デザインシンキング

なぜマーケターは「デザインシンキングを持つべき」なのか

マーケターは、仮説通りの結果を出せないとき、何をしなければならないでしょうか。

その答えは無数にありますが、ひとつ確実にいえることは「小手先の改善策」ではブレークスルーできないということです。

困難に出くわすことが多いマーケターは、自分の思考を「デザインシンキング」に変えていきましょう。

デザインシンキングとは、「現状を好転させるための道筋を考案する」思考です。

デザインシンキングとは?

デザインシンキングの解説文を開くと、冒頭に「デザイナーの思考を一般的なビジネスパーソンが真似ること」といった説明が出てきます。

そのとおりなのですが、この説明だけでは「わかるような、わからないような」という印象を持つのではないでしょうか。

先ほど、デザインシンキングをこう定義しました。

・現状を好転させるための道筋を考案する」思考

これも「わかるような、わからないような」内容です。

そこで、説明を足していきます。

デザイナーがしているデザインという仕事は、機能に格好よさを付け加えるものと考えられがちです。

例えば、時速400kmを出せる自動車の車体に、格好いいデザインのボディをのせるのは、デザイナーの重要な仕事です。

しかし、マーケターが真似すべきデザイナーの仕事は、これだけではありません。

優秀なデザイナーは、格好いい見た目をつくるだけではありません。

優秀なデザイナーは、機能を犠牲にせず、ユーザーが求めるものを盛り込みながら、それでも格好いい外観をつくります。

これこそ、マーケターが真似すべき、デザイナーの思考です。

「デザインと機能」や「デザインとユーザーニーズ」は、本来は相反するものです。

つまり、機能やユーザーニーズを優先すると、どうしてもデザインを妥協することになります。

または、格好よさを最優先にした製品は、機能や耐久性が劣り、ユーザーに使いにくさを強いることになりがちです。

しかし、優秀なデザイナーは、機能も、ユーザーニーズも、デザインも一切犠牲にせず、「機能が高く、高い耐久性を持つ、ユーザーフレンドリーな格好いいもの」をデザインします。

マーケターが獲得を目指すべきデザインシンキングは、「優秀なデザイナーがしていること」に他なりません。

5つのプロセス

マーケターが本物のデザインシンキングを獲得するには、次の5つのプロセスを獲得する必要があります。

デザインシンキング

どれが欠けてもデザインシンキングにはなりません。

この5つのプロセスはこの順番で進めていきましょう。

ひとつずつ解説していきます。

観察・共感(Empathize)

観察・共感を一言でいうと「ユーザーを観察し、共感すること」です。

マーケターは、まずは何をおいても、真っ先に観察・共感を実施しましょう。

ポイントは、ユーザーを観察するだけでは足りない、という点です。

ユーザーを知るだけでは、本当にユーザーが求めるものをつくることはできません。

ユーザーの欲求の強さを上回るほどの強い欲求を、マーケターは持たなければなりません。

それこそが共感になります。

定義(Define)

デザインシンキングでの定義とは「疑問、問題点、課題とは何なのか」を言葉で言い表すことです。

例えば、あるマーケターが、マーケティング・キャンペーンに連続して失敗していたとします。

失敗したとき、マーケターは「なぜ失敗したのか」と考えるはずですが、失敗を繰り返しているマーケターは、失敗を考えるところで終わっているのではないでしょうか。

「なぜ失敗したのか(疑問)」に加えて「どこで失敗が起きたのか(問題点)」「問題点をどうクリアするのか(課題)」を、しっかり言葉にしなければ、対策を打ち出すことはできません。

概念化(Ideate)

概念化を一言でいうと「疑問、問題点、課題を概念化してチームで共有すること」です。

マーケティングでは、疑問、問題点、課題を1人のマーケターで解決することはできないため、チームのメンバーにも疑問、問題点、課題を共有してもらう必要があります。

そして、ときには外注先の担当者にも、疑問、問題点、課題を共有してもらう必要があります。

このとき、疑問、問題点、課題を概念化していなければ共有することができません。

概念化しておけば、メンバーや外注先に、簡単に疑問、問題点、課題を理解してもらえます。

チームメンバーや外注先の担当者が「なるほど、そういうことか」と納得できるようにするために、常に「仕事を概念化する」癖をつけましょう。

試作(Prototype)

試作を一言でいうと「試作品をつくり、よりよいアイデアを出すこと」です。

「0」は「1」にはなりません。

しかし、「1」は「100」にすることも可能です。

疑問、問題点、課題をチーム内で共有できたら、試作品をつくりましょう。

「試作をすること」は、「0」の状態から抜け出して、「1」を作り上げることに他なりません。

試作品は「急いで」作りましょう。

失敗作になっても構まないので、スピード重視で進めることが大切です。

なぜなら、それが世に出ることはないからです。

試作品を作ったら、チームメンバーから多くのアイデアを募りましょう。

チームメンバーからアイデアが出たら、やはり「急いで」次の試作品を作りましょう。

試行(Test)

試行を一言でいうと「実際にユーザーに試してもらい、よりよいアイデアを出すこと」です。

精鋭たちを集めたマーケティング・チームであっても、そのアイデアは有限です。

したがって、チームメンバーで練り上げた試作品が完成することはありません。

完成させるには、実際にユーザーに試してもらわなければなりません。

ユーザーは、優れたマーケターが見つけられなかった欠点や長所を、簡単にみつけます。

なぜなら、本物の「ユーザー目線」を持っているのは、ユーザーだからです。

チームメンバーのアイデアが出尽くしたら、試行に取り掛かりましょう。

デザインシンキングで期待できる効果とは?

マーケターがデザインシンキングを持つようになると、次の2つの効果が期待できます。

・外れが少ないマーケティングの実行

・より創造的なマーケティングの実行

失敗続きのマーケターがデザインシンキングのスキルを獲得すれば、失敗の頻度が減るでしょう。

なぜなら、デザインシンキングのプロセスを踏むのは、「失敗の芽を摘み取る」ためでもあるからです。

ではなぜ、デザインシンキングを獲得すると、より創造的なマーケティングができるようになるのでしょうか。

それは、失敗の芽を摘み取ったあとであれば、創造的なことにチャレンジする余裕が生まれるからです。

デザインシンキングを獲得してないマーケターは、失敗を警戒しながら、創造的な仕事をしなければなりません。

これでは、仮に創造的なマーケティングが完成しても、失敗する要素が含まれてしまうので、結局失敗してしまいます。

そこで、デザインシンキングで先に失敗する確率を減らしておけば、創造的な仕事に専念することができます。

まとめ~壁をつくらないために

デザインシンキングを試す人の多くは壁にぶち当たった人ですが、デザインシンキングに慣れれば、壁にぶち当たらずに済みます。

デザインシンキングは、「すること(プロセス)」が5つもあるので、最初は面倒に感じるかもしれませんが、壁を乗り越える労力に比べたら、その面倒はとても小さなものです。

5つのプロセスを1から順番に進めて、外れが少なく、より創造的なマーケティングを行いましょう。

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<参考>