企業 立ち上げ 大切 3つ

外資系企業の日本法人立ち上げに大切な3つの事 ~AIで情報管理するAllganize社佐藤氏にインタビュー

学生時代からIT業界を渡り歩いた佐藤さんの遍歴とVCから2.3億円調達済みの外資企業の日本法人立ち上げの際の奮闘、大切にした3つの事とは?

編集部:
それでは早速Allganizeのアドバイザーである佐藤康雄さんにインタビューして行きたいと思います。

Yahoo!、楽天、ニフティ、学生時代からIT業界を渡り歩いた

編集部:
Q1:佐藤さんのご経歴を簡単に教えて下さい。

Yasuo Sato:
よろしくお願いします!
大学卒業後からもうずっとネット業界なんですが、Yahoo! JAPANニフティなどで仕事をさせてもらって、社会人学生を挟んだあとはスタートアップにジョインしたり、個人事業主として仕事をしてきています。最近では、2013年に韓国5Rocks社のJapan Country Managerに就いて、この会社は米国Tapjoy社に2014年に売却、左記に伴い2016年末までTapjoy JAPANにおいてExecutive Officer、Advisorを務めておりました。

直近では、5RocksのCEO他と一緒に、「Allganize」というスタートアップをサンフランシスコで立ち上げまして、ちょうどこの3月より僕もJapan Country Managerとして同社にフルコミットして活動を開始しているところです。

編集部:
なるほど、大学時代からネット業界なんですね。
Yahoo! JAPANやニフティ、5Rocks、Tapjoy 、Allganizeと様々なご経験をされているのですね。

Yasuo Sato:
楽天にも3ヶ月在籍しておりました(^^;;

編集部:
なんと楽天にも在籍してらっさっしゃんですね。。
ネット業界全部ご経験される感じじゃないですか。笑

韓国企業の日本進出を機に参画

編集部:
Q2: 韓国の5Rocks社とありますが、5Rocks社はどんな会社ですか。

サービスの内容など教えてください。

Yasuo Sato:
5Rocks社は、韓国で創業されたスタートアップでしたが、ゲームを中心としたアプリ向けのマーケティング・オートメーション・プラットフォームを提供しておりました。今でこそ同種のサービスも多い状況ですが、2013年当時はアプリ向けのそのようなサービスはほぼなく、マーケットの盛り上がりにも合わせて、おかげさまで韓国・日本で事業を拡大することができました。僕は、共通の友人を介してCEOと出会いジョインすることにしたんですが、ジョイン直後で10名程度の組織でしたね。

編集部:
なるほど、2013年当時はアプリ向けのマーケティング・オートメーション・プラットフォームは少なかったのですね。

こちらザ・ブリッジさんの過去の記事


韓国で創業された5Rocks社の日本で展開するという事で佐藤さんがジョインされたんでしょうか?

Yasuo Sato:
そうですね。日本展開に合わせて日本担当を探していたようなんですが、上記の友人を介してCEOとの出会いがあり、僕がジョインすることになりました。僕が正式ジョインしたのも、上記記事の書かれた8月頃です。

日本でのローカライズ展開で意識した3つのポイント

編集部:
なるほど、日本展開でどのような事をされてたんでしょうか? 

Yasuo Sato:
プロダクト開発は本社(韓国)でやっていたので、僕の役割は日本でのビジネス開発とセールスでした。これをやるにあたって、どうしても必要だと考え、CEOとも会話しながら、当初から以下の3点を徹底して行ったんですよね。

1点目は、ローカライズ・カルチャライズ。日本のお客さまは、英語や多言語でのサービス提供に対してやはりハードルを感じられるところがあるようで、この点をサービス展開上のボトルネックにしたくないなと、ローカライズ・カルチャライズを徹底しました。

これは、サービスの翻訳だけでなく、日本支社を設立し、契約書や請求書、またサポート等すべてを日本語で提供するとともに、日本の商慣習に則り展開することにしました。準備のための労力はそれなりに多大でしたが、この点を評価し採用を決めてくださったお客さまも多くおりましたし、契約書等も日本語ということで採用の即決にもつながっていたので、実施して良かったと考えています。

編集部:
なるほど、言語を単に現地後に訳すだけでなく、現地の商習慣に合わせることは大事ですよね。

やはり契約書などが英語とか、外国フォーマットだと顧客獲得は厳しいですか?

Yasuo Sato:
サービス内容が良ければ、英語でももちろん契約はしてくれますが、スピード感が出ない部分があると考えてます。あと、契約等が英語だとパートナーシップでセールスをする際などにも苦労が多いかなと思います。

編集部:
スピード感は出したい所ですね。

次に2点目を教え下さい。

Yasuo Sato:
2点目ですが、サービス品質の徹底です。日本のお客さまは品質に対しての要求が、米国・韓国等よりも高いと感じています。5Rocks本社のあった韓国ではお客さまに許容されている品質でも、日本では受け入れられないということはやはりあって、機能によってはまずは韓国だけでリリースして一定水準に達したところで日本で展開を開始するというようなことをやっておりました。エンジニアのメンバーにはかなり無理を言いましたが、必要なアクションだったと思っています。

編集部:
サービス品質の徹底ですね、日本水準は高そうですね。笑

例えばどの様な事がサービスの水準が高いと感じられますか?なにか例などはありますでしょうか?

Yasuo Sato:
β版という名前がついている場合、日本のお客さまはなかなか本気で使っていただけないところがあるように感じています。米国・韓国等の方が良いと思えばとりあえず使ってみようみたいなところはあるように思います。ただ、日本のお客さまも品質への要求水準が高いからといって悪いことばかりではなくて、水準を超えて提供できて採用に至ると、米国・韓国等よりしっかりと使い込んでくれるようなところもあるように感じています。

編集部:
なるほど、ある一定の水準を超えると、日本のお客様は使い込んでくれるんですね。それはプロダクト作りにも参考になりますね。

Yasuo Sato:
分かりやすいところでは、あるサービスのタイムレスポンスへの反応なんかも結構違っていました(笑

編集部:
次に3つ目を教えてください。

Yasuo Sato:
3点目は、一定の意思決定権を日本で持つということです。特にお客さまと関連する部分ですが、商談において「本社に確認します」のような言葉を発したくなかったんですよね。スピードも落ちますし、お客さまから信頼を得ることもできない。左記の想いがあったので、事前に必要だと思う項目を洗い出し、事前にそれらの点についてはある範囲内で日本で意思決定をできるようにしました。

編集部:
面白い。「一定の意思決定権を日本で持つ」はとても重要ですよね。海外企業が日本で展開する場合、日本企業が海外での展開でも同じ事ですよね。

「事前に必要だと思う項目を洗い出し」とありますが、顧客からの想定質問をあらかじめ本社に確認されていたんでしょうか?

Yasuo Sato:
そうですね。例えば、利用料金の話であったり、一定期間無料で提供する際の判断だったり、想定される項目を事前に確認するようにしていました。

買収は時間を買うという事

編集部:
なるほど。次に佐藤さんがジョインされた2013年の翌年にTapyjoiが5Rocksを買収していますが、その経緯を教えて下さい。

Yasuo Sato:
5Rocksはおかげさまで韓国・日本と事業拡大を実現することができたんです。っで、次は、グローバルだ!ということになったんですが、各国で一からセールス網を構築するのはとても大変なんですよね、その時間と労力はやはり大きい。韓国・日本で事業成長できた我々でしたが、一方でその大変さは骨身に沁みて理解もしていたんです。
じゃ、どうしよう?といった時にパートナーシップというアイディアはもちろんあって、そこでいくつか話をしていく中でご縁のあった米国Tapjoy社と事業売却という形態でご一緒させていただくことになりました。

編集部:
なるほど海外展開は大変という事でパートナーは大事ですよね。米国Tapjoy社へ事業売却後された後は佐藤さんはTapjoy社にジョインされたんでしょうか?

売却後のPMIとかで、上手く行っている事例など語ってください。^^

Yasuo Sato:
はい、売却後はTapjoy JAPANの方に、Executive Officer、Advisorとして2016年末まで在籍しておりました。

そうですね、、、PMIと言えるかどうかですが、まずはサービス統合がうまくいったですよね。もともと両者の思惑ではあったんですが、Tapjoyはグローバルで既存顧客とセール網を持っておりましたし、既存の広告プロダクトと5Rocksの親和性は高かったこともあって、早期に両社のプロダクトの価値を向上させた形態でのサービス統合を実現することができたんです。グローバルでお客さまにお喜びをいただき、良いディールとなったのかなと考えております。

あと、上記サービス統合を経て時間もかけつつですが、5RocksのメンバーもTapjoy内で要職についていったんですね。韓国にいたメンバーの数名は米国にわったて米国での勤務も開始しましたし。人の面でも上手に融合できたように思います。

編集部:
なるほど、両社の事業のシナジーもあり、5RocksのメンバーもTapjoy内で要職つくなど、人材的にもうまく融合していったんですね。よくPIMで大変と聞くので、買収側の参考事例になりそうですね。いつかここを深掘りさせてもらいたいです。(笑)

Yasuo Sato:
はい。売却先で過ごす良さ、大変さなど、また語らせてください。。。

次なる挑戦、資金調達100万ドルAllganize社とは?

編集部:
次の質問ですが、現在佐藤さんはAllganize社にいらっしゃるかと思いますが、Allganize社は何の会社でどんな事をされているのでしょうか?

Yasuo Sato:
Allganizeですが、5Rocks CEOだったChangsu Lee他でサンフランシスコで立ち上げた会社になっています。AIベースでKnowledge Managementを提供するというものです。後日、韓国でメンバー皆で集まるんですが、その際に上記およびサービス内容は大幅アップデートの予定です。

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編集部:
グローバルブレインやKDDIさんからも資金調達されていますね。

5Rocks前CEOが手がける新スタートアップAllganize、GBとKDDIから100万ドルを調達

出典: http://thebridge.jp/2017/11/allganize-usd1m-funding-from-global-brain

編集部:

Yasuo Sato:
記事にあります通り、シードにおいてKDDI/GBさんから資金調達をさせてもらっています。
僕も当初からAdvisorとして関わっておりましたが、この3月よりフルコミットで活動していきます。

編集部:
ちょどいまからフルコミなんですね。

本日はありがとうござます。

いろいろ聞けて最高でした。

Yasuo Sato:
こちらこそ!これからAllganizeも日本でごりっとやりますので、5Rocksの振り返りができたのはありがたかったです!

この記事は2018年4月のインタビューの様子を掲載しています。