日本人にもっと野菜を食べてもらうために、既存商品のバリューアップだけでなく、ジュースやスープ、サプリメントなどさまざまな形で野菜を提供しました。また、カゴメのナショナルブランドに加え、コンビニや量販店と連携した新商品の開発・販売にも力を入れています。

カゴメのもう1つの長期ビジョン

トマトの会社から野菜の会社にすることを長期ビジョンとしているカゴメですが、もう1つの長期ビジョンとして「女性比率を50%に!社員から役員まで」を掲げています。

このビジョンを掲げたのは2016年ですが、それより前の2014年から、カゴメでは女性社員がより働きやすい企業にするための働き方の改革に取り組んでいます。その取り組みとして、20時以降の残業禁止、女性がより能力を発揮して活躍できるための制度の改定や新たな制度の新設が進められています。

また、女性だけでなくすべての社員が働きやすく働きがいのある会社にするために、

  • 選択制の時差勤務制度の導入
  • テレワークの導入 
  • 時間単位有給休暇制度の工場部門への導入

などを行っているほか、副業の解禁なども実施しています。

そして、この改革は、組織ぐるみ・個人レベルでのムダ・ムリ・ムラを無くすことで、現在1,900〜2,000時間ある年間総労働時間を年間1,800時間に削減させる「生き方改革」に発展しています。

まとめ

カゴメのマーケティング施策について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

他社の事例と自社の現状を比較することで、気付かなかった課題が発見できることもあります。

今回紹介した事例を参考に、自社のターゲットに合わせたマーケティングやサービスの改善を進めてください。


参考

【カゴメ マーケティング本部通販事業部 原浩晃主任】通販売上100億円突破/オンライン・オフラインで新規獲得に成功(日流ウェブ)

2018.11.16コラム
カゴメとDM0が語るCRMの極意…顧客ロイヤリティを高めるには?(上)(通販通信)

売上の3割を生み出す2.5%のコアなお客様。「好き」を育てるカゴメのコミュニティサイトとは?(impress)