自社のマーケティングのために、アンケートを取ってみたもののどのようにまとめればいいか困っていませんか?
膨大なデータになるほど頭を抱える人が多いですが、Excelを利用すれば誰でも簡単に統計が出せます。
今回は、Excelを利用して集計を出し、マーケティングに必要な統計を取る方法を分かりやすく紹介します。
初心者でもすぐにできるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
アンケートの集計方法
マーケティングのために集めたデータを集計して統計を取る方法には、単純集計とクロス集計の2つがあります。
難しく感じる人もいるかもしれませんが、Excelを使えば簡単にデータをまとめられます。パソコン作業が得意でない人もスムーズにできるので安心してください。
それではまず、単純集計とクロス集計について分かりやすく解説します。
単純集計
単純集計(Grand Total、GT)は、アンケートの項目別に数に足して集計する方法です。単純に集計する方法ですが、回答者の件数や比率を表せるのでアンケート対象者全体の傾向を把握できます。
具体的には次のようになります。
A社のB商品についてどう思いますか? | |||||
好き | 500人 | 嫌い | 300人 | どちらでもない | 200人 |
1,000人に上記のアンケートを取った結果、半数の500人が好きだと回答しています。嫌いと答えた人が300人いるので業界に強いライバルがいると想定されます。また、どちらでもないと回答したのが200人であることから、そもそもB商品に顧客が関心を持っていないと判断できます。
データの大枠を把握できるので、アンケート後にまず単純集計をすることが大切です。
クロス集計
単純集計に対してクロス集計は、属性別の傾向を知りたい場合に適しています。性別や年齢などに分けてデータを集計することでより詳細にターゲットについて把握できます。
先ほどの例と同じアンケートをすると、クロス集計では次のようになります。
【男性】
A社のB商品についてどう思いますか? | |||||
好き | 300人 | 嫌い | 160人 | どちらでもない | 80人 |
【女性】
A社のB商品についてどう思いますか? | |||||
好き | 200人 | 嫌い | 140人 | どちらでもない | 120人 |
上記の例で言えば、B商品を好きと答えた男性は300人、女性は200人であることから、女性よりも男性に人気があると分かります。一方、どちらでもないと答えた人は男性が80人、女性が120人であるため、そもそもB商品は女性の多くが興味を持たないと読み取れます。
同じデータでも属性ごとに集計することで、商品についての顧客の意見が詳細に分かります。
今回は属性を性別だけで統計を取りましたが、居住地や年齢、職業などで細かく分類すると詳しい傾向が把握できる点がクロス集計の特徴です。
エクセルでの単一回答の集計
単一回答(Single Answer、SA)は、選択肢の中から1つの回答を選ぶ方式で、アンケートを受ける側も回答しやすく、集計側も簡単に集計できるのが特徴です。
選択式のアンケートで最もポピュラーな方法でもあります。
エクセルで単一回答を集計する方法を実際の画面を見ながら紹介します。
今回は次のアンケートを集計していきましょう。
まず、エクセルを開いてデータをまとめる表と回答を入力します。
A商品が便利であると回答した場合は1、B商品であれば2、C商品であれば3という仕組みです。
この準備ができたら、次に商品ごとの回答者の人数を集計します。
C5のセルを選択し、「=COUNTIF($C$14:$C$951,A5)」と入力するとA商品を選んだ人が83人だと算出されます。
「$」をつけることで、選択したセルが固定されます。
「C14:C951」は表の下の解答欄で、回答を入力したセルをすべて選択します。
「A5」は検索条件で、この条件に該当するデータを数えるのがCOUNTIF関数です。
式を正確に入力した後、エンターキーを押すと人数が出ます。
その後、C5を選択してC7までドラッグします。
続いて、A~G商品までの人数合計を出します。
C12に「=SUM(C5:C11)」と入力すると、合計が出ます。
SUMはエクセルの関数の中で非常によく使うので、苦手な人もこれだけは覚えておきましょう。
各商品の割合を出すためにこの問題であれば、D5に「=C5/$C$12*100」と入力します。
A商品を選択した人数を合計で割って100をかけて、割合を計算する簡単な式です。
正しく入力してエンターキーを押したら、D5を選択してD7までドラッグするとすべての商品の割合がでます。
合計のC12のセルの固定を忘れるときちんと計算できないので、しっかり処理してください。
最後にすべての式が正しく入っていることを確認するために、割合の合計が100になるかチェックします。
冒頭でC12にSUM関数が入力されているので、D12にドラッグすると簡単に合計が出ます。
エクセルでの複数回答の集計
回答者がひとつの質問に対して、複数の選択肢を選べるのが複数回答方式(Multiplee Answer、MA)です。
複数回答を集計する場合は、選択肢ごとに列を準備するのがポイントです。回答者が選択した場合に1、しなければ0を入力し、該当者の数を合計して集計すると簡単です。
今回は例として「各質問に該当する選択肢を3つ選んでください」と回答者に問いかけた結果を集計していきます。
まずデータを集計していきます。
先ほど説明した通り、選択した場合に1を入力します。
大きなデータになるケースが多いので、最終的に統計を出すシートと別にすると分かりやすいです。
今回は、タブに「データ」と名前をつけ、このページの数値から統計をとっていきます。
続いて、複数タブでデータタブの集計をしていきます。
C5に「=SUM(INDEX(データ!$B$11:$G$100,0,複数!A5))」を入力します。
INDEXは、行と列が交わるセルの範囲を指定できる関数です。
少し難しいですが、慣れると簡単に使えるのでぜひ使ってみてください。
行番号を0にすると、指定の列全体のセルの範囲がピックアップされます。
単一集計と同様にSUMを使って合計を出しましょう。
後から割合の合計を出すので、このときにC12をD12にドラッグすると効率が良いです。
続いて、各商品の割合を出します。
先ほどと同じように、商品を選んだ人数を選択し、合計で割って100を掛けて算出します。
正しく入力した後、G商品の割合のセルまでドラッグしてコピーしてください。
割合の小数の桁が多いときは、エクセルのホームタブの赤枠部分を押してみましょう。
小数点以下の表示が切り上げされて減ります。
割合の合計もきちんと確認して100になれば大丈夫です。
数値によっては100の近似値になることがあります。
割合の合計が100になるか否かは各式が間違っていないか確認するひとつの指標なので、あまりあてにせず、式の入力を正確に行いましょう。
まとめ
Excelを使えば誰でも簡単にアンケートを集計して、統計が取れます。
あまり得意でない人でも数値を入れていくだけですぐに計算が組まれるので、ぜひやってみてください。
Excelを使いこなせると楽にマーケティングに必要な情報を加工できます。
今回紹介した方法を参考に、自社が必要な統計データを作ってみましょう。
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