総務省の調査によると、SNSを利用する企業は36.7%(*1)。SNSマーケティングはコストが安いだけでなく、「バズる」という現象によって突如高い効果が得られることがあるため、多くの企業が導入しているのです。
しかし、SNSは不特定多数の人たちを対象にするため、SNSマーケティングのヒット率(確度)はそれほど高くありません。
そこでおすすめなのがSNSに搭載されているハッシュタグ機能を利用すること。
マーケティングのキーワードの前にハッシュ記号「#」をつけるだけで、SNSマーケティングの効果の上昇が期待できるでしょう。
*1:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf
ハッシュタグを使うとSNSユーザーに検索されやすくなる
ハッシュタグ(#)のタグ(tag)はもともと「札」を意味する言葉。コンピュータ用語では「インターネット上の表示方法を決める命令文」のことを指します。例えば、サイトに掲載するテキスト(文字)に文字を大きくするタグをつけると、画面上でその文字が大きくなります。
つまり、ハッシュタグは、ハッシュを用いたタグという意味であり、文字にハッシュタグをつけることで「自社の投稿コンテンツの存在感が増す」という効果が期待できます。
例えば、スイーツ店を経営する企業がチーズケーキをPRする文章やチーズケーキの写真に「#チーズケーキ」というハッシュタグをつけてSNSに投稿したとしましょう。そうすると、SNSユーザーが「チーズケーキ」で検索したときに、そのPR文章や写真が表示されやすくなります。
SNS投稿は毎日増え続けています。
そのなかで企業が闇雲にコンテンツを投稿しても、SNSユーザーに閲覧してもらうことはできません。
しかし「#チーズケーキ」というハッシュタグをつければ、少なくとも「#チーズケーキ」がついた投稿グループのなかに入ることができるため、チーズケーキを探しているSNSユーザーの目にとまる確率は高くなるのです。
ハッシュタグはSNSユーザーの閲覧効率を高めるために考案されたもの
SNS投稿が増え続ける中、SNSユーザーは自分が求める投稿コンテンツをみつけにくくなりました。そこで考案されたのがハッシュタグです。
ハッシュタグ機能を最初に搭載したのはツイッター。ツイッターの検索窓に「#チーズケーキ」と入力すると、「#チーズケーキ」がつけられた投稿だけが選択されるようにしたのです。
もし「#チーズケーキ」でヒットした投稿数が膨大で自分が求める情報を探すのが大変、という場合には、「#甘くない」というハッシュタグを追加したり、ハッシュタグを「#甘くないチーズケーキ」へ変更すれば、ヒットする投稿数が減少します。
その結果、目当ての投稿をみつけやすくなるのです。
ハッシュタグを活用するメリット
SNSマーケティングを展開しているマーケターがハッシュタグ機能を活用するメリットとして挙げられるのが、自社が求める潜在顧客にリーチできること。
例えば、あるスイーツ店のパティシエが、「甘くなく塩味が際立ったチーズケーキ」と「スイスの高級チーズだけを使ったプレミアムチーズケーキ」の2種類のチーズケーキを新しく開発したとします。
このときSNSで「2種類の新作チーズケーキを発表」と投稿しても訴求力は強くなりません。なぜなら、チーズケーキファンは、新作チーズケーキに慣れているからです。
そこで「塩味チーズケーキ」のSNSマーケティングでは、これまでの概念を覆すチーズケーキを求めているチーズケーキファンに、その情報を届けなければなりません。
一方「スイスチーズケーキ」のSNSマーケティングでは、高級感のあるチーズケーキを求めているチーズケーキファンに、その情報を届けなければなりません。
「#甘くないチーズケーキ」「#塩味チーズケーキ」「#スイスチーズケーキ」「#高級チーズケーキ」「#プレミアムチーズケーキ」といったハッシュタグを使ってSNSマーケティングを展開すれば、これまでの概念を覆すチーズケーキを求めているチーズケーキファンにも、高級感のあるチーズケーキを求めているチーズケーキファンにも、投稿を閲覧してもらえる確率が高まります。
このようにハッシュタグを使うと、SNSマーケティングの確度が高まります。
SNS別、ハッシュタグのつけ方
ハッシュタグは、#をキーワードの前につければよいだけですが、そのつけ方はSNSごとに微妙に異なります。
そこで代表的なSNSのハッシュタグの正しいつけ方を紹介します。
●ツイッターのハッシュタグのつけ方
- #は小文字
- #のうしろにスペースや句読点、&、%などを入れない
- #のうしろは数字だけにしない
●ユーチューブのハッシュタグのつけ方
- 説明欄にハッシュタグを入れる
- ハッシュタグは3個以下が推奨されている
●フェイスブックのハッシュタグのつけ方
- コメント文章のなかに入れるだけ
なお、ツイッターのハッシュタグのつけ方は、ユーチューブでもフェイスブックでも適用されます。
キーワードの選び方のコツ
SNSマーケティングの確度を高めるハッシュタグ。
そのキーワードには、ハッシュタグ機能を最大限活かすものを選定することが大切です。
ここでいうキーワードとは、#のあとのワードのことであり、キーワードには次のような性質があります。
- ビッグワードをキーワードにするとリーチできる潜在顧客は増えるが、ライバルも増える
- スモールワードをキーワードにするとライバルは減るが、リーチできる潜在顧客も減る
ビッグワードとは、対象が広い言葉です。例えば「ケーキ」はチーズケーキもショートケーキもモンブランも含む言葉であり、ビッグワードとなります。
一方、スモールワードとは、対象が狭い言葉のこと。例えば「塩味チーズケーキ」は、ある特殊なケーキしか指さないので、スモールワードとなります。
ケーキ店が自社のチーズケーキに関するSNS投稿で「#ケーキ」を使うと、ケーキが気になっている大勢のSNSユーザーに検索してもらうことができますが、検索結果が多くなって自社の投稿が閲覧される確率は下がります。
一方「#塩味チーズケーキ」は、ライバルのケーキ店はほとんど使わないので、「#塩味チーズケーキ」検索をしたSNSユーザーに高い確率で自社のチーズケーキ投稿をみてもらうことができます。
ただし、「#塩味チーズケーキ」検索をするSNSユーザーはそれほど多くないので、閲覧数を増やすことに苦労するでしょう。
ビッグワードにもスモールワードにも長所と短所があるので、キーワードはSNSマーケティングの方針や目的を考えながら選ぶことが大切です。
例えば、認知度を高めるためのSNSマーケティングなら、あえてビッグワードを使うとよいでしょう。しかし、単価が高い商品を売るSNSマーケティングなら、スモールワードを使ってじっくり潜在顧客を待ってみる、ということがおすすめです。
まとめ
ハッシュタグを活用したSNSマーケティングでカギとなるのは、キーワードを何にするか、ということ。
SNSユーザー(潜在顧客)は、自分が求めるものをキーワードに変換してハッシュタグ検索をします。すなわち、#のうしろの言葉は、潜在顧客の心理を現すものであることが求められます。
マーケターは、潜在顧客たちの心理を想像し、それを単語に置き換えてください。その単語を#のうしろに置けば、潜在顧客にSNS投稿を閲覧してもらうことができるでしょう。
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