「IGTV(Instagram TV)」は、フェイスブックが運営するInstagramの動画サービスです。
Instagramの動画サービスというとストーリーズやタイムラインへの投稿などを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、フィードに投稿できる動画の長さは最長で1分。
それに対して、IGTVなら最長1時間の動画をアップすることができます。
動画マーケティングとSNSマーケティングを検討している企業経営者やマーケターにとって、IGTVは新たなマーケティング・ツールになるでしょう。
IGTVの特徴やIGTVを使ったマーケティングについて考えてみましょう。
「ビジネスありき」のネット・ツール



これは、IGTVについて解説しているInstagramの公式サイトの一部ですが、「Instagram Business」のなかに「IGTV」が組み込まれています。
つまり、IGTVは、ビジネス・ユースを強く意識してつくられたアプリであるといえるでしょう。
Instagramは従来、趣味のよい写真や面白写真をアップして、センスをPRしたり、センスを消費したりする、極めて個人的な楽しみのためのネット・ツールでした。
しかし、Instagramの進化版であるIGTVは「ビジネスへの活用」を念頭に置いて開発されたものであり、企業の「ブランド親近感」を高め、企業の「新しいブランドの存在」を消費者に知らしめることができる「マーケティング・ツール」なのです。
従来のSNSマーケティングは、どちらかというと「一般ユーザーが使っているものをマーケティングに応用できないか」という観点からスタートしています。例えるなら、現場の作業着をアウトドア・レジャーで使うようなイメージです。
しかし、IGTVマーケティングは、ビジネス仕様のSNSを使って構築していく、プロがプロ用の道具を使ってプロの仕事をするイメージです。
IGTVの5つの特徴
IGTVは、Instagramのアカウントを持っている人ならすぐに利用することができ、IGTVに投稿された動画は、Instagramを見るときと同じ操作で簡単に視聴することができます。
IGTVに動画を投稿するには、スマホなどで動画を撮影してから、そのデータをIGTVに送信します。従来のInstagram動画はInstagramのアプリで撮影することができましたが、IGTVではそれはできません。
IGTVの動画SNSとしての特徴は、次の5つです。

1つずつ解説します。
縦長フルスクリーン表示で長時間動画も可能
IGTVは、スマホ・ユーザーの利便性を追求したつくりになっています。その1つが、縦長フルスクリーン表示です。縦長フルスクリーン表示となることにより、スマホ全体に動画が表示されます。
また、Instagramの動画は60秒しか投稿できなかったのに対し、IGTVは最長で1時間。SNSマーケティングや動画マーケティングでは、かなりの長尺となるため、多くの情報やPRを盛り込むことができます。
IGTVは、制作費をかけたクオリティ重視のマーケティング・キャンペーンにおすすめです。
Instagramのフォロワーを引き継げる
新しいSNSツールは、消費感度が高いユーザーが真っ先に利用するため、企業のマーケターも追随したいところですが、すでに従来のSNSを使ったマーケティングで成果を挙げている場合、新しいSNSを採り入れることに躊躇することもあるでしょう。
IGTVは、Instagramのアカウントと連携することで、フォロー・フォロワーを引き継ぐことができます。
したがって、躊躇なく取り入れることが出来るでしょう。
リンクを貼りつけることができる
IGTVの動画には、リンクを貼りつけることができます。
したがって、動画を視聴する人をリンクから自社サイトや自社のSNSに誘導することができます。
ストーリーズから誘導できる
IGTVは、ストーリーズの視聴者をIGTV動画に誘導することができます。
したがって、もし、多額の製作費をかけて作ったIGTV動画の視聴者が思うように増えない場合、PR用のストーリーズをたくさんつくって、そこからIGTVに誘導することができます。
フィードやプロフィールにプレビューを表示できる
フィードとは、「Instagramのホーム画面」のことです。このフィードに、IGTVのプレビューを表示できるので、PR効果を高めることができます。
プレビューは、プロフィールにも表示できます。
企業がマーケティングでIGTVを使うメリット
企業がマーケティングにIGTVを導入するメリットは、動画活用の幅が広がることです。
このように説明すると「動画マーケティング用のツールなら、YouTubeの方が優れているのではないか」という疑問が湧く方もいるでしょう。その認識は、間違ってはいません。
しかし、すでにYouTube・マーケティングに成功している企業は、IGTVに挑戦してみるといいでしょう。同じ動画なので、新規の取り組みといっても、そのハードルが低いはずです。
IGTVを活用できるようになれば、自社の動画マーケティングが「2本柱」で支えられることになります。
ネットを多用する消費者には、新しいツールに「浮気」しやすい特徴があります。YouTubeは動画の一時代を築いていますが、より高性能の動画ツールが現れれば、消費者やユーザーは簡単にそちらに流れるでしょう。IGTVも、高性能動画ツールに成長する可能性を秘めています。
移ろいやすいネット・ユーザーを惹きつけなければならないネット・マーケティングでは「1本足打法」はリスキーです。
そしてIGTVが持つInstagram・ブランドも、マーケターには魅力的なはずです。「インスタ映え」という言葉には使い古された印象がありますが、いまなお、Instagramが人々の画像欲求を刺激した功績は輝いています。
IGTVに動画を投稿するときのポイント
企業が、マーケティング目的の動画をIGTVに投稿するときのポイントを紹介します。
冒頭でユーザーの興味を引く
冒頭の3秒で視聴者(ユーザー)の興味を引く動画をつくることは、IGTVでも同じです。
これができないと、離脱者が増えるどころか、そもそもコンタクトしてくれる人を確保できません。
IGTVマーケティングもSNSマーケティングの一種である以上、マーケターは「クチコミ」や「バズり」を貪欲に狙っていかなければなりません。
視聴者が、知人に「あの動画は面白かった」と伝えるのは、インパクトが強かった作品に限られます。そしてインパクトは、多くの場合、冒頭の3秒が生み出します。
スマートフォンで視聴されることを基本におく
IGTVはスマホ・ユーザーの利便性を追求してつくられています。そのためマーケターも、スマホ・ユーザーを意識したIGTV動画をつくっていくことが必要です。
テレビ画面どころか、パソコン画面やタブレット画面より小さいスマホ画面は、細かい部分を見せづらいというネガティブな特徴があります。そこで、IGTV動画では大きく映し出すことができる対象に焦点を当てたほうがよいでしょう。
一貫性のあるテーマにする
長尺の動画を、視聴者にすべて視聴させることは簡単ではありません。
短い動画の場合、1つの要素にフォーカスすればよいという気軽さがありますが、長尺の動画を視聴者に見せるには、複数の要素が必要です。
複数の要素を1本の動画に盛り込む場合、起承転結を明確にしないと視聴者の離脱を招きます。
テーマに一貫性を持たせて、視聴者を混乱させないようにしましょう。
まとめ~挑戦し甲斐がある
NASA(アメリカ航空宇宙局)やスターバックスがIGTVを使ったことが話題になっているものの、2020年6月現在の段階で、IGTVをマーケティングに活用して大成功を収めた、という報告はそう多くありません。
それでもマーケ―ターが今、IGTVマーケティングに挑戦する意義は十分あります。
SNSマーケティングは常に、「新しいことへの挑戦」に大きな価値があります。
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<参考>
インスタグラム「IGTV」とは? 特徴や使い方をまるっと解説