BtoB BtoC

「BtoB」と「BtoC」。ビジネス、マーケティングの違いとは

「BtoB」と「BtoC」。

企業が企業を客にするのがBtoBビジネスであり、企業が消費者を客にするのがBtoCビジネスです。

企業のマーケティング担当者(マーケター)は、自社がBtoB企業なのか、BtoC企業なのかで、業務内容が変わってくるでしょう。

マーケターは、BtoBとBtoCのビジネスモデルの違いを正確に把握したうえで、BtoBマーケティング、またはBtoCマーケティングを展開しなければなりません。

BtoBビジネスとBtoCビジネスの違い

BtoBとBtoCで最も大切な違いは、「客」です。

客が違うことで、開発方法もPR方法も違ってきます。

つまり、ビジネスがガラリと変わります。

客が違う

BtoBビジネスの客は企業であり、BtoB向けの商品やサービスは、ビジネスで使われることを前提に開発やPRをすることが大切です。

一方、BtoCビジネスの客は消費者であり、BtoC向け商品やサービスは、イメージと実利の両方を高めるように開発、PRしなければなりません。

開発方法が違う

BtoB企業は、自社の商品やサービスを、徹底的に顧客となる企業に合わせて開発しなければなりません。

例えば、自動車部品のメーカーは、通常、顧客である自動車メーカーが求める製品を求められるとおりに開発します。

もちろん、自動車部品メーカーが、まったく新しいアイデアで新製品をつくることもあります。

しかし、自動車部品メーカーが、世界で初めてエンジンの性能を20%上げる部品を開発したとしても、自動車メーカーは、この自動車部品メーカーに対して、自社のエンジンに合う形状にするように求めるでしょう。

つまり、BtoB企業は、結局、顧客の企業が求める製品・サービスを開発することになるのです。

一方、BtoC企業は、消費者が「買いたい」と思うような商品やサービスを開発しなければなりません。

例えば、パソコンがなかった時代、消費者たちが「パソコンがほしい」と思っていたわけではありません。しかし、コンピュータメーカーは、「パソコンを開発すれば、消費者が買ってくれるはずだ」と考えて、パソコンをつくりました。

また、スムージーは「スムージーを飲みたい」という消費者の声にこたえて作られた商品ではなく、ジュースメーカーが「ビタミンを摂りながら、食感を楽しめる」という商品を開発し消費者に受け入れられたのです。

以上をまとめると、BtoB企業の開発は「受注型」、BtoC企業の開発は「提案型」ということができます。

もちろん、提案型の商品を開発するBtoB企業や、受注型の商品を開発するBtoC企業もありますが、最終的にはBtoB企業の開発は「受注型」に、BtoC企業の開発は「提案型」に落ち着くことが多いでしょう。

PR方法が違う

BtoB企業は、自社の製品やサービスの情報を顧客の企業にだけ知らせれば十分です。

したがって、テレビCMやネット広告などで大々的にPRする必要はありません。

一方、BtoC企業は、自社製品を知らない消費者に自社製品を購入してもらうため、テレビCMやネット広告などで大々的にPRする必要があります

BtoB企業でも「○○社って、何をしている会社?」といったテレビCMを流すことがありますが、BtoB企業がCMを流す理由は、CMによって企業の知名度が上がり、知名度が上がるとよい人材や投資家を集めるのに有利になるからです。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

教科書的なマーケティング、理論は、BtoB企業にもBtoC企業にも通用します。

しかし、マーケティングの各過程で「やること」が違ってきます。

市場調査の方法が違う

BtoBは企業が顧客であるため、BtoB企業の市場調査では顧客となる企業の動向を探ります。

その際、顧客企業を1軒1軒回って聞き取りをしたほうが効率的なこともありますが、自社の顧客企業だけを調査していたのでは、時代の潮流に取り残されてしまう可能性もあります。

例えば、建築資材メーカーが、住宅メーカーやマンションメーカーの動向しか調査しなかったら、洪水対策設備やスマート住宅向けの製品開発に遅れてしまうかもしれません。

つまり、BtoB企業の市場調査こそ、広い視野を持って多角的に実施する必要があるといえます。

一方、BtoC企業の市場調査は、個人の動向をとらえなければなりません。

消費者を広くとらえるには大規模調査が必要ですし、個人の本音を探るには対面でのアンケート調査やモニター調査を行う必要があります。

大規模な調査を行うには手間もコストもかかりますが、BtoC企業が求める調査内容は、すでに調査会社が持っているかもしれません。

調査会社が行った市場調査のほうが、BtoC企業が自社で行う市場調査より、大規模かつ正確かもしれないので、まずは調査会社から必要な調査結果を購入し、その内容で足りなければ自社で独自調査を行う、という流れを採用するとよいでしょう。

キャンペーンが違う

BtoB企業のマーケティングでは、キャンペーンはあまり重視されません。

BtoB企業が派手なキャンペーンを打ってしまうと、顧客企業から「キャンペーンコストを値下げ原資にすればいいのに」と思われるかもしれないからです。

一方、BtoC企業のマーケティングでは、キャンペーンが重視されます。

キャンペーンによっては、他の業界の消費者を引っ張ってこれるかもしれないからです。

例えば、ゲームメーカーが、VR(仮想現実)で海外旅行ゲームをつくって大々的なキャンペーンを実施すれば、旅行業界の消費者を客にできるかもしれません。

マーケティング効果の測定方法が違う

マーケティングが終了したら効果を測定する必要がありますが、その測定方法でも、BtoB企業とBtoC企業には違いがあります。

BtoB企業のマーケティングの成否は、「売れたか売れないか」で判定されることが一般的です。

例えば、BtoB企業では、「マーケティングの結果、自社製品の知名度は業界内でかなり広がったが、売上高はそれほど増えていない」といった結果は、成功とはいえません。

知名度が上がったのに売れないということは、「市場から求められてない」ことを意味しているので、開発から見直さなければならないでしょう。

一方、BtoC企業のマーケティングであれば「売れていないが知名度が格段に上がった」という結果を「成功」とすることができます。

なぜなら、BtoC企業の製品やサービスの場合、知名度の向上が、爆発的ヒットにつながるかもしれないからです。

例えば、あるコンビニが、プライベートブランドでチーズを使ったスイーツをつくったとします。

味も値段も申し分なく、モニター調査では絶賛されていたにもかかわらず、実際にコンビニの店頭に並べると、まったく売れなかった、という場合、知名度を高められなかったことが、マーケティングの失敗と考えられます。

したがって、次のPDCAでは、知名度向上に的を絞るとよいでしょう。

BtoC企業のマーケティングは消費者が対象になるので、マーケターはマーケティングのゴールを細かく定め「それを達成できれば、売上がついてこなくても、とりあえずよしとする」といった心構えが必要です。

BtoE、BtoG、CtoC、GtoC、DtoCとは

ビジネス形態にはBtoB、BtoC以外にも、BtoE、BtoG、CtoC、GtoC、DtoCなどがあります。

Eはエンプロイー(従業員)、Gはガバメント(行政機関)、Dはダイレクト(直販)の頭文字です。

BtoB,BtoC

BtoEは、企業が、自社の従業員をターゲットにするビジネスです。

企業の製品を自社の社員が買えば、自社の社員も顧客になります。

BtoGは、行政機関を対象にしたビジネスです。

公共事業に携わる建設業は、典型的かつ伝統的なBtoGです。今日的には、ふるさと納税のサービスを、専用サイトでPRするビジネスもBtoGといえます。

地方自治体の街おこし事業に関わって、地方ビジネスを興せば、それもBtoGの一種です。

CtoCは、消費者が消費者を顧客にするビジネスです。

メルカリやヤフオクは、個人間で売買取引が行われているので、CtoCといえます。

また、企業の社員が、副業として小さいビジネスを行なえば、CtoCの形態になるかもしれません。

GtoCは、行政機関が消費者を顧客にする形態です。

行政サービスでは原則、利益を上げてはいけませんが、ビジネスの要素がまったくない行政サービスは、住民らに受け入れられないことがあります。

そのため行政機関にも「toC」の意識が求められます。

DtoCは、ダイレクトに消費者とつながるビジネスです。

例えば、農家が農協に野菜を販売すればBtoBですが、農家が消費者に宅配便で野菜を送ればDtoCになります。

BtoCにはDtoCの要素があり、「DtoC」という言葉は、BtoBがBtoCに転換したときなどに使われます。

まとめ~「toの先」が重要

「XtoX」の表記は、最初のXがビジネスの主体で、2番目のXが顧客の種類になります。

BtoCであれば、企業(B)がビジネスの主体で、消費者(C)が顧客です。

マーケターが「XtoX」を意識すると、顧客を強く意識できるようになります。

顧客像を間違えると、マーケティングは失敗する確率が高くなります。

ビジネスパーソンやマーケターは、自分の会社の「toの先」をしっかり見定めることでが大切です。


参考