アンケート メルカリ

【アンケート活用事例】メルカリがユーザー・インタビューと使用テストを繰り返す理由

メルカリを運営する株式会社メルカリが重視するのが「ユーザーの使いやすさ」であり、メルカリが使いやすさを追求するために実施しているのが、ユーザー・インタビューです。

ユーザーを対象にした使用テスト(以下、ユーザビリティテスト)にいたっては週1回行うほど。

メルカリがここまで徹底的にユーザーの意向を探る狙いを解説します。

ユーザーに「使いやすい」と思わせなければならない

メルカリを語るうえで欠かせないキーワードが、ユーザーエクスペリエンス(以下、UX)です。UXはユーザー体験と訳されますが、使いやすさや使い心地という意味で使われることもあります。

メルカリがUXを重視するのは、メインのサービスで差別化することが難しいからです。

例えば、ある人が着なくなった洋服を売りたいと思ったとき、メルカリではなく、ラクマやヤフオク、ペイペイフリマで売る、など、その手段にはさまざまなものがあります。

そして、売り手側だけでなく、買い手側も、自由にフリマアプリを選ぶことができます。

これらのアプリのサービスのメインは「売り買いすること」であり、差別化することはできません。したがって、サービスのサブであるUXで差別化することが求められます。

メルカリは、UXを向上させるためのヒントを得るために、ユーザー・インタビューとユーザビリティテストを繰り返しているのです。

メルカリのユーザー・インタビューとは

メルカリはユーザー・インタビューを

  • プロジェクトを進行しながらリサーチするため
  • 仮説を検証するため

に使用しています。

1つずつみていきましょう。

プロジェクトを進行しながらリサーチするためのユーザー・インタビューとは

通常、ユーザー・インタビューはプロジェクトを立ち上げる前に実施するもの。

なぜなら、プロジェクトの途中にユーザーの意見を聴いてしまったら、プロジェクトを大幅に変更しなければならなくなるかもしれないからです。

しかし、メルカリでは、プロジェクトが立ち上がって進行する傍らでユーザー・インタビューをします。

これは仕事の進め方としてはとてもユニークです。

プロジェクトを立ち上げてからユーザー・インタビューをして変更すべき箇所がみつかってしまったら、またプロジェクトを1から立ち上げなければなりませんが、メルカリは、変更する必要があるなら、プロジェクトの途中で変更したほうが効率的と考えており、プロジェクトの大幅変更を厭いません。

それは、常に素早くユーザーの意見をプロジェクトに反映させて、短期間でアウトプットを出す訓練を積んでいるからです。

仮説を検証するためのユーザー・インタビューとは

組織として解決したい課題が持ち上がったとき、メルカリは解決方法の仮説を立て、その仮説の正誤を検証するためにユーザー・インタビューを行います。

このときのユーザー・インタビューは、担当者とユーザーが1対1で対話して、ユーザーの思考、行動、思考と行動の背景をじっくり探ります。

UXはデータではみえない

メルカリは、ユーザーがつまずくポイントを事前に把握できなかったがゆえの失敗や、ユーザーの使い勝手をよくするための機能がまったく使われなかったがゆえの失敗を繰り返しています。

UXにはどうしても、既存のデータで予測できない部分や計測して数値化できない部分がでてくるもの。

そのため、より快適なUXを実現するには、ユーザーの生の声が欠かせず、それでメルカリはユーザー・インタビューという手間のかかるリサーチを続けているのです。

週1回ユーザビリティテストを実施する狙いとは

メルカリはユーザビリティテストを、週1回の高頻度で実施しています。

今までメルカリを使ったことがない人と既存のユーザーに、メルカリのアプリを実際に使ってもらい、どのような操作をするのか観察。リリース前の機能をテストすることもあります。

初めてメルカリを使った人へのユーザビリティテストでは、最も重要なボタンである「出品ボタン」に気づいてもらえなかったことが、既存ユーザーへのユーザビリティテストでも、メルカリをメディアとして使っているユーザーがいたという気付きが得られるなどしています。

メルカリの商品ラインナップは豊富で、商品カタログと同じくらいの情報量を持つほど。メルカリには新品同様の品も多く出品されるので、新商品のチェックにも使えるのです。

回数を多くしないと偏見が生まれる

メルカリがユーザビリティテストを週1回も行うのは、回数を増やさないとUXの開発者に偏見が生まれてしまうからです。

メルカリではかつて、商品を売ったユーザーが、売り上げたお金をそのままメルカリ内に保存しておけば、そのお金でそのままメルカリ内で買い物することができました。

これを、売上金でポイントを買い、そのポイントでメルカリ内で買い物する方法に変えました。ポイント式のほうが安全に取り引きできるからです。

メルカリがポイント式に切り替えたとき、画面を大幅に変更することはありませんでした。

それは、他社のフリマアプリもポイント制を導入していたためで、UXデザイナーたちは、「ユーザーたちは、ポイント制に変わったと告知するだけで理解できるだろう」と判断したためです。

しかし結果は、ユーザーを混乱させることになりました。

それで慌てて、画面を大幅にリニューアル。

次の操作に進む前にユーザーに「売上金でポイントを購入して、そのポイントで商品を買うことができる」という案内文を読ませて、「確認しました」にチェックを入れなければならない仕様にしたのです。

この失敗の原因は、UXデザイナーたちが自分たちがつくったアプリの操作に慣れすぎてしまい、「ユーザーがここでつまずくはずがない」という偏見を持ってしまったことにあります。

担当者たちは、ユーザビリティテストの重要性をあらためて認識することとなりました。

まとめ~人気の秘密は微調整

ユーザー・インタビューやアンケートなどを参考のために実施する企業は少なくなりませんが、メルカリはサービスを改良するためにユーザー・インタビューとユーザビリティテストを行っています。

メルカリは気がつくユーザーがほとんどいないほどの小さな変更も厭わない会社です。

しかしこの微調整こそがメルカリ人気を支えています。

メルカリは、ユーザーから「気がついたらこれが一番使いやすかった」と言われることを目指しています。

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<参考>

フリマアプリのユーザーにとって“気持ちいい”の根源を考える――メルカリ × UX侍

「6,000万DLのメルカリがユーザビリティテストを大事にする理由」メルカリプロデューサーのあたまのなか by 宮田大督

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