効果的なマーケティング理論とは?【活かすにはどうしたらいいのか】

自社に合ったマーケティング施策を考える場合、最低限マーケティングに関する知識を押さえておく必要があります。マーケティングはとても奥が深い学問なので、学んだことがない人はポイントを押さえてチェックすることが大切です。

そこで今回は、マーケティング理論の歴史を紹介した後、有名なマーケティング理論の種類について詳しく解説していきます。これを読めば自社に適したマーケティング手法の検討に役立ちます。

この記事は、次のような人にぴったりの内容になっています。

・マーケティング知識があまりない人

・マーケティングの歴史が気になる人

・有名なマーケティング理論を知りたい人

それではまず、マーケティング理論の歴史から見ていきましょう。

マーケティング理論の歴史

マーケティング理論について説明する前に、マーケティングの歴史を押さえておきましょう。

現代まで続く近代マーケティング理論は、1900年頃のアメリカで誕生しました。このころのアメリカはその後の世界経済に大きな影響を与える自動車の爆発的な普及前です。1908年にフォードモデルTが大量生産方式を採用し、商品の大幅な価格の引き下げを実現させるのです。チャネル・プロモーションなどのマーケティング手法などの最新のマーケティング戦略を選択したことがフォードモデルTの成功に繋がったと言われています。その後、生産・技術志向のマーケティング理論が普及します。

日本でアメリカでマーケティング理論に注目が集まってから約50年後の1950年頃に近代マーケティングの重要性が伝わります。アメリカからマーケティングの概念が伝わった当時の日本は高度経済成長期初期でしたが、アメリカと同様に大量生産・大量消費の経済が成功しました。

この頃の日本の市場は、生産者がどのようなもの市場に売りたいかに焦点が当たっていましたが、徐々に市場の需要が企業の供給を下回るようになります。段々単に価格が低いだけものが売れづらくなっています。

そして、生産・技術志向のマーケティング理論から販売志向のマーケティング理論に注目が移り変わっていきます。販売志向のマーケティング理論は、企業が積極的なプロモーションを実施し、市場からの認知度を高めて販売に繋げ、流通業者を通して消費者に対して大量販売を実施する方式です。

この理論では、流通業者が生産者以上に力を持つようになりました。コンビニや家電量販店などが商品価格の決定権を持っていたのです。また、販売業者が生産者に店頭の販売状況を伝えて、その情報を参考に企業が商品開発をしていました。

販売志向のマーケティング理論の後、顧客志向のマーケティング理論の大切が問われるようになります。俗に言うモノあまり」で、消費者が価値のある商品やサービスを選んで購入ため、生産者は消費者の欲求を満たす商品やサービスを開発しなければ売上を上げられなくなります。顧客が「本当に必要だ」と思っているものでなければ、たとえ商品やサービスの価格が低くても消費者に選ばれない状態です。

以上が現代のマーケティング理論までの大まかな歴史です。それでは、現代ではどのようなマーケティング理論が提唱されているのでしょうか。数あるマーケティング理論の中から、特に押さえておくべき理論を8つ紹介します。

マーケティング理論にはどんなものがある?

代表的なマーケティング理論は、以下の8つです。

イノベーター理論 エベレット・ロジャーズ
キャズム理論 ジェフリー・ムーア
4P理論 ジェローム・マッカーシー
4C理論 ロバート・ラウターボーン
ハフ理論(ハフモデル) デービッド・ハフ
サイバネティクス理論 ノーバート・ウィーナー
サイコ・サイバネティクス理論 マックスウェル・マルツ
ゲーム理論 フォン・ノイマン

それぞれの理論について詳しく解説していきます。

イノベーター理論

エベレット・ロジャーズによって提唱されたイノベーター理論は、消費者を次の5つに分類します。さまざまなケースで役に立つマーケティング理論ですが、特に企業が新商品・サービスを市場に提供するときに用いられます。

消費者の分類 市場占有率 概要
ラガード(遅滞者) 16% 最も保守的な消費者。

新商品やサービスなどに関心がない。

レイトマジョリティ(後期追随者) 34% 新しいものに対して懐疑的な消費者。

周囲の人の多くが受け入れたことを確認してから行動を決定する。

アーリーマジョリティー(前記追随者) 34% 話題のものを購買する消費者。

流行りに乗り遅れることを恐れる。

アーリーアダプター(初期採用者) 13.5% 世間の流行りに敏感で自分から進んで情報を集めて購買決定をする。

他の消費者への影響力が大きい。

流行の発信源。

イノベーター(革新者) 2.5% 新しいものをいち早く購買する消費者。

ものの良し悪しよりも「新しい」ことを重視する。

キャズム理論

キャズム理論は、先に紹介したアーリーアダプターがアーリーマジョリティに変わるまでの障害のことを言います。キャズムは「深い溝」のことであり、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には大きな溝があるのです。ジェフリー・ムーアによって提唱された理論ですが、2種類の顧客の溝を埋めるためのマーケティング手法としては次の2つが適切だとされています。

・アンバサダー・マーケティング

・インフルエンサー・マーケティング

マーケティング 理論

企業はキャズムを超える適切な方法で市場にアプローチすれば、新規ビジネスの成功に繋がります。

4P理論

企業が市場にものを提供すると場合に考慮すべき4つの要素を表したのが、4P理論です。4P理論の4つの項目は次のとおりです。

・製品やサービス(Product)

・流通経路(Place)

・価格(Price)

・販売促進(Promotion)

4C理論

4P理論に対して4C理論は消費者側に立って、計画や戦略を立てるときに考慮すべき4項目を表しています。

・顧客価値(Customer value)

・コミュニケーション(Communication)

・費用(Cost)

・利便性(Convenience)

先に紹介した4P理論と4C理論を合わせて、「マーケティングミックス」と呼びます。

ハフ理論

デービッド・ハフのハフ理論は、国内の都市再開発で使われることが多いマーケティング理論です。流通業の売上予測に使えるスタンダートのモデルで、プログラムに売り場面積や人口統計などの情報を入力すると売上が予測できます。

サイバネティクス理論

ノーバート・ウィナーによって提唱された>サイバネティクス理論は、制御工学と通信工学を融合して発展したもので、コンピュータテクノロジーや航空宇宙産業に影響を与えました。何度も結果をフィードバックしながら企業の方針を見直していけば、最終的なゴールにはたどり着けるというものです。

サイコ・サイバネティクス理論

サイコ・サイバネティクス理論は、先に紹介したサイバネティクス理論をマックスウェル・マルツが応用した理論で、人間は目標を設定すると無意識に達成に向けて行動するというものです。潜在意識が目標の成功の原動力になっていると考える理論です。

ゲーム理論

マーケティングにおけるゲーム理論とは、競合他社や市場などの行動や反応を読んで、自社の市場優位性を確立していくものです。元々は数学理論で、できるだけ自分の失点を少なくして、得点を高く保とうとするためにどうするかという方策を考えます。

マーケティング理論を活かすには?

マーケティングティング理論を最大限に活かすためには、複数のマーケティング理論を用いて定期的に企業を取り巻く環境を分析することが大切です。

現代は近代マーケティングが生まれた1900年代と比較すると、環境が非常に複雑化しています。企業の内部環境はもちろん、外部環境も目まぐるしく変化するため、今回紹介したマーケティング理論を用いて自社の商品やサービスを幅広い視野を持って分析することが求められます。主観的視点ではなく、客観的に企業の内外の状況を複数のマーケティング理論で把握することがポイントです。

顧客志向のマーケティングが続いているので、顧客や現場の声に耳を傾けられる企業が成長する傾向にあります。そのため、市場の将来性や顧客のニーズを掴むために経営者が直接営業現場に行って肌で状況を把握するのもいいでしょう。

マーケティング理論を使って分析をするだけでなく、その結果を踏まえて企業の方針の変更などに繋げることが大切です。

まとめ

時代の変遷を経てマーケティング理論は変化してきました。1900年代は生産・技術志向のマーケティングでしたが、市場にものが満ちていき販売志向のマーケティングに突入して流通業者が力を持ちました。現在は、モノあまりの時代を迎えて、顧客志向のマーケティングが続いています。

企業がさらなる成長をするためには、複数のマーケティング理論を用いて市場や自社の分析をすることが求められます。顧客が何に価値を感じるのかしっかりと把握した企業が市場を獲得していくことでしょう。


<参考>

  1. STPこそマーケターの基本中の基本:セグメンテーション編(マーケティングキャンパス)
  2. マーケティング理論(All About)
  3. マーケティング理論の実践(コスト削減尾専門会社ウィザーズプラス)
  4. キャズム理論とは | イノベーター理論とキャズムを超える戦略を解説(ボクシルマガジン)
  5. イノベーター理論(ferret)
  6. 4P分析と4C理論のマーケティングミックス分析とは何かの概要。(landgather)
  7. ハフモデルHuff Model(マーケティングキャンパス)
  8. サイバネティクス理論とマーケティングの意外な関係(マーケティングキャンパス)
  9. 自分を成功に導く「サイコ・サイバネティクス理論」とは?(高田晋一の成功データ研究所)
  10. ゲーム理論のビジネス活用(俺のクラウド)