既存のサービスや事業を改善するために、データを集めたいという担当者は多いことでしょう。
そんなときに実施したいのが、ユーザーヒアリングです。
この記事では、事業改善に役立つユーザーヒアリングのやり方を解説します。
顧客のニーズを反映させる手順も記載しているので、ぜひ最後までお読みください。
ユーザーヒアリングとは
ユーザーヒアリングとは、ユーザーに直接意見やニーズを聞くこと。
ユーザーに直接問いかけることで、顕在ニーズはもちろん、潜在ニーズを知ることができます。
ここで大事なのは、表面的な意見を聞くのではなく、潜在的なニーズに耳を傾けることです。
ユーザーに直接問いかけ、表面化していないニーズを知ることで、既存サービスを効果的に改善することができます。
ユーザーヒアリングは、データからでは分からないユーザーの潜在的な声を知ることができる手段なので、「回答者から教えてもらう」という姿勢で取り組むといいでしょう。
ユーザーヒアリングの注意点
ユーザーヒアリングの注意点は、あくまでデータ収集に徹する、ということ。
ヒアリングの中で核心的なところに行き着いたとしても、それを確証付けてはいけません。
ユーザーヒアリングを行う際に、質問者側の欲しい答えを回答者側に悟られると、ユーザーの奥にある意見やニーズを引き出すことができなくなってしまいます。また、ユーザーの疑問や悩みを解決させてしまうと、それ以上の回答を引き出せなくなってしまいます。
ヒアリングは悩み相談の場ではなく、ニーズを引出し事業に活かすためのデータを収集するところである。ということを念頭に置いておかないと、「意味のないヒアリング」になってしまうので、注意が必要です。
既存サービスの改善におけるユーザーヒアリングの進め方
ここからは、既存サービスを改善するために行うヒアリングの具体的な進め方を紹介します。
既存サービスを改善する目的を整理する
ユーザーヒアリングを実施するにあたって、まずは、既存サービスを改善する目的を整理していきましょう。
なぜ改善したいのか、どう改善したいのか、ということが明確になっていなければ、的確な質問項目を設計することができません。
的確な質問項目が設定できなければ、場当たり的な施策になってしまいます。
さらに、成功、失敗の基準も明確ではなくなるため、施策による効果があったかどうかさえ分からなくなるのです。
まずは目的をしっかり整理し、認識や考え方を共有しておきましょう。
現状を分析する
改善する目的を明確にしたら、次は、現状分析をしましょう。
サービスの現状がどのような状態にあるのか、を調べたうえで、なぜ数値目標を達成できていないのか、なぜサービスが受け入れられていないのかを考えていくのです。
ここで、より多くの課題を出すと、問題点が直接的な課題になっているかを熟考できます。
手を抜いてしまうとせっかく出てきた解決策の精度が下がり、企画は不成功に終わってしまいます。
また、事業が抱える本質的な課題を解決しなければ、違う問題が出てきてしまうので、より慎重な姿勢が求められます。
課題が本当に正しいか調査する
現状を把握し、課題を明確にしたら、その課題が本当に正しいかどうかを精査していきます。
課題をもとに立てた仮説が正しいかどうか、利用者の意見をしっかりと聞くことが大切です。
課題が正しくなければ、改善策を実施しても成果を得にくくなるので、しっかりと調査しましょう。
既存サービスを改善するための施策を立案する
課題や仮説を明らかにしたら、具体的な施策を立案していきます。
改善案を考える際の優先順位は以下の通り。
高:廃止や排除
中:標準化
低:代替や変換
廃止や排除は、明らかに無駄で持続の必要性がないものについて実施し、標準化はルールや仕組みがはっきりとしていないものに関して、分かりやすく定義化。
代替や変換は廃止や標準化ができない仕事を良くしていく改善策です。
排除や廃止は業務をストップさえすれば完了です。やめることでマイナスを消せるので簡単で効率の良いやり方といえるでしょう。
それに比べて、代替や変化は、それまでの業務システムやサービス形態を変化させる必要があるので、かなり大規模な改善が必要になります。
立案した施策の実行
改善策を立案したら実行に移していきます。
ここで大切なのは、プロセスの中で発生するいろいろな事態に対して冷静に判断すること。
入念に計画された改善案であっても、実行段階でトラブルが起きたり、目指している結果が出なかったりする場合もあります。
そういったときは、冷静に現状を分析し、改善策を見直すことが必要です。
実行と改善を繰り返すことで、最終的に高い成果を得ることができます。
実行しながらの改善は負担も大きく大変ですが、ユーザーヒアリングで得た情報を活用するためには必要不可欠なので、しっかり取り組みましょう。
プロへのヒアリングも効果的

事業改善の際に行うヒアリングは、自社で独自に行うのはもちろん、プロへヒアリングするのも効果的です。
業界の先輩や有識者からの意見は非常に参考になりますし、最新の情報や過去の事例などの有益なデータを入手できることもあります。
さらに、有識者と有効な関係を結べれば自社サービスの宣伝をしてくれるかもしれません。
こうしたプロに出会うためには、講演会などで交流を図るだけでなく、SNSを利用するのもおすすめです。
まとめ
既存サービスの改善にも役立つユーザーヒアリング。
顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズを把握するためには、ユーザーの声にきちんと耳を傾けることが大切です。
ヒアリングを行う際には、目的を明確にし、現状を把握して、課題を洗い出すと良いでしょう。
そしてヒアリングによって分かったことを活かすことで、ユーザーに求められるサービスを作ることが期待できます。
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