顧客満足度 アンケート

顧客満足度をアンケートで調べる方法「設問は」「実施頻度は」

経営者やマーケターは、自社の顧客満足度がどの水準にあるか、把握しているでしょうか。

そもそも、顧客満足度を定期的に計測しているでしょうか。

リピーターが増え、安定期に入った企業では、経営者やマーケターが「この優良顧客たちはもう逃げない」と勘違いしてしまうことがありますが、どのような顧客も、企業が油断すれば簡単に離反します。

ベンチャー企業が、よい製品・サービスを提供していると自負しているのにも関わらず、売上が伸びていなければ、満足している顧客が少ないからかもしれません。

顧客満足度はアンケート形式で簡単に測ることができるので、定期的に実施することがおすすめです。

この記事では、顧客満足度をアンケートで調べるときの設問や実施頻度などについて解説します。

顧客満足度調査をする重要性

顧客満足度を調査しない会社や、以前は顧客満足度調査を行なっていたが自然消滅的にやめてしまった会社は、顧客満足度と売上高と製品・サービスの質が連動していると考えているのではないでしょうか。

しかし、顧客満足度と売上高と製品・サービスの質は、必ず連動するわけではありません。

製品・サービスの質が維持されていて売上高が落ちていないのに、顧客満足度が落ち、ライバル企業が同等の製品・サービスを販売し始めたら、一気にシェアを奪われてしまいます。

だからこそ、製品・サービスの質を維持できていて、売上高が落ちていないときでも、顧客満足度は定期的に調査しなければならないのです。

そして顧客満足度が少しでも落ち始めたら、テコ入れをしなければなりません。

このウォッチングは、経営者だけでなく、マーケターの仕事でもあります。

わずか1年で6割以上の部門の1位が変わる

日本経済新聞社系の雑誌、日経クロステックなどは2020年8月に、IT関連企業の顧客満足度調査2020-2021を発表しました。この調査は21部門で行なっているのですが、そのうち13部門の1位が「2019-2020」調査と異なりました。つまりわずか1年で62%(=13÷21×100)の部門で顧客満足度1位が入れ替わったことになります(*1、2)。

1位が変わった部門の一部は次のとおりです。

●上流設計のITコンサルティング(メーカー向け)部門の1位

「2019-2020」日本IBM→「2020-2021」富士通

●システム開発関連サービス(メーカー向け)部門の1位

「2019-2020」日本ユニシス→「2020-2021」NEC

●ノートパソコン部門の1位

「2019-2020」デル→「2020-2021」パナソニック

●エンタープライズサーバー部門の1位

「2019-2020」日立製作所→「2020-2021」日本IBM

富士通やNECなどのIT有力企業でも「獲った獲られた」の攻防に巻き込まれていることがわかります。

日本IBMにいたっては、ITコンサルティング部門で1位を獲られて、エンタープライズサーバーで1位を獲り返しています。

*1:14部門で首位交代、「顧客満足度調査 2019-2020」は下克上に

*2:13部門で首位が入れ替わる、「顧客満足度調査2020-2021」結果発表

うつろいやすいから、常に追いかけてアップデートする

いくら変化が激しいIT業界とはいえ、製品の質がわずか1年でこれだけ動いたということではなく、顧客満足度によって、これだけ激しく1位が変わったと考えるのが適当です。

つまり、企業が顧客満足度調査をサボってしまうと、「うつろいやすい」顧客の満足を見失うことになります。

常に顧客満足度を追いかけて、低下したら製品・サービスのアップデートを敢行したり、マーケティング・キャンペーンを企画したりしなければなりません。

顧客満足度調査アンケートのポイントと設問例

続いて、具体的に、どのような顧客満足度調査アンケートを実施したらよいのか考えていきます。ポイントは次の5点です。

  • 目的を定める
  • 定量調査を含める
  • 設問数を減らす
  • 不満足の声を誘導する
  • 自由記述はあったほうがよい

この5項目を1つずつ解説しながら、設問例も紹介していきます。

目的を定める

顧客満足度を知るためのアンケートの目的は、顧客の満足を高めるヒントをさぐること。

しかし、顧客の満足を高めるヒントは数多く存在するので、アンケートの目的がそれだけでは、ぼやけた結果しか得ることができません。

アンケートを実施するときは毎回、明確な目的を設定しましょう。

例えば、売上が落ちていなければ、アンケートの目的は「顕在化している満足と潜在化している不満を探る」となり、次のような設問が有効です。

●A製品を購入して最もよかったことを教えてください。

・価格・品質・デザイン・機能・特になし

●B製品を買ったことがないお客様に質問です。買わない理由はなんでしょうか。

・知らなかった・価格が高い・品質が劣る・デザインが劣る・機能が劣る・なんとなく嫌だ

定量調査を含める

顧客満足度調査アンケートは、毎回目的やテーマを変えたほうがよいのですが、定期的に実施するので、定量調査も盛り込んだほうがよいでしょう。

「毎回これだけは必ず尋ねる」という設問を用意しておくと、その推移がわかります。

次のような設問が有効です。

●当社の技術力を5点満点で評価してください

・1・2・3・4・5

●当社のブランド力を5点満点で評価してください

・1・2・3・4・5

●当社製品の信頼性を5点満点で評価してください

・1・2・3・4・5

同じ質問を続けることで、例えば、技術力評価が高い水準を保っているのに、ブランド力評価が低下しているといったことがわかり、その結果によって、マーケティング戦略を変えることができます。

設問数を減らす

設問数は必要最小限にしましょう。

一概に何問がよいという数字はありませんが、1つの目安が20問です。社内で基準ができていなければ「20問」から始めてみるといいでしょう。

アンケートの目的を毎回変えると、ときに深刻なテーマを扱うことになり、設問を増やして深掘りしなければならないことがあります。その場合は20を超える設問を用意する必要がありますが、設問が1問増えるごとに回答者の集中力が落ち、回答がいい加減になるリスクと回答中断リスクが高くなるため、設問の絞り込みを意識してください。

不満足の声を誘導する

「満足と不満の間」の感想を持っている優良顧客やリピーター客の場合、アンケートでは「満足」と答えてしまいがちです。

それは、企業を過大評価していることになり、アンケート結果の信頼性が落ちます。

企業にとっては、不満がやや強めにでるアンケートのほうが理想です。

そのほうが、経営者や社内の改善・改良モチベーションが高まるからです。

不満足の声を誘導する設問は次のとおりです。

●A製品に「あったらよい」性能は何でしょうか

・価格の安さ・デザインのよさ・製品イメージのよさ・使い勝手のよさ

●「最近B製品を買わなくなった」というお客様に質問です。その理由を教えてください。

・価格が高い・品質が低い・ブランドイメージが悪い・使いにくい・他社製のほうが優れている

自由記述はあったほうがよい

アンケートに自由記述欄を設けるかどうかは意見がわかれるところです。

自由記述は回答者が面倒に感じるため、自由記述欄を設けないアンケートは確実に増えています。しかし、自由記述には、定性データを収集できる大きなメリットがあります。また、回答者とのコミュニケーションにも使えるので、顧客満足度調査では自由記述欄を設けることがおすすめです。

自由記述では、例えば次のように書いて、執筆を促すとよいでしょう。

●当社のことや当社の製品について、ぜひ厳しい意見をお聞かせください。お客様の気づきが改善の重要なヒントになります。

定期的に実施しましょう「ネットなら毎月でも」

アンケート結果は、企業の「通信簿」になるため、顧客満足度調査アンケートは、定期的に実施することが大切です。

インターネットを使ったアンケートなら簡単かつコスト安なので、毎月実施してもよいくらいです。

面談方式やインターネット会議システム方式でのアンケートは、顧客の本音を引き出しやすいのですが手間とコストがかかります。そのためこちらのアンケートは半年に1回程度実施していくといいでしょう。

まとめ

企業の最も重要な通信簿は決算ですが、自分の会社の損益計算書に興味を持たない従業員は珍しくありません。しかし、従業員が自分の仕事に関する「顧客の満足」を知れば、ダイレクトに励みになります。そして、従業員が自分の仕事に関する「顧客の不満」を知れば、ダイレクトに反省につながります。

顧客は、大きなことでも小さなことでも満足を増減させます。つまり、顧客満足度を高めようとしたら、大きな改善と小さな改良の両方を実施しなければなりません。

アンケート結果を全従業員で共有すれば、全従業員がそこから気づきを得ることができます。


<参考>

14部門で首位交代、「顧客満足度調査 2019-2020」は下克上に

13部門で首位が入れ替わる、「顧客満足度調査2020-2021」結果発表

顧客満足度調査の質問サンプル集|効果的なアンケートで顧客満足度向上させよう