カゴメ アンケート 事例

【アンケート活用法】ベタで面白い!カゴメの「つぶより野菜」のマーケティング

トマトの加工品で不動の地位を築いているカゴメですが、この製品のマーケティングは驚くほどベタなもの。

しかし、ベースにカゴメの実力と「つぶより野菜」の商品の強さがあるため、強い訴求力を生んでいます。

カゴメ株式会社(本社・名古屋市)が「つぶより野菜」のPRでつかった手法とはいったいどういうものなのか、詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目標は単純明快「野菜不足を解消すること」

「つぶより野菜」は、よい意味で、何の変哲もない野菜ジュースです。なぜ、変哲がないことがよい意味になるのかというと、消費者は野菜ジュースにオーソドックスさを求めているからです。

調査会社によると、野菜ジュースは朝食に飲むことが多く、消費者は味・飲みやすさ・価格を重視し、飲む目的は野菜不足を補うためです(*1)。ここから消費者が野菜ジュースに、普通を求めていることがわかります。

そして「つぶより野菜」は、日本人の野菜不足を解消することを目標にしてつくられたもの(*2)。

「つぶより野菜」は、飲んだときに野菜をそのまま食べているかのような食感を演出するため、つぶつぶ感を強調していますが、それ以外は普通かつ変哲がありません。

*1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000280.000007815.html

*2:https://lifestylemag.jp/kt/008

ネットでアンケートを実施

「つぶより野菜」のマーケティング・キャンペーンの1つに、ネットアンケートがあります(*3)。これも製品同様、何の変哲もないアンケートです。

*3:https://lifestylemag.jp/kt/008

普通のことを訴求

「つぶより野菜」のアンケートのサイトには、46秒の動画が流れます。そこでは次のことを訴求しています。

  • 多くの日本人が野菜不足に陥っている
  • 野菜を多く摂るのはお金がかかるうえに面倒である
  • ジュースにしたほうが効率的に栄養を吸収できる
  • 「つぶより野菜」で使っている原材料は、レモン以外は国産である
  • 食塩、砂糖、香料、保存料は使っていない
  • カゴメが80年かけてつくりあげた夢の野菜ジュースである

最後の「80年」以外は既視感があり、他社の野菜ジュースのPRでもみかけるものです。だからこのマーケティングは普通であり変哲がないのです。

それでもこのマーケティング埋没しないのは「80年」があるからといえるでしょう。

あえて奇をてらう必要がない

カゴメといえばトマト加工品、という認識は、国民に浸透しています。

カゴメとトマトの関わりは120年以上。トマト以外の野菜にも力を入れていて、カゴメが国内で供給している緑黄色野菜は全体の17.3%にも達し、野菜全体(緑黄色野菜と淡色野菜の合計)でもカゴメの供給量は4.4%になります。

カゴメは「畑を原点に野菜と向き合い、新しい食を提案する」会社を自認しています(*4)。

このようなベースがあるので、カゴメが「普通の野菜ジュースを販売した」と普通にPRすれば、それだけで顧客は一定の納得感を得ることができます。

カゴメはあえて奇をてらう必要がなく、むしろ奇をてらわないほうが消費者は安心します。

*4:https://www.kagome.co.jp/company/about/info/data/

80年のインパクトをアンケートで強調

マーケティングではインパクトが重要です。普通のことを普通にPRしているだけでは、新規の顧客をつかむことができません。

そこでポイントになるのが、「つぶより野菜」は「カゴメが80年かけてつくりあげた夢の野菜ジュースである」というコピーです。

カゴメはこの80年を強調するために、とても簡易なアンケートを行うことにしました。

先ほど紹介した動画のサイトでは、視聴者に、動画でPRした「つぶより野菜」の特長のうち、魅力的だと思ったものはどれか、と質問するアンケートを実施しています。そのアンケートの選択肢は次のとおりです。

  • 原材料の野菜はすべて国内産
  • 1本で1日分の野菜が摂取できる
  • まるで野菜そのものを食べているようなつぶつぶ食感
  • 食塩・砂糖・香料・保存料不使用
  • カゴメが80年かけて商品化
  • 紙容器で片づけがラク
  • 特になし

視聴者がこの7項目のいずれかをチェックしたら、次に「つぶより野菜」を購入できるサイトに飛ぶボタンを押させる仕組みとなっています。そして、「つぶより野菜」を購入できるサイトが開くと、まず、「カゴメが80年間、つくりたくて仕方のなかった野菜ジュースです」というコピーが現れます(*5)。

*5:https://shop.kagome.co.jp/lp/tsubuyori_lpc7/?_ebx=a1bbwgizm.1625822336.7gvq6ca

1リットル1,329円の野菜ジュースを売る

「つぶより野菜」の価格は、1本195g、1ケース30本、税込7,776円です。1,000kg=1リットルとすると、「つぶより野菜」は1リットル1,329円もします。計算式は以下のとおりです。

  • 1本195g=1本0.195リットル
  • 1ケース30本=0.195リットル×30=5.85リットル
  • 7,776円÷5.85リットル=1,329円/リットル

一般的な野菜ジュースがスーパーで1リットル数百円で売っていることを考えると、「つぶより野菜」は相当高価です。

これを知った人は「いくらカゴメがつくっているとしても、1リットル1,329円は高い」と感じるでしょう。

この割高感を打ち消すのが「80年」です。

特別な野菜を特別な製法でジュースにした

カゴメ自身、1リットル数百円の割安な野菜ジュースをたくさん販売しています。

しかし「つぶより野菜」は特別なのです。それは「カゴメが80年間、つくりたくて仕方のなかった野菜ジュース」だからです。

その特別な点は次のとおりです。

●材料は6種類の国産野菜のみを使用(味を調えるレモンだけは海外産)

「つぶより野菜」の主要材料は、五寸系と呼ばれるニンジン、凛々子という品種のトマト、肉厚なセロリ、オリジナル品種のプチヴェール、標高1,000メートル以上で栽培された高原レタス、越冬したホウレンソウの6種類です。

●独自の「つぶより」製法で加工

野菜ジュースをつくるとき、速く処理してしまうと機械の熱が雑味をつくってしまいます。そこでカゴメは「つぶより野菜」をつくるとき、熱を生まないようにゆっくり野菜を絞るようにしています。

トマトは、香りを出す製法と深みを出す製法の2種類の製法で絞ります。

これだけこだわった材料を、こだわり抜いた製法でつくるので「つぶより野菜」は高額になってしまう、というわけです。

まとめ~手軽かつ簡易なキャンペーンだけに訴求力が強い

多くのマーケターは、凝りに凝った斬新なマーケティング・キャンペーンを打ち出したいと思っているのでしょう。

それは、新機軸のマーケティングを展開するときには大切な心構えです。

しかし、カゴメの「つぶより野菜」のマーケティングは、その真逆をいくものです。

オーソドックスで、普通で、アンケートもとても簡易なもので、手軽なキャンペーンですが、このマーケティングで成功を収めています。

自社の最重要商品をPRするときは、あえて奇をてらわないマーケティング・キャンペーンが効果的といえるでしょう。

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<参考>

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