新規事業を成功させるのは、簡単なことではありません。
事業を成功させる確率を少しでも上げるためには、具体的な行動を開始する前に大切なポイントを押さえることが大切です。
今回は、新規事業を立ち上げる前に確認しておくべきポイントを解説します。
記事の後半では、新規事業を立ち上げて成功させた企業の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事は、次のような人におすすめの内容です。
- 新規事業の立ち上げに携わる人
- 新規事業の立ち上げ準備をしている人
- 新規事業を立ち上げた成功事例が気になる人
新規事業の立ち上げで大切なポイント
新規事業を立ち上げる場合に大切になるポイントはいくつかありますが、今回は、次の8つのポイントの内容を押さえましょう。
- 顧客理解
- 人材育成
- 事業ドメインの決定
- 理念・ビジョンの明確化
- 市場性・事業性の分析
- 環境整備
- 行動計画
- 分析・検証
1つずつ順番に解説していきます。
顧客理解
新規事業を立ち上げるには、まず、顧客について理解する必要があります。もっといえば、顧客が抱えている課題を把握することが大切です。
なぜなら、顧客の課題が分かれば、その問題を解決できる商品やサービスを考えやすくなるからです。
新規事業を立ち上げるとなると、つい自社が売り出したいものをメインで考えてしまいがちですが、市場ニーズがない商品やサービスを提供しても、思うように売上が伸びないので注意が必要です。
人材育成
新規事業の立ち上げには、行動計画を進めてくれる人材が必要です。
社内に目ぼしい人材がいるなら心配ありませんが、優秀な人材がいない場合はこの機会にしっかり育成することが大切です。
事業ドメインの決定
事業ドメインとは、自社が新規事業を展開する場所のこと。
事業ドメインの決め方に明確なルールはありませんが、物理的定義と機能的定義から考えると決めやすくなるでしょう。
物理的定義とは、商品やサービスを元にした定義のことであり、機能的定義とは、市場や顧客のニーズを元にした定義を指します。
物理的定義は事業内容を分かりやすく伝えられるメリットがありますが、市場で目新しい事業として認識される可能性が低いデメリットがあります。
機能的定義は事業について具体的に説明しないと理解を得づらいデメリットがありますが、将来的な多角化に強いのが特長です。
理念・ビジョンの明確化
新規事業を立ち上げる場合は、社内の理念やビジョンを明確にすることも大切です。
理念やビジョンがあいまいな状態のまま新規事業を進めていくと、メンバーの方向性がバラバラになったり、意見の食い違いが多くなったりなどの悪影響が生まれやすくなります。
新規事業のトップだけが理念・ビジョンをざっくり考えているのでは、意味がありません。
新規事業の具体的な理念・ビジョンを仲間に分かりやすく伝えて共感を得ることで、チームのポテンシャルの向上が期待できるため、新規事業を担当するチームで時間を取って話し合ったり、1枚の用紙に書き出したりして、理念・ビジョンをしっかり共有することをおすすめします。
市場性・事業性の分析
新規事業を成功に導くためには、市場性や事業性に関する分析を怠らないことが重要です。
市場性と事業性を分析する上で、最低限調べておくべき項目は下の表の通りです。ぜひ参考にしてください。
市場性 | ・新規事業が参入する市場の特長 ・市場の将来性 ・市場のリスク ・競合他社 など |
事業性 | ・ターゲットの特長 ・ターゲットのニーズ ・ターゲットのボリューム ・事業のリスク |
環境整備
いくら新規事業の案が良くても、社内の環境が整っていなければ成功するものも失敗してしまいます。
少なくとも、新規事業を運営できるチームや資金はしっかり準備しましょう。
自社のノウハウを最大限活用することも大切です。
行動計画
環境が整ったら、新規事業を成功させるために必要な行動を洗い出していきます。
最終的に、時間軸で計画をまとめられれば新規事業を進めやすくなるでしょう。
このタイミングで「誰が」「いつ」「どんな行動をする」というように、明確に計画を立てておけば事業をスムーズに進められるのでおすすめです。
分析・検証
新規事業に関する一連の活動が終わったタイミングなどに、これまでの活動を振り返って分析することも大切です。
計画の序盤で立てた仮説の検証をしたり、マーケティングの改善点を洗い出したりなどして、客観的に分析・検証を行いましょう。
新規事業立ち上げの成功事例
最後に、新規事業を立ち上げて成功した大手企業の成功例を紹介します。
今回は、
- フジフィルム
- ホンダ
- ダイハツ
の3つの企業の成功事例を見ていきましょう。
フジフィルムステージゲートプロセス
フジフィルムステージゲートプロセスとは、新規事業を成功させるプロセスを6つに分けてその流れに合わせて計画を進めていく方法です。
新規事業の推進をステージごとに分けることで、計画の確認がしやすくなります。
フジフィルムステージゲートプロセスでは、1つのステージが終わった段階で必ず会議を実施します。その会議の中で、次のステージで達成すべき目標や今後の課題などを明確にしてチームで共有するのです。
定期的に戦略を見直す機会になるので、新規事業を立ち上げる場合に有効なプロセスといえるでしょう。
ホンダ「ホンダジェット」
ホンダジェットとは、ホンダが新しく開発した小型のビジネスジェット機です。このジェット機は独自で開発したエンジンを配置したことによって他社の製品にはない次のような性能が備わっていました。
- 速度が速い
- 飛距離が長い
- 高い高度でも飛べる
その結果、2019年上半期の納入数は世界最多となったのです。
ダイハツ「らくぴた送迎」
らくぴた送迎とは、主にデイサービスで使用される送迎サービスのこと。
デイサービスの利用者と車両情報をあらかじめ登録するだけで、送迎に最適なルートを提案してくれます。
相性が悪い利用者同士が一緒にならないように配慮するなどの細かい設定も可能。
ニッチな市場ではありますが、自社が持っているノウハウを活かして市場にアプローチしたことで成功した事例といえるでしょう。
まとめ
新規事業を立ち上げるにあたって押さえておくべきポイントは
- 新規事業を立ち上げる前に大切なポイントの理解が必要
- 顧客理解や事業ドメインの決定などはある程度時間をかけた情報収集が重要
- 人材育成や理念・ビジョンの明確化など社内の方向性も大切
- 整った環境で具体的な行動計画を立てることが新規事業の成功につながる
ということ。
今回紹介した内容を参考に、新たな事業を始めてみましょう。
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<参考>
新規事業を作る際に役立つ事例9選 成功する新規事業に共通する要因とは?(THE OWNER)