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質問と選択肢の最適な「数」とは【アンケートづくりのコツ】

マーケティングが消費者の「心」に近づく取り組みである以上、企業やマーケターは、「本音」を引き出せるアンケートを手放すことはできないでしょう。

ただ、アンケート結果と実際のビジネスの結果に齟齬が生まれることは珍しくありません。

そこでマーケターは、常にアンケートに改良を加えていかなければなりません。

この記事では、「質問と選択肢」の「数」の適切な量について考えていきます。

アンケートにおける質問と選択肢とは

アンケートは、対象者に質問をして、回答を得て、その内容を分析する調査手法です。

アンケートの調査対象者は、自発的に情報発信をしている人でも、何か特別な行動を起こしている人でもありません。したがってアンケートでは、マーケターから「普通の人」たちに働きかけて、彼らの本音や心理を引き出さなければなりません。

アンケート以外の調査手法として、すでに起きた現象をとらえるものがありますが、すでに起きた現象をとらえる調査が「待ち」だとしたら、調査対象者の本音を探りに行くアンケートは「攻め」の調査といえます。

アンケートにおける質問と選択肢は、調査対象者に「働きかける」ツールであり、攻めるための武器でもあります。

質問のつくり方

アンケートの質問には、アンケートの実施者が知りたいことを尋ねる、という特徴があります。

そのため、アンケートの質問をつくる前に、自分たちは何を知りたいのかを明確にしなければなりません。

また、ポジティブな回答が多かったときの対応と、ネガティブな回答が多かったときの対応も考えておかなければなりません。

例えば、「支持率が95%を超えなければ、商品化しない」といったことを決めておきます。

これを決めれば次に、「では何をもって支持率95%とするか」について検討することができます。

こうした検討を重ねることで、アンケートの質問ができあがっていきます。

選択肢のつくり方

最も簡単な選択肢は、「よい」or「悪い」です。

例えば、「この商品についてどう思いますか」という質問に対し、「よいor悪い」という選択肢を用意すれば、最も単純なアンケートが完成します。

しかし、簡単で単純な選択肢は、簡単で単純な答えしか回収できないため、簡単で単純な選択肢では難しく複雑な消費者の本音を引き出すことができません。

消費者の本音を知るためには、自由回答が有効です。

「○○についてどう思いますか」という質問をつくり、選択肢を設けず、空欄を用意して、そこに調査対象者の思いを書いてもらうわけです。

ただ、多くのアンケート回答者は自由回答欄への記入を面倒に思い、誠実に書いてくれることはありません。

しかし、自由回答欄に記述しようと思っていた内容が選択肢にあれば、それを選んでくれます。

よい選択肢は、アンケート回答者に「そうそう、まさにこれこそ自分が思っていたこと」と思わせることができます。

なぜ質問と選択肢の数が「齟齬」を引き起こすのか

この記事がフォーカスするのは「数」です。

質問数と選択肢数を間違えると、アンケート結果と実際のビジネスの結果の齟齬を引き起こします。齟齬とは、例えば、アンケートでは「売れる」という結果が出たのに、実際はまったく売れなかった、というものです。

また、アンケート結果で「売れない」と出たのに、販売を敢行してヒットした場合も齟齬に含まれます。

これは「結果オーライ」では済みません。

なぜなら過去に、アンケート結果で「売れない」と出たことで、販売を中止した事例があったかもしれないからです。

アンケート結果と実際のビジネスの結果の齟齬は、事業の失敗にも機会損失にもつながってしまいます。

齟齬を引き起こす原因はいくつかありますが、質問数と選択肢数の「多すぎ、少なすぎ」もその1つに数えられます。

質問数が少なすぎると、調査対象者の本音を引き出せません。

しかし、質問数が多すぎると、調査対象者を飽きさせてしまいます。

選択肢数が少なすぎると、調査対象者は本音を表現できません。

しかし、選択肢が多すぎると、調査対象者は回答に迷います。

つまり、質問数と選択肢数の「多すぎ、少なすぎ」は、正しいアンケート結果を導き出すことができず、実際のビジネスとの齟齬が生じるわけです。

適切な質問数の導き方

適切な質問数は、どのように導いたらよいのでしょうか。

理想は「必要最少限」です。

必要数は必ず確保しながら、最少を目指さなければなりません。

いくつにすればよいのか

適切な質問数は、「何を知りたいか」と「誰に調査するか」と「対価を支払うか」によって変わってきます。

複雑なことを知る必要があり、特定の人を調査対象にして、きちんと対価を支払うのであれば、質問数を多くしたほうがよいでしょう。

そうではなく、単純なことを知りたくて、不特定多数を調査対象にして、対価を支払わないのであれば、質問数は極力少ないほうがよいでしょう。

少ないと引き出せない、多いと飽きる

アンケートの質問数は、少ないと本音を引き出せず、多いと回答者を飽きさせます。

例えば「チョコレートは好きですか、嫌いですか」という質問は、「チョコレートは全般的に嫌いだけど、あそこのメーカーのビターチョコだけは好き」という本音を引き出すことができません。

この本音を引き出すには「チョコレートは好きですか、嫌いですか」「嫌いと回答した人は、なぜ嫌いですか」「嫌いと回答した人は、どのチョコレートなら食べることができますか」といった質問を用意する必要があります。

ただ、このような質問攻勢を「回りくどい」と感じる回答者もいます。

回答者の離脱が多くなると、アンケート結果の信頼度が低下するので、質問を深掘りする一方で、質問を厳選する必要があります。

少なすぎても多すぎても分析できない

質問数が少なすぎても多すぎても、アンケート結果の分析に苦労することになります。

質問数が少なすぎると、得られる情報が少なくなるので、正しく分析できません。

質問数が多すぎると、分析項目が多くなりすぎて、やはり分析が難航します。

質問をつくるときは、「この質問のこの回答が多かった場合、どのような答えが考えられるか」といったことを検討します。

適切な選択肢数の導き方

アンケートで「すごくよい、よい、中くらい、悪い、すごく悪い」という選択肢を見かけますが、安易に選択肢を増やさないほうがよいでしょう。

「すごくよい」「すごく悪い」の他に「よい」「悪い」を用意するのは、「すごくよい」「すごく悪い」とは言い切れない、と思っている人の心理を汲み取るためです。しかし、「すごくよい」か「よい」で迷う人や、「すごく悪い」か「悪い」で迷う人もいます。

質問によっては選択肢をシンプルに「よい、中くらい、悪い」にしてしまったほうがよいでしょう。

選択肢数はメリハリをつける

選択肢数が少なすぎると、回答者は「自分の意見を表明できない」と感じます。アンケートの回答者の多くは、自分の意見が商品開発や業務改善に役立てばうれしいと思っています。選択肢が少なすぎると、そのような回答意欲を削ぐことになりかねません。

選択肢数が多すぎると、回答者はときに、自分の本音を見失います。例えば「確かに、このように思うこともないこともない」などと思い始めてしまいます。

選択肢の数はメリハリが重要です。

ある質問の選択肢を「よい、中くらい、悪い」とシンプルにしながら、別の質問の選択肢では「通勤中にそう思う、トイレのなかでそう思う、食事中にそう思う、買い物中にそう思う、友人といるときによくそう思う、家族と一緒にいるときによくそう思う」と複雑にしても構いません。

まとめ~シミュレーションは毎回行って

適切な質問数と選択肢数は、事前のシミュレーションである程度割り出すことができます。

アンケートが完成したら、社内のマーケティングに関わらない人に、疑似回答してもらいましょう。

疑似回答者に、自分の気持ちを表現できる質問と選択肢になっているか尋ねることで「適切な数」を導き出すことができます。

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<参考>

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