セグメンテーションとは?マーケティングに欠かせないセグメンテーションの方法と事例

セグメンテーションとは、市場を細分化すること。

顧客のニーズが多様化した今、その重要度を増しています。

細分化された市場で勝つためには、セグメーション業務の精度を高める必要があります。

セグメンテーションとは

セグメンテーションのセグメントとは、部分、区分という意味を持つ言葉です。

したがって、セグメンテーションは、大きなものを細かく分けることであり、マーケティングでは、「1つの大きな市場を細分化すること」を表します。

「市場分析」の後、「ターゲティング(標的市場設定)」の前にする仕事

マーケティングは次の6段階で進めることが推奨されています。

1:市場分析

2:セグメンテーション(市場の細分化)

3:ターゲティング(標的市場の設定)

4:ポジショニング(標的市場内での立ち位置の設定)

5:マーケティングミックス(施策の決定)

6:実行と評価

セグメンテーションとターゲティング、ポジショニングの3つは「STP」と表現されることもありますが、S→T→Pの順番で作業を進めていきましょう。

もし、セグメンテーションが狂うと、ターゲティングもポジショニングも狂ってきます。

その結果、最終的にその企業は、不適切な市場や勝ち目のない市場、または儲からない市場で戦うことになりかねないので、セグメンテーションの実施には注意が必要です。

セグメンテーションの事例

セグメンテーションを理解するには「軸」と「4R」を知っておかなければなりませんが、「軸」と「4R]について説明する前に、セグメンテーションの事例を紹介します。

事例について理解しておけば、後段で紹介する軸と4Rの説明を理解しやすくなるので、事例についての理解を深めておきましょう。

コーヒーのセグメンテーション

セグメンテーションを最も重視している業界のひとつに、コーヒー業界があります。

コーヒーとひと口にまとめて言われることがほとんどですが、コーヒーは

1)家庭用インスタントコーヒー

2)家庭用レギュラーコーヒー

3)贈答用コーヒー

4)純喫茶店のコーヒー

5)チェーン店のコーヒー

6)缶コーヒー

7)コーヒー牛乳

8)コンビニコーヒー

などに分けることができます。

そして、国内にはそのすべてを手掛けている企業はありません。

例えば、1)はネスカフェなど、2)はUCCなど、5)はドトールやスターバックスなど、6)はコカ・コーラなど、7)は雪印など、8)はセブンイレブンなどといったような住み分けができています。

つまり、すべてのコーヒー関連企業がセグメンテーションを実行しているのです。

なかでも特筆すべきは、セブンイレブンのセグメンテーションです。

8)コンビニコーヒーは、8つのセグメントのなかで最も新しく、セブンイレブンはあえて1)~7)に進出しませんでした。

それは、セグメンテーションの分析が優れていたからです。

セブンイレブンは6)缶コーヒーには「少し」進出し、サントリー食品と共同で「セブンボスオリジナル」という缶コーヒー・ブランドをつくっていますが、セブンイレブンは、缶コーヒーよりもコンビニコーヒーの「セブンカフェ」のほうに力を入れています。

それは自社だけで取り組んだ方が、利益率が高いから、ということも理由の1つとなっています。

セブンイレブンはセブンカフェのために、カップを購入してから客自身にコーヒーを淹れさせる独自の「セルフ式ドリップコーヒー」方式を開発しました。

そして現在、セブンカフェは1年間に10億杯以上を売り上げるドル箱商品になっています。

1杯100円でも10億杯売れば1,000億円。

セグメンテーションの成功事例といえるでしょう。

「軸」とは

セグメンテーションは市場を区切るわけですが、いったい何を基準に線を引くのでしょうか。

セグメンテーションの基準となるのは「軸」です。

ここでは次の4つの軸について解説します。

マーケティング セグメンテーション

地理的変数

地理的変数では、「都道府県」「国内・海外」「欧米・アジア」といった軸を設定することができます。

例えば都道府県の軸では、カップそばの出汁の味を関東と関西で変えたりするセグメンテーションが行われています。

また、バイク業界では国内向けのバイクと海外向けのバイクで馬力を調整しています。

人口動態分布

人口動態分布では、「年齢」「性別」「世帯人数」「所得」「職業」などが軸になります。

年齢による市場の細分化は、セグメンテーションの基本といえます。

例えば、資生堂はライフステージや年齢でセグメンテーションをしています。

心理的変数

心理的変数では「性格」「価値観」「購買動機」が軸になり、最もセグメンテーションしにくい軸です。

ただ、難しいだけに、そのセグメンテーションがマッチすればヒット商品を生みやすくなります。

例えば、豪華なキャンプを提供するグランピングはそのひとつです。

キャンプはアウトドアが好きな人がするもの、という常識がありました。

したがって従来は誰も、アウトドアが嫌いな人向けのキャンプをセグメンテーションしませんでした。

しかしアウトドアが嫌いでも「キャンプっぽいこと」をしたい人がいることに気づいた人がいました。

それで、テントを張ってそのなかで寝泊まりしてもらうけれど、設備や料理は高級ホテル並みのものを提供するグランピングが誕生したのです。

行動変数

行動変数では「行動」「活動」「知識」「反応」「態度」「使用」などが軸になります。

伝統的なものとしては、クリスマス・ビジネスやバレンタイン・ビジネスが、行動変数によるセグメンテーションに含まれます。

クリスマスもバレンタインも宗教的な行事ですが、そのとき人々が「浮き浮きする」ことから、プレゼント・ビジネスや高級料理ビジネスを組み合わせていったのです。

また、サプリメント・メーカーは、初回購入とリピート購入という行動の違いに注目しています。

初回購入者は「安く試したい」と考えるので「初回限定90%オフ」といった売り方をします。

またリピーター購入者は「購入を続けているのだから割り引くべきだ」と考えるので「定期発送契約は30%オフ」といった売り方をします。

4Rで有効性を判断

4Rによるセグメントの4つのRとは、ランク(優先順位)、リアリスティック(規模の有効性)、リーチ(到達可能性)、レスポンス(測定可能性)です。

それぞれ次のような内容になります。

  • 優先順位:自社のマーケティング戦略にマッチするセグメントを優先する
  • 規模の有効性:その市場が利益を生む市場規模を持っているかを見極める
  • 到達可能性:顧客に届きやすい市場かどうかで判断する
  • 測定可能性:顧客の反応を測定できるかどうかを計る

この4Rを検討しないと、「軸」で厳選した市場でいくらマーケティングをしかけても、顧客を動かすことはできないでしょう。

また、顧客受けがよくても利益を上げることが難しくなるでしょう。

まとめ

セグメンテーションはまさに、自社が有利になる場所を選ぶ方法であり、自社の製品やサービスを売り出すためには、自分が得意とする場所を選ぶ「セグメンテーション」が重要です。


<参考>

  1. 雪印コーヒー(雪印メグミルク)
    http://www.meg-snow.com/products/detail.php?p=yuki-coffee
  2. セブン-イレブン限定 缶コーヒー「セブンズボス」、地域の嗜好に合わせた全20種類を発売(食品産業新聞社)
    https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2018/10/2018-1002-1138-14.html
  3. 39億杯売れた「セブンカフェ」を刷新するワケ(東洋経済)
    https://toyokeizai.net/articles/-/208358
  4. セグメンテーションとは?使い方や活用事例(Marketo)
    https://jp.marketo.com/content/how-to-use-segmentation.html
  5. 元資生堂 執行役員が語る、資生堂のグローバルビジネス戦略 ~「海外メーカーにとっては、日本がベンチマークの場」(ビジネス+IT)
    https://www.sbbit.jp/article/cont1/24191