デザインシンキング イノベーション

デザインシンキングでイノベーション興しに挑戦する

イノベーションなくして、企業は生き残ることができない、という人もいるほど、イノベーションを興すことは、すべての企業に課せられた重要テーマといえます。

現代は、IT、インターネット、AI、VR、ロボット、クラウドなど、「ビジネスの武器」が多数そろっているので、イノベーションを興すチャンスは、大企業も中小企業も個人事業主も等しく持っています。

しかし、自身を省みたり、自身の周囲を見渡してみたりした時に、必ずしもイノベーションが起きているわけではありません。

チャンスを持っていることと、チャンスを活かすことは別物なのです。

デザインシンキングを持つことで、イノベーションに近づくことができます。

ぜひ、デザインシンキングという、イノベーターたちが使っている思考を取り入れましょう。

デザインシンキングの基礎知識

デザインシンキングによるイノベーション興しを理解するには、デザインシンキングとイノベーションとは何か、ということを知っておくことが必要です。

デザインシンキングとは、「現状を好転させるための道筋を考案する」思考のこと。

つまり「デザインシンキングのスキルを獲得する」とは「考え方を変えること」に他なりません。

デザインシンキングでは、次の5つのプロセスを踏むことになります。

  • 観察・共感(Empathize):ユーザーを観察し、共感する
  • 定義(Define):疑問、問題点、課題をまとめる
  • 概念化(Ideate):疑問、問題点、課題を概念化してチームで共有する
  • 試作(Prototype):試作品をつくり、よりよいアイデアを出す
  • 試行(Test):実際にユーザーに試してもらい、よりよいアイデアを出す

これらを、どのようにイノベーション興しに応用していったらよいのか見ていきましょう。

イノベーションの基礎知識

「イノベーション」は一種の流行語のようになっていて、「新しいアイデアで大きなビジネスをすること」といったような、単純化した理解が広がっていますが、文部科学省によると、イノベーションには次の5つの種類があります。

デザインシンキング イノベーション

「イノベーションとは何か」と聞かれたら、「これらの5つのことをすること」と回答してください。

イノベーションの議論では、目標が重要となります。

イノベーションの目標は、「既存の価値を破壊して新しい価値を創造すること」。

これらの定義を確認すると、イノベーションは決して、突然変異や魔法のように、降って湧いてくるものではない、ことがわかります。

ここまでをまとめると、イノベーションとは、既存の価値を壊すことを恐れない強い気持ちを持ち、新しい価値を創造するという大きな目標に向かって、地道に製品開発、生産方法の見直し、マーケットの構築、資源獲得、組織の刷新に努める取り組みのことです。

デザインシンキングでイノベーションをどう興していくか

デザインシンキングとイノベーションを確認できたところで、この両者をつなぎ合わせてみましょう。

イノベーションのキーワードは「新」であり、そこで欠かせないのが人々の創造性です。

したがって、創造性のマネジメントツールであるデザインシンキングを身につければ、創造性を確実に獲得することができます。

もちろん、実現することは簡単なことではありませんが、イノベーションという、大きくてジューシーな果実が得られることを考えれば、デザインシンキングを身につけるためのコストは「安い」と考えることができるでしょう。

ビジネスパーソンが、デザインシンキングの獲得を目指さない理由はありません。

イノベーションに向けてどのように「観察・共感する」か

デザインシンキングの「観察・共感」は「ユーザーを観察し、共感すること」です。

これでイノベーションを興すにはどうしたら良いのでしょうか。

例えば、レシートや領収書をスキャンして、その内容をデータ化して経費の計算をするサービスがあるとします。

このサービスは、技術的には、インターネット、クラウド、文字解析、解析した文字の分類、などを使用したものですが、重要なのは、このサービスが誕生した背景です。

「紙媒体は必要なのか」という疑問が出発点となっています。

レシートや領収書に書かれてある内容や数字を、経理ソフトやエクセルに転機することは「とても面倒」であるため、多くのビジネスパーソンは、紙製のレシートや領収書に悪戦苦闘しています。

開発者たちは、ユーザーを観察し、ユーザーの「面倒」という不快感に共感したことから、レシートのデータ化サービスをつくり出したのです。

イノベーションに向けてどのように「定義する」か、「概念化する」か

デザインシンキングの「定義」は「疑問、問題点、課題をまとめること」であり、デザインシンキングの「概念化」は「疑問、問題点、課題を概念化してチームで共有すること」です。

これらでイノベーションを興すには、業界の動向とテクノロジーの進化を把握する必要があります。

業界が抱えている疑問、問題、課題をしっかり洗い出し、その「解」となるテクノロジーとのマッチングを考えれば、イノベーションが生まれやすくなるのです。

タクシーの不便さをITで解消したUber、ホテルの不便さをネットで解消したAirbnb、自動車の環境問題をEV技術で解消したTeslaは、「課題定義型」のイノベーションといえます。

イノベーションに向けてどのように「試作する」か

デザインシンキングの「試作」は「試作品をつくり、よりよいアイデアを出すこと」ですが、これでイノベーションを興すにはどうしたらよいのでしょうか。

自動車の父であるヘンリー・フォードは、次のように言ったとされています。

「もし顧客に、何がほしいかと尋ねていたら、『もっと速い馬車がほしい』と言っていただろう」

馬車が不便だと思っている馬車ユーザーは、馬車を便利にしたい、と考えますが、馬車しか知らないユーザーは、自動車というイノベーション商品を想像しません。

また、アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは、こう言っています。

「ロック歌手は、観客に『どういう歌を聴きたいか』とは尋ねない」

イノベーションを目指して試作品をつくる際は、もちろん、消費者の声を反映させなければなりませんが、反映させて終わるのではなく、開発者やマーケターたちの創造性を試作品に込めなければなりません。

「創造性と独創性」・「消費者の有用性とビジネスの妥当性と技術的実現性」がマッチしたとき、イノベーションの種になる試作品が生まれます。

イノベーションに向けてどのように「試行する」か

デザインシンキングの「試行」は「実際にユーザーに試してもらい、よりよいアイデアを出すこと」ですが、これでイノベーションを起こすにはどうしたらよいのでしょうか。

試行は、試作品を消費者に渡すことから始まりますが、その前の準備が重要です。

試行では、試作品を使ったユーザーから、詳細なフィードバックを受け取らなければなりません。つまり準備とは、詳細なフィードバックを確実に回収する手立てを講じておくことです。

具体的な準備として、「ゴールや期限の設定」「使い心地や感想の聴き取り方法の確定」「改善点がみつかった場合の改善方法」「改善するときの予算の見込み」などがあります。

そして、試行では「覚悟」も準備しておく必要があります。

試行の結果、「イノベーションが起こる見込みがない」と判断することもあり得ます。

長いプロセスを経て、「イノベーションが起こる見込みがない」と判断されたにもかかわらず、経営者や管理職のプライドや鶴の一声で「悪い延命」処置がなされることは、よくないことです。

もし「イノベーションが起こる見込みがない」という判断が出たら、潔くプロジェクトを中止しましょう。

デザインシンキングによるイノベーション興しは、ときに残酷な結果にたどり着きますが、しかし、経営資源を有効活用するには、覚悟を持って臨むべきです。

まとめ~考えを変えることは簡単ではない

イノベーションを起こすには、デザインシンキングが有効です。

しかしそれを実践することは簡単ではありません。

デザインシンキングを身につけるには、自分の古い思考を捨てることが大切です。

自分の古い価値観を壊して、イノベーションを起こしましょう。

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<参考>