オーケストレーション

オーケストレーションとは?注目される背景や使用ツールを紹介

2020年の日本のマーケティング界で注目されているものの中に「オーケストレーション」があります。この記事を読んでいる人の中には、オーケストレーションという言葉を耳にしたことはあるけれど、具体的な内容についてはよく知らない、という人も少なくないでしょう。

そこで今回は、オーケストレーションの基本的なポイントや注目される背景、使用されるツールなどにについて分かりやすく解説します。

・オーケストレーションの基本的な内容が知りたい人

・オーケストレーションが注目される理由が気になる人

・オーケストレーションツールを探している人

は、ぜひ参考にしてください。

オーケストレーションとは

オーケストレーション(Orchestration)とは、カスタマージャーニーマップなどを元に全体を調和させ、売上や顧客体験の向上につなげようとする考えのこと。複雑なシステムの制御を可能にすることをオーケストレーションと呼ぶこともあります。特定の領域に特化するのではなく、いろいろな専門家のオーケストレーションを経て自社のマーケティングを向上させることに意味があるとされており、内部・外部環境の変化などに合わせて専門家を入れ替えたり、増減させたりすることもオーケストレーションにおいては大切です。

オーケストレーションにはいろいろな手段がありますが、特にデータ管理・分析・統合が大切であるとされていることから、アナリティクス分野のテクノロジーが増えています。2020年はオーケストレーションを含めた3つのO(オー)がトレンドに上がるほど、その重要性に注目が集まっています。

項目内容
オーケストレーション(Orchestration)アナリティクス分野(データ管理・分析)
パーソナライズ/最適化(One-to-One/Optimization)リアルタイムインタラクション分野
営業デジタル化(OMO/Online Merges with Offline)カスタマーサクセス分野、イベント管理、セールス

オーケストレーションを機能させるために必要な条件は3つ

オーケストレーションのように、専門家が入れ替わりながらも自律的に連携し合って動いていく組織のことを「モジュール型組織」と呼びますが、このモジュール型組織をきちんと機能させるためには、3つの条件が必要だとクレイトン・クリステンセン(イノベーション理論の第一人者)が提言しています。

項目内容
予測可能性ある程度予測ができる方法で業務を円滑に進めること。他の専門家との連携がそれぞれの負担にならないようにPnP(プラグアンドプレイ)が必要。
特定性課題や目的が明確であること。各専門家同士のコミュニケーションは一般的に理解されている用語を正しく使って、その物事について厳密に定義する必要がある。
検証可能性課題を解決する方法や目的の達成方法について明確に提供すること。一般的に知られている成果指標を活用することが大切。

上表から、マーケティングオーケストレーションをうまく機能させるためには、カスタマージャーニー(予測可能性)やマーケティングの基本的な知識(特定性)、共通KPI(検証可能性)が必要だといえるでしょう。

オーケストレーションが注目される理由

オーケストレーションが企業から注目されるようになった理由として、マーケティングの業務範囲の拡大が挙げられます。

インターネットが急速に普及したことで、企業のマーケティング担当者はWebやCRM、SNSやオンライン動画、ディスプレイ広告やサーチ、データマネジメントなどさまざまなことへの対応が求められるようになりました。

常に新しいものが生まれる現代において、テクノロジーへの柔軟で迅速な対応が迫られていると言っても過言ではないでしょう。

特に、デジタルマーケティングは広範囲にわたって専門性を要します。そのため、少しの専門家で個々に対応をするよりも、複数の専門家が自身の役割を理解しながら連携し合って自律的に管理する方が好ましいのです。

こうした背景から、オーケストレーションの重要性に注目が集まっています。

さまざまなオーケストレーションツール

マーケティングにおけるオーケストレーションをうまく機能させるためには、さまざまなツールの活用も重要です。例えば、業務の特定性を維持するためには、カスタマージャーニーマップが必要ですが、このカスタマージャーニーマップを利用するためには以下のようなツールが必要になるでしょう。

・API(アプリケーションプログラミングインターフェース)

・EAI(エンタープライズアプリケーションインテグレーション)

・ETL(エクストラクトトランスフォームロード)

・DRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)

・BI(ビジネスインテリジェンス)

・マーケティングオートメーション

・CDP(カスタマーデータプラットフォーム)

・CMS(コンテンツマネジメントシステム)

マーケティングにおけるオーケストレーションをうまく機能させるためには、多数のツールを賢く使って調和を取ることが大切です。それぞれのツールで得た情報などを元に、自社が求める成果や目標につなげる必要があるのです。

マーケティング施策の専門性は時代とともに高まりつつあるので、いつまでもトップダウン構造を続けていると企業として機能不全な状態に陥りかねません。自立した専門家(奏者)を指揮者がうまくコントロールする体制が今後の企業マーケティングに求められるといえるでしょう。

まとめ

今回は、オーケストレーションについて紹介しました。解説したポイントをまとめると以下の通りです。

・オーケストレーションとは、カスタマージャーニーマップを元に全体をうまく調和させて売上や顧客体験の向上につなげること

・One-to-One、OMOとともに「3つのO」として注目されている

・オーケストレーションはマーケティングの多様化に伴って注目されている

・オーケストレーションをうまく機能させるためには、予測可能性、特定性、検証可能性が必要

・オーケストレーションにはさまざまなツールの活用が必要

2020年のトレンドになっているオーケストレーションをうまく機能させるためには、それまでの体制をしっかり変えることが必要不可欠です。企業体制を変えずにオーケストレーションを始めようとしてもうまくいかない可能性があるので、事前の準備と冷静な判断を心掛けてください。

<参考>

2020年もマーケティングテクノロジーカオスマップJAPANを公表しました!(デジタルマーケティングジャーナル Digital Marketing Journal)

デジタルマーケティングの体制構築を支える「オーケストレーション」とは?(DIGIDAY)

「ジャーニーオーケストレーション」(広告朝日)