アンケート設計のポイントとは?【答えから作成するのが良い?】

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マーケティングのなかでアンケートをどれほど重視しているでしょうか。アンケート・チームは設問をつくるときに、いろいろな人に「消費者に尋ねたいこと」を聞いて回っていないでしょうか。そして、いろいろな人から集めた「尋ねたいこと」を、そのまま設問にしていないでしょうか。

そのような無計画、無設計のアンケートではマーケティングの基礎資料にならないはずです。

アンケートの設問設計は、アンケートの成否を握る重要業務であり、ひいてはマーケティングの確度にも関わってきます。

ではアンケートの設問はどのようにつくっていけばいいのでしょうか。答えは「ゴールからつくる」です。

詳しく解説します。

アンケートで重要なのは「ゴール」の設定

「アンケートの設問はゴールからつくる」と聞くと、「マーケティングのゴールがみえないからアンケートをして消費者の意向を探るのではないのか」と反論したくなるでしょう。

そのとおりです。

企業は自分たちでは新製品のよし悪しを判断できないので、消費者にアンケートを行って「この新製品が発売されたら買いたいですか」と尋ねるわけです。その答え(ゴール)はわかりません。

しかし「アンケートの設問はゴールからつくる」といったときのゴールは仮のゴールです。つまり仮説です。

ゴールとは仮説のこと、では仮説とは?

アンケートは、マーケティング・チームが「どうしても消費者の意向を知りたい」ときに実施します。そして、アンケートをやることが決まった時点で、仮説を立てましょう。

このとき検討する仮説は次の2つです。

アンケート 設計現状の仮説とは、なぜ今うまくいかないのか、なぜ今好調なのか、を考えることです。現状のことなので、すでに問題が明らかになっていることもあるでしょう。それは除外して構いません。なぜなら、明らかになっている問題は、アンケートやマーケティングとは関係なく改善していかなければならないからです。

したがって現状の仮説では「本来ならそろそろ好転するはずなのに、なぜうちの会社だけ不景気なのか」といった課題について考えることになります。

例えば、外食業界にサンドイッチ・ブームが到来していたとします。しかしあるコンビニだけ、サンドイッチが売れなかったとします。

そのとき、「うちのコンビニのサンドイッチは値段が高すぎるのではないか」「パン好きが少ない地域に立地しているからではないか」といった現状の仮説を立てることができます。

戦略の仮説では「こうすればうまくいくはずだ」「こうなると落ち込むはずだ」といったことを考えていきます。

コンビニのサンドイッチ戦略でいえば、「全粒粉のパンをつくればうまくいくのではないか」「コーヒーとセットにして割り引けば売れるのではないか」「だからといって今おにぎり強化策を取ったら売上が落ち込むのではないか」といった仮説を立てることができます。

現状の仮説と戦略の仮説を立てたら、それをそのまま設問に起こしましょう。

間違いを立証できても収穫

仮説、つまり「仮のゴール」は、答えの半分のようなものです。なぜ答えの半分を、アンケートを実施する前に確認する必要があるのでしょうか。

それはアンケートの目的が、1)仮説の正さの立証と、2)仮説の間違いの立証にあるからです。アンケートは消費者の意向を探る目的で行いますが、アンケートでみえてくる消費者の意向はほんの一部です。しかもアンケートの設問が適切でないと、その一部の意向すら拾えません。

アンケートの結果がマーケティングに立つのは、マーケティング・チームの仮説が正しかったと立証された場合か、仮説が間違っていたと立証される場合のいずれかです。

アンケートで仮説が正しいと立証されれば、自信をもってゴーサインを出せますし、仮説が否定されれば、自信をもって計画を廃止できます。

そういった意味ではアンケートは、確認作業にすぎません。しかしその確認作業はアンケートでしか行えません。だからアンケートはマーケティングの鍵を握るのです。

設問を設計する際のポイント

設問を設計するときのポイントは次の5つです。

・アンケートの目的を明確にする

・アンケートを行う理由が何かを明確にする

・回答者に属性を明示してもらう

・仮設を立てる(解説済み)

・設問の内容がMECEであるか

解説済みの仮説以外のポイントについて詳しくみていきます。

アンケートの目的を明確にする

アンケートの設問は、アンケートの目的に沿って作成していきます。冒頭で、いろいろな人に聞きたいことを尋ねて、それをすべて設問にすることは正しい方法ではない、と紹介しましたが、その方法では、アンケートの目的があやふやになってしまうからです。

アンケートの目的としては、次のようなものが考えられます。

・売上が伸びない新製品の、消費者の認知度を知る

・人気定番商品のリニューアルのタイミングを知る

・洋風スイーツの人気食材を知る

目的はなるべく「狭く」「小さく」「細かい」ほうがいいでしょう。

アンケートを行う理由が何かを明確にする

アンケートの目的を設定したら、その目的に決めた理由を明確にしましょう。上記の3つの目的の場合、どのような理由が考えられるでしょうか。

目的:売上が伸びない新製品の、消費者の認知度を知る

理由:認知度が低いことが確認されたら、認知度を高める対策を取りたいから

目的:人気定番商品のリニューアルのタイミングを知る

理由:リニューアルをして客が減るのが心配だから

目的:洋風スイーツの人気食材を知る

理由:消費者が関心を持っている食材で新メニューをつくりたいから

理由が明確になると、アンケートの設問を、その理由を解明する内容にすることができます。目的だけでは、設問の文面がブレる可能性があります。理由がはっきりしていると、設問づくりに方向性が生まれます。

回答者に属性を明示してもらう

回答者の属性を尋ねる設問は、忘れずに設定してください。アンケートの設問づくりの基本になります。

性別、年代、住んでいる都道府県(または市区町村)、職業はマスト項目です。

氏名や詳しい住所や会社名も聞きたいところですが、それを尋ねると回答率が減るので無理に入れないでください。

ただ、謝礼を支払うアンケートであれば、氏名や住所や会社名を尋ねてもよいでしょう。

設問の内容がMECEであるか

MECE(ミース)はMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの頭文字を取ったもので、「重複のない、漏れのない」という意味です。

設問を完成させたら、MECEであるか確認してください。重複した設問は、回答者を疲労させ離脱を招きます。設問の漏れは、必要な情報が得られないため、より致命的です。

例えばサンドイッチに関するアンケートで、具材について詳しく尋ねていない設問は「重大な漏れ」です。

まとめ~答えたくなる設問をつくろう

アンケートは、回答者のボランティア精神を期待するリサーチです。回答者の協力なくしてアンケートは成立しません。

したがってアンケートの担当者は、無駄なく簡潔な設問や、適切かつ深掘りした設問をつくりましょう。

 


<参考>

  1. アンケートの前に必要な「仮説構築」ってどうやってやるの?(MarkeZine)
    https://markezine.jp/article/detail/22625
  2. 設問設計時のポイント(Human Innovation)
    http://humani.jp/wp/survey/?page_id=111