タスク管理はGTDの5ステップでさらに効率化できる

ビジネスパーソンの中には、すでにタスク管理を導入して、業務の効率化を図っている人もいるでしょう。

タスク管理は、従来からある仕事管理やスケジューリングを現代版に進化させたもので、企業の新人研修や新任管理職研修などで教わることがあります。

そのタスク管理の中で注目されているのが、「収集、処理、整理、更新、実行」の5つのステップで業務を進めるGTD法です。

タスク管理からGTDに進化した過程と、実際のビジネス現場でのGTDの使い方について解説します。

そもそもタスクとは、タスク管理とは

まずはタスクそのものと、それを管理するタスク管理の基礎知識についておさらいしておきましょう。

タスク管理で業務を効率化するには、タスクの正しい理解が必要です。

タスクのことを「仕事」や「すべきこと」と理解すると、スタート段階でつまずいてしまいます。

タスクは確かに「仕事」であり「すべきこと」ですが、それだけではありません。

タスクとは、目標のためにすべきことのすべてであり、その日に行うひとつひとつの作業から完了までの道筋です。

時間や担当者割りであり、締め切りを決めることでもあります。

複合的・多様的にとらえるようにしましょう。

タスクにはさまざまな形態がありますが、ここでは「目標のためにすべきことのすべて」について解説します。

例えば、ある営業担当者が、前年売上げの5%増を達成したらインセンティブが支給されることになったとします。

このとき「5%増」はタスクになり得ません。なぜなら「5%増」はタスクとしては「大づかみ」すぎるからです。タスクを文章で「見える化」するときは、その文章を読めばすぐに動作に移れるようにしなければなりません。「5%増の営業をする」と文章化しても、動きようがないのです。

この場合のタスクは「ターゲット層の絞り込み」や「面談回数を2倍にする」といった内容になります。

「ターゲット層の絞り込み」をタスクにすれば、「上司に顧客リストを借りて、顧客に優先順位をつけ、優先順位の高い顧客から電話をかけていく」という仕事を実行することができます。

また、「面談回数を2倍にする」をタスクにすれば、「アポイント取りを2倍にする」ことを実行できます。さらに、面談回数が2倍になれば勤務時間が切迫してくるので、残業が必要になりますが、働き方改革を進めている会社では単純に残業時間を増やせないので、業務の効率化が必要になります。

すると、「業務を効率化するために必要なこと」を考えなければなりませんが、これもタスクになります。

このようにタスクは複合化・多様化していくため、「目標を達成する」ためのタスクを考えていくと「タスクの洪水」に見舞われてしまいます。

そこでタスク管理が必要になります。

タスク管理は次のように進めます。

  • すべてのタスクを書き出す
  • すべてのタスクに「締め切り」と「重要度」を設定する
  • 締め切りが早いタスクから仕上げていく
  • 完了としたタスクは二度とやらない

タスク管理は、この4つが1つでも抜けると機能しません。

タスクとして書き出した以上は、必ず自分の責務としてこなさなければなりません。また、タスクとして挙げなかったことは、自分の責務ではないと考え、手をつけないようにしましょう。

仕事をするには、仕事を切れるようになることも必要です。

締め切りのないタスクは、タスクと呼べません。

なぜなら、締め切りのないタスクは、完了させなくてよいタスクとみなされるからです。

完了させなくてよいのであれば、タスクに挙げないようにしましょう。

そして、緊急時に備えて、重要度が低いタスクをすぐに切れるようにしなければなりません。そのためにはすべてのタスクに重要度をつけておく必要があります。緊急時でも重要度が高いタスクはこなさなければならないからです。

タスクは、締め切りが早いものから片付けていきます。重要度が高い順に片付けるのではありません。

そしてタスクに締め切りを設定した以上、その期日内に業務が完了したら、もう二度とその業務に手をつけないようにしましょう。「一応は終わったけど、片付けが残っている」という状態は、タスク管理を破綻させます。

もし、当初予定していたゴールに達したものの、それで完了できないときは、新たなタスクとして挙げる必要があります。

タスク管理におけるGTDとは

タスク管理の一種であるGTDは、Getting Things Doneの頭文字を取ったものです。

このキーワードは「仕事を成し遂げる」という意味を持ちます。

GTDは、コンサルタントのデビッド・アレン氏が著書「Getting Things Done」のなかで提唱した考え方です。

先ほど説明したタスク管理は、作業の効率化を最優先にした手法といえますが、タスク管理の進化版ともいえるGTDでは、効率化を図るだけではなく、生産性ややりがいを向上させることも目的に含まれます。

収集、処理、整理、更新、実行で進める

GTD型タスク管理は収集、処理、整理、更新、実行の5つのステップで進めます。

それぞのステップには次のような特徴があります。

タスク管理 GTD

収集過程では、「自分がすべきこと」「したいこと」「期待されていること」などを、すべて集めます。

10年後にすべきことや20年後にしていたいこと、資格の取得や転職など、自分のビジネスに関わるあらゆることを書き出しましょう。

処理過程では、集めた「すべきこと」や「したいこと」などに価値や意味をつけていきます。

整理過程では、手帳やパソコン、スマホに、処理済の「すべきこと」や「したいこと」などを入力していきます。

更新過程では、整理した「すべきこと」や「したいこと」などのうち、情報が古くなっているものを新しくしたり、不要になったものを削除したりしましょう。

実行過程では、整理・更新した項目について着手していきます。

GTDを繰り返していくと、ある奇妙な現象が起きます。それは「実行」の重要性が相対的に減ってくるのです。

GTDどころかタスク管理にも着手していないビジネスパーソンは、実行こそ仕事の本質であると考えています。

しかし、GTDをマスターしている人は、収集、処理、整理、更新の4つのステップがしっかりしているので、淡々と実施することができます。

それは、収集、処理、整理、更新の4つのステップで、失敗リスクを減らすことができていて、さらに実行方法も吟味されるからです。

またGTDを繰り返していると、収集能力、処理能力、整理能力、更新能力が向上します。

その結果「やれる仕事」の範囲が格段に広がり、仕事のやりがいにつながっていきます。

GTDは、やらされている仕事を、やりたい仕事に変える力があるからです。

その状態になると、次々とミッションを実行していくことができるので、周囲や上司たちの信頼が厚くなり、より重要な仕事を任されるようになるでしょう。

まとめ~実力を出し切る方法

タスク管理やそれを進化させたGTDは、自分の実力を100%出し切る方法です。

実力を出し切れていない人は、実行する前に失敗リスクをカットしていなかったり、業務環境の整備が整っていないなかで仕事を進めたりしています。

ビジネスの最前線では、自分に有利な状況は自分で確保しなければなりません。

GTDは、自分に有利なフィールドをつくる方法として有効です。


<参考>