効果的なマーケティング活動をするうえで、いろいろなフレームワークをして市場の情報などを収集することが大切になります。数あるフレームワークの中で、多くの会社で行われているのが「3C分析」です。
マーケティングに携わっている人であれば、3C分析を耳にしたことがあるでしょうが今回は基礎から詳しく解説していきます。
この記事は、次のような人に適した内容となっています。
・3C分析の基本から詳しく知りたい人
・3C分析の活用方法が気になる人
・賢く3C分析をするコツを知りたい人
まずは、3C分析について基本的なポイントを紹介します。
そもそも3C分析とは?
3C分析はマーケティングにおいて基本的なフレームワークですが、次の3単語の頭文字を取って名付けられています。
ちなみに、3Cは「スリーシー」もしくは「サンシー」と読みます。
自社の商品やサービスを分析するために3C分析は実施され、自社を取り巻くミクロ環境の把握に繋がります。元マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントの大前研一氏によって考案されました。
続いて、具体例を挙げて3C分析の活用方法を説明していきます。
3C分析活用の具体例
今や誰もが知っているコーヒーチェーンのスターバックスコーヒーは、1995年日本に上陸しました。初上陸してから3年経った1999年には、店舗数は約100店舗になり、2019年7月1日現在では1,434店舗にまでなりました。
日本には多くのコーヒーチェーンがありますが、中でもスターバックスコーヒーの躍進は圧倒的といえます。
スターバックスコーヒーの成功要因を3C分析で分析すると、次の通りです。
スターバックスコーヒーが日本に初上陸した当初、顧客の潜在ニーズを満たすコーヒーチェーン会社がありませんでした。スターバックスコーヒーの独自性が当時の顧客の潜在ニーズを満足させたことが、成功要因だったと指摘できます。
コーヒー市場は既存の市場ですが、スターバックスコーヒーは新規市場をつくり出したともいえます。
3C分析の目的とは?
3C分析は、先に説明したCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つについて深く分析することで、マーケティングの成功要因を発見することが目的です。
成功要因は、マーケティングにおいてKFS(Key Factor for Success)とも言われます。自社の商品やサービスがなぜ市場で売れているのか、成功した要因は何かを明確にすることで、自社のノウハウとしていかせます。商品やサービスごとにKFSを適切に把握することがポイントです。
適切な順番で正しく3C分析をすることが、自社の成長にも繋がります。続いては、マーケティングにおける3C分析の手順について見ていきましょう。
マーケティングにおける3C分析の手順
3C分析は、一般的に次の順番で分析を進めていきます。
まずは、自社の商品やサービスを提供する顧客を決定します。なぜなら、ターゲットの層が決まらなければ効果的なアプローチ方法が明確になりませんし、競合他社も定められないからです。
特にCustomer(市場・顧客)は、次の3つについて分析をしましょう。
・市場規模がどれくらいか把握する
・市場の成長性を見るためにライフサイクルを分析する
・自社のターゲット層が求めるベネフィットを分析する
Competitor(競合)の分析では、顧客層のニーズと自社の顧客層が重なっている他社について詳しく調査します。競合他社はあくまでも自社と顧客層が重なっている会社のことで、同じ商品やサービスを提供しているからといって、競合他社になるわけではないので注意しましょう。
競合他社を分析するときは、次の3つについて調査しましょう。
・自社の競合を特定する
・マーケティングミックス(4P)などを利用して競合の特色を分析する
・他社のプロモーションや価格などを調査する
最後に、Company(自社)の分析をします。ここまでに説明した顧客と競合について分析をしたうえで、自社の対応策を考えます。自社の商品やサービスの弱みや強みだけでなく、どのように他社と差別化をするかなどを明確に定めていきましょう。
これまでの内容を踏まえて、自社がターゲット層に設定した顧客に対して効果的な他社にない自社ならではの強みを考えることが大切です。
3C分析を上手く行うコツ3つ
3C分析を上手く行うコツを3つ紹介します。今回解説するのは次の3つです。
・二つの視点
・情報の取捨選択
・一貫性
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
二つの視点
二つの視点とは、マクロの視点とミクロの視点のことを指します。つまり、情報を大まかに見るだけでなく、具体的に細かく分析することが3C分析において非常に大切です。
3C分析の各項目について具体的に分析をするとなると多くの時間がかかりますが、実際は具体的な分析がマーケティングにおいてカギになるケースも多いです。もちろん、ひとつの視点でも分析はできますが、より良い分析をするためには時間をかけてでも二つの視点を持って3C分析をすることをおすすめします。
情報の取捨選択
3C分析を賢く実施するためには、出てきた情報をある程度絞って分析をしなければいけません。先に説明した二つの視点をもって分析を広げすぎると、円滑に作業が進まなくなるので注意が必要です。
視点が増えすぎると調査が大規模になって、収集がつかなくなったり、時間や費用がかかったります。適宜情報を取捨選択することが3C分析を上手く行うポイントです。
一貫性
3C分析の各項目を切り離さずに一貫性を持って分析しましょう。ついつい、各項目を切り離して分析をしてしまいやすいですが、自社だけを見て分析するのではなく、市場や競合なども含めてトータルで情報を比較・検討しなければ意味がありません。
ひとつひとつの項目について分析を深めた後、最後に全体の情報を見て必要に応じて情報を整理しましょう。
まとめ
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つについて分析するフレームワークで、成功要因を見つけるために実施します。一般的にはCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の順番で分析を進めます。
今回紹介したポイントを押さえて、効率が良く効果的な3C分析ができれば自社のさらなる成長に繋げられるので時間をかけてでも実施することをおすすめします。
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