Gantt chart

「ガントチャート」はプロジェクト管理のはじめの一歩

ガントチャートは、プロジェクトのすべての業務を洗いだし、業務の1つひとつをタイムテーブルで管理する手法です。

有効に活用できるようになれば、複雑かつ長期に及ぶ仕事でも、スムーズに完遂することができるようになるかもしれません。

ガントチャートという単語を初めて聞いたという方向けに、極力専門用語を使わず平易な文章で解説していきます。

ガントチャートとは

ガントチャートという名前は、これを発案したアメリカのエンジニア、ヘンリー・ガント氏に由来するもの。

ガントは、科学的に労務管理ができる方法を模索していました。

その中で、1910年ごろ、職場にいる全員の仕事の進捗状況を把握するために図(チャート)をつくりました。

この図(チャート)が、ガントがつくったチャート、ということから、ガントチャートと呼ばれるようになったのです。

ガントチャートをシミュレーションしてみる

ガントチャートを使うとなぜ科学的に労務管理ができるのでしょうか、見ていきましょう。

ガントチャートを最も単純に説明すると、ガントチャートは

●横軸に時間を、縦軸に業務を並べ、業務の着手時期と終了時期を明示する

もの。

最も単純なガントチャートは、例えば次のようになります。

<カップラーメンづくりのガントチャート>

ガントチャート

この図があることにより、「やること」と「納期」がクリアになり、ガントチャートを作成した作成者以外にも、次のことがわかります。

  • 「やること」は5つある
  • 「1、湯を沸かす」と「2、粉スープを投入」はほぼ同時に実行しなければならない
  • 「3、湯をカップに注ぐ」と「4、待つ」は、湯が沸いたらすぐに実行しなければならない
  • 3分間待たなければならない
  • 3分間待ったら、すぐに食べ始めなければならない

つまり、ガントチャートさえつくっておけば、ガントチャートの作成者(管理職)がいなくても、別の人が業務に着手して完了させることができるのです。

業務の担当者が失敗したらガントチャートを改良する

もし、ガントチャートの作成者以外の人が、ガントチャートに書かれてあるとおりに仕事をして失敗したら、ガントチャートを改良する必要があります。

例えば、先ほどの「カップラーメンづくり」で、作業者が熱湯を注いだあとにカップラーメンのふたを閉じ忘れたとしましょう。

ふたを閉じ忘れた結果、3分経っても麺が柔らかくならず、美味しいラーメンを食べることができない、ということが起こりました。これは、ガントチャートの作成者と作業者の間に認識のズレがあったために生じたミスです。

作成者は「ふたを閉じるのは当たり前のことだから、わざわざ書かなかった」と考え、作業者は「ふたを閉じる指示がなかったので、しなかった」と考えていたわけです。

ガントチャートの作成者は、自分以外の者にガントチャートで作業をさせる場合は「すべての業務」を洗い出す必要があります。

つまり、先ほどのガントチャートは次のように改良する必要があるでしょう。

<【改良版】カップラーメンづくりのガントチャート>

ガントチャート

いくらでも複雑にすることができる

ガントチャートが優れているのは、カップラーメンづくりから、複雑なマーケティング・キャンペーン・プロジェクトまで、同じ考え方でつくることができるところ。

ガントチャートの縦の列(業務内容欄)を増やせば、チームメンバーが10人いても全員分の業務を1枚のガントチャートで管理することができます。

マーケティング・キャンペーンであれば、リサーチ、ターゲットの特定、マーケティングミックス、テスト、実行、管理といった業務があり、リサーチにも、ターゲットの特定にも複数の業務がありますが、それらの細かい業務をすべて洗い出し、ガントチャート上に記載し、担当者名を入れておけば、メンバー全員の作業の進捗状況を把握することができるのです。

なぜガントチャートをつくったほうがよいのか「メリットとは」

ここまでの解説ですでに、ガントチャートをつくったほうがよい理由が見えてきたのではないでしょうか。

ガントチャートをつくるメリットは次のとおりです。

  • 業務内容と担当者と納期が明確になる
  • 成功と失敗の原因を追究しやすい
  • メンバー全員の業務の進み具合をメンバー全員が確認できる
  • 業務内容の追加や納期の変更を柔軟に行える

ガントチャートづくりは、「すべての業務について、担当者と納期を割り振る作業」です。

これにより、プロジェクトの検証作業の際に成功要因と失敗原因を特定することやPDCAを回すことが可能となります。

また、メンバー全員が他のメンバーの業務内容と進捗状況を把握できるので、SOSを出したり、チームのリーダーが、遅れている業務に、進んでいる業務の担当者を向かわせることができます。

先ほど「カップラーメンづくり」のシミュレーションで「カップのふたを閉じる」業務を簡単に追加できることを示しましたが、ある業務が遅れ始めたら、そこから後の業務を「うしろにずらす」こともガントチャートなら簡単に行えます。

ガントチャートを使うデメリット

ガントチャートを使うデメリットはほとんどありません。

ただ、ガントチャートはツールにすぎないので、「手段の目的化」が起きるとチームの生産性が落ちるかもしれません。

手段の目的化とは、ある目的を達成するために導入した手段だったのに、いつのまにかその手段を使うことが目的になってしまう現象のこと。

ガントチャートは、プロジェクトを効率的かつ正確に進めるための手段であり、プロジェクトの進行に支障が出たら、ガントチャートの内容を書き換えていく必要があります。

しかし、仕事の進め方が「ガントチャートありき」になってしまうと、メンバーのなかに「ガントチャートに書かれてなかったから、気がついていたけどしなかった」といった者が出現したり、管理職がガントチャートの更新に一生懸命になりすぎてしまい、本業である現場の指揮が疎かになることもあります。

ガントチャートを使うときは、ガントチャートに「使われない」ようにしなければなりません。

おすすめのガントチャート・ツール5選

ガントチャートはエクセルでつくることもできますが、複数人でデータを共有したり複雑なプロジェクトを遂行したりする場合は、ソフトまたはアプリを使ったほうがよいでしょう。

無料と有料のソフトを5つ紹介します。

いずれもサイトからダウンロードして使うことができます。

backlog

株式会社ヌーラボ(本社・福岡市)が運営する「backlog」。

スタータープランは月2,400円ですが、これは個人用と考えたほうがよいでしょう。

企業が使うスタンダードプランは、月11,800円。

料金はガントチャート・ツールのなかでは「高いほう」といえますが、画面の見栄えがよく操作性も高いツールです。

jooto(ジョートー)

株式会社PR TIMES(本社・東京都港区)が運営する「jooto」。

ドラッグ&ドロップだけで操作できるツールで、4人以内での利用なら、料金がかかりません。

サイボウズOffice

サイボウズ株式会社(本社・東京都中央区)が運営する「サイボウズOffice」。

30日間まで無料で使用することができますが、30日を超えて使用する場合は、料金が発生します。

TaMa.

TaMa.」は、個人が運営するツールです。

無料版の「TaMa.5 Free」と2,900円の「TaMa.5 Professional」があります。

がんすけ

がんすけ」も個人が運営するツールです。

無料版の「がんすけ」と2,200円の「がんすけ2」があります。

まとめ~一度使ったら手放せない

一見すると「複雑な業務」であっても、「1個1個の単純な作業の集まり」に分解することができます。

ガントチャートをつくれば「1つひとつの作業は難しくない」ことが分かり、複雑な業務であっても「やれる」と思うことができるでしょう。

ガントチャートはモチベーションアップにも有効です。


<参考>

スケジュール管理に便利!ガントチャートの簡単な使い方

チームではたらく、すべての人に

成功まで、チームがミズカラ動き出す

サイボウズOffice

TaMa.

がんすけ

【2020年版】プロジェクト進行管理に便利なガントチャートツール20選