Clear

海外でユーザー獲得を進める勉強ノートまとめアプリ「Clear」の海外展開方法

・勉強ノートまとめアプリ「Clear」を展開するスタートアップ企業アルクテラスの代表である新井豪一郎にインタビュー。

・口コミだけで現在170万ダウンロードを超え、すでにタイ、台湾、中国、インドネシアで提供。今後はロシア語圏、インド、ブラジル、ベトナムでも展開を計画。

・その「Clear」のサービスで海外ユーザーを獲得しているアルクテラスに海外展開方法を聞いてみた。

勉強ノートまとめアプリ「Clear」とは

編集部:
【プロフィール】
大学時代は体育会空手部で稽古に明け暮れる日々。1997年NTTに入社。 その後、自分の価値観を世に問うために起業家を目指してビジネススクールに入学。2003年MBAを取得し、米系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして3年間修行。その後、株式会社星野リゾートのスキーリゾート事業の責任者として経営を任せて頂く。 駆け出しの経営者として仕事に夢中になっていた2007年2月、スキー事故に遭う。運び込まれた病院で緊急手術を受けて入院。死に直面して、以前より抱いていた「革新的な教育サービスを通じて世界の可能性を拓きたい」という思いの実現を決意。 無事に退院した後に構想を練り、約3年間の準備期間を経て2010年10月、アルクテラス株式会社を大学院同期の白石由己と創業。

編集部:
それでは早速本日の起業家にインタビューして行きます。
本日の起業家ゲストはタイ、台湾、中国、インドネシア、インドでなど世界でサービスを展開するアルクテラス株式会社 代表取締役の新井豪一郎さんにインタビューしていきます。

本日はよろしくお願いします。いい写真ですね。

Goichiro Arai:
よろしくお願いします!

編集部:
新井さん、まず簡単にアルクテラスがなサービスを展開しているか教えて下さい。

Goichiro Arai:
勉強ノートをSlideshare/Cookpadのように公開して、学生同士でノートを通じて勉強を教え合えるサービス、Clearを日本を中心に世界展開しています。
現在海外で展開している国は、タイ、台湾、中国、インドネシアとアジアから始めています。
先日、ロンドンで行われたEdTechの世界大会で優勝したことを受けて、日本のEdTechプロダクトがアジア以外でも受け入れられると判断して、今後、南米、ヨーロッパ、ロシア語圏、中東へ展開する予定でいます。

先日の世界大会での優勝した時の記事も共有しますね。

すでに海外で展開でもサービスを展開されているのですね。ちなみにこちらのサービスです。

Clear – 勉強ノートまとめアプリ勉強ノート公開サービス。30万冊を超える大学生、高校生、中学生のノートをみることができます。テストの対策、受験時の勉強、授業で分からないことを解決。自分のノートを公開することもできます。Clear – 勉強ノートまとめアプリ

Goichiro Arai:
はい。2015年から本格的に海外展開しており、Tech in Asia Jakartaのピッチバトルでも準優勝しています。

編集部:
2014年11月のTech in Asia Jakaratのカンファレンスの決勝ですね。覚えています。海外のスタートアップが多い中日本のスタートアップが健闘しているなーと思っていました。

Tech in Asiaの記事はこちら
https://www.techinasia.com/igrow-wins-startup-arena-startupasia-jakarta-2014

サービスに関しての質問ですが、いわゆるEdTechに分類されるサービスでしょうか?
また、サービスの対象はどの年齢層なのでしょうか?

Goichiro Arai:
分野としてはEdTechです。Educationという言葉にはあまり共感を持てず、自分たちはLearning Techの会社だと位置付けていますが。  

サービスの対象は 日本では主に高校生、中学生です。海外では大学生も勉強するので対象は主に高校生と大学生です。

編集部:
Learning Techなのですね。わかりました。

Goichiro Arai:
>Learning Techですね。

あ、拾ってくれてありがとうございます。

編集部:
アルクテラスのサービス概要説明有難うございます。
本日は主に下記について質問させて下さい。

1.アイディアから創業まで
2.海外展開の方法と今後の海外展開について展開

まず、1のアイディアから創業までについての質問です。

Goichiro Arai:
はい?

サービス開発のキッカケは原体験から

編集部:
現在学生同士でノートを通じて勉強を教え合えるサービス、「Clear」を展開されていると思いますが、起業・創業されるキッカケを教えて下さい。

Goichiro Arai:
ぼくは小学生の時に学校の授業がほとんど分からなかったですが、自分で教科書を読んだら異常に簡単に理解できたという原体験があって、個々の学び方に合わせた学習体験を提供すれば人の力をもっと発揮できると社会人になってからもずーっと思っていました。テクノロジー系のキャリアを歩んで来たというのもあり、テクノロジーの力を使って学習体験を個々に最適化したものにしようと考えて起業しました。

編集部:
 なるほど、ご自身の原体験が起業のキッカケとなり、「テクノロジーの力を使って学習体験を個々に最適化」しようと思われたのです。

Goichiro Arai:
はい

編集部:
起業はいつ頃されましたか?また「テクノロジーの力を使って学習体験を個々に最適化」というアイディアはどのように形になっていったのでしょうか?

Goichiro Arai:
起業したのは2010年の秋です。

起業後、いくつかのサービスを立ち上げては閉じてを繰り返して、Clearを2014年4月にリリースしました。

編集部:
創業してから現在まで様々なサービスを展開し「Clear」にたどり着いたのですね。過去に行ったいくつかのサービスとはすべて教育関連のサービスでしょうか?

Goichiro Arai:
そうです。学習関連のサービスです。

編集部:
様々な試行錯誤があってからの現在のサービスである「Clear」をリリースされたかと思いますが、それまでどんな事が大変でしたか教えて下さい?

Goichiro Arai:
いろいろと大変なことがありましたが、一番大変だったのはグローバルで勝てるサービスを作ることでした。
世界で勝てるEdTechスタートアップを作ろうと決めていましたから、「世界で勝てる」というのは重要なポイントでした。
いくつかのサービスは非常に顧客の評価は高かったですし、インパクトも強いものでしたが、日本の教育市場にフォーカスしたソリューションであったり、コンテンツを作成してプロダクトの中に抱えていたりと、グローバル展開しにくいサービスでした

編集部:
なるほど。初めから海外展開を意識されたサービスだったのですね。

サービスの海外展開の秘訣は現地でのユーザーヒアリング

編集部:
ここからは海外展開について質問させて下さい。

現在「Clear」は何カ国で展開されいますか?

Goichiro Arai:
日本を含めて5カ国です。タイ、台湾、中国、インドネシアとアジアから世界展開を始めています。

編集部:
国内ユーザーと海外ユーザーの比率などどんな感じでしょうか?

Goichiro Arai:
7割強が国内ユーザーです。

ユーザーは国内が120万人、海外が50万人です。

編集部:
そんなに海外のユーザーがいるのですね。すごいですね。

次サービスの海外展開方法について教えて下さい。

サービス設計の段階から海外展開を意識されてた点など、海外展開を考えているスタートアップも参考になると思うのですが、海外展開ってどのようにしていけばいいか秘訣などありますか?

実際に海外展開をしたい場合は具体的に何をすればいいんでしょうか?サービスがマッチしそうな国に行って人を雇えばいいんでしょうか? Clearの海外展開ケースを教えて下さい。

Goichiro Arai:
ぼくたちも今はまだClearの海外展開しか経験がないので、どこまで一般化して良いのかはわかりませんが Clearについて言うとClearは海外展開を効率的にしやすいサービスだと思っています。特にEdTechサービスとしては効率的です。
自分たちでコンテンツを作成しないので、原則としてはプラットフォームとして展開国の言語に対応して行けばいいのです。
今後南米スペイン語圏やロシア語圏にも展開していきますが、その場合には投稿されるノートコンテンツもある程度は共通化できるわけです。そういうことを考慮して、世界展開できるサービスであると考えてスタートしました。

編集部:
なるほど、プラットフォームであれば各地の言語に対応するだけで大丈夫なのででしょうか?

Goichiro Arai:
これは必ずしもそうではないですね。

編集部:
なるほど、コンテンツは現地のユーザーが投稿するので、プラットフォーム自体の現地語対応をすればいいとうことですね。

Goichiro Arai:
はい。

サービスがマッチしそうな国に行くというのはある程度その通りですが、スタートアップの限られたリソースを考慮して他にもいくつか考えなければいけないことがあります。
例えば、初期は展開コストが低いこと。時間的にもお金的にもです。その視点から自分たちはアジアから始めて成功体験を積んで行くことにしています。
また、現地に直接の競合サービスがないということも重要な点です。投下できるリソースが限られていますので現地のスタートアップとまともに戦ってもなかなか勝てませんので。

編集部:
「初期は展開コストが低」いとありますが、こちらは現地でマーケティングを行ってくるれる人材などでしょうか?

海外展開したいとなった場合はまず何をしなければいけないのでしょうか? とりあえず現地語対応して、現地のアプリストアでマーケティングするというイメージでしょうか?

Goichiro Arai:
展開コストは、現地でマーケティングを行ってくれる人材というよりも、日本のメンバーが現地に行く時間やコストが意外と重たくのしかかって来ます。
ですので、欧州やアメリカ大陸へのサービス展開は効率的に実施する方法を固めてから、と決めていました。

編集部:
展開コストが低いという点では御社の場合はまずアジアでの展開を進められたのですね。

Goichiro Arai:
はい、そうです。

編集部:
御社は海外展開でまずどこの国に展開されました?また実際に展開される時ってなにをしましたか?

Goichiro Arai:
最初に海外展開として着手したのはシンガポールです。
ぼくたちは現地語対応してアプリストアに出す前に、自分たちのサービスが現地で受け入れられるか対象となる学生たちにインタビューして回っていました。

ところが、これが全然共感してもらえないのです。
「ぼくのノートをみんなに見せて何かいいことあるの?」
日本の学生さんたちとは全然違う反応でした。教育制度と国民性でサービスに対する反応が異なるということを体感した瞬間です笑

以降に展開した国では、現地の学生さんたちの反応がよくスムーズにローンチまで持って行くことができました。

ローンチに向けては現地の学生さんとプロジェクトを組んで、言語対応、教育制度への対応、SNSでの告知などなどやっていました。

学生さんとプロジェクトを組んだのは、Clearの対象ユーザーが学生だからです。

現地対応する上で誰とどう組むかって言うのはサービスごとに違いそうですね。

編集部:
なるほどですね。まず対象とする国に行ってヒアリング調査を行ったという事でいろいろ国民性とかサービスに対するユーザーの声が聞けたとう事ですね。

最初のステップとして、まず現地に行って直接ヒアリングするとう事が重要そうですね。

Goichiro Arai:
ぼくたちは直接ユーザー候補の勉強の仕方や声を聞くことが大事だと思っていました。

編集部:
現地の学生さん(現地パートナー)はアルバイトやインターンとう形式でスタートされたんでしょうか?

Goichiro Arai:
はい。インターンです。

編集部:
「SNSでの告知」はFacebook、Twitterなどその国で使われているSNSでの広告ということですか?

Goichiro Arai:
日本の学生はFacebookは使いませんがタイやインドネシアではfacebookとinstagramですし、その国に合わせて使うプラットフォームを決めています

広告ではないです。

編集部:
なるほどですね。

Goichiro Arai:
自分たちのアカウントをメディアにして情報を発信しています。

編集部:
なるほどかなり参考になります。

海外でのサービス継続の判断基準は?

編集部:
現地のSNSなど反応を見て、ある程度いけるなと思った時はどんなときでしょう?また各国での事業展開の可能性があるのか、無いのかの判断基準などがあったと思いますが、共有できる範囲で教えて下さい。

Goichiro Arai:
オーガニックグロースノート投稿数のスピード判断基準にしています。
人口とスマホ浸透率を考慮して、日本と同じ以上の速度で成長し始めたら、その国での事業を継続すると決めています。

編集部:
おぉーなるほどですね。海外展開の基準が大変参考になります。

次の質問ですが、「その国での事業を継続する」となった場合は正社員などを雇ってしっかり現地でオペラーションをするというイメージでしょうか?

Goichiro Arai:
基本的にはそうです。正社員を採用するには次の基準を満たしてからにしています。

収益があがり、正社員を採用しても利益を確保できると判断してから採用を始めています。

編集部:
確かに収益は大事ですよね。

現地語の対応方法や現地採用に関する質問ですが、採用した人ががちゃんと働いているかのか働いていないのか、もしくはサービス側に理由があり現地のユーザーにフィットしてるのか、フィットしていないのかなど、海外だと判断基準がとても難しそうなイメージがあるのですが、そこはどのよに判断されていますか?

Goichiro Arai:
その辺りはあまり悩んだことはないですね。
海外のスタッフとはちゃんと働いているかは、日本から担当者がほぼ毎日つないで話していますし、現地にも定期的に行って顔を合わせて話していますから。

編集部:
なるほど。こまめに連絡を取り合ったり、定期的い顔合わせをしているのですね。

時間が迫ってきましたので、最後の質問です。
資金調達も数回行われていると思いますが、
今後の海外展開のプランと、目標など簡単に教えて下さい。

Goichiro Arai:
アジアでもまだ展開国したい国があり、具体的にはベトナム、インドです。
その後南米、ロシア語圏、欧州への展開を計画しています。

世界で勝てるEdTech企業を目指しており、できるだけ多くの学生に使ってもらうことを重視しています。

編集部:
おぉーロシア語圏や南米も展開予定なのですで、益々の活躍を期待しています。

もっと海外展開について質問したかったのですが、ここで質問を終えたいと思います。
アルクテラスの代表取締役の新井豪一郎さんでした。
海外展開について沢山聞く事ができ、他のスタートアップの皆様にとっても大変参考になったかと思います。

新井さん、本日はお忙しいなか有難うございました。

Goichiro Arai:
ありがとうございました!

編集部:
こちらはアルクテラスが取り上げられた記事です。
日経新聞
勉強ノートをアプリで共有 塾に通えない子供を支援: 日本経済新聞教育支援アプリのアルクテラス(東京・世田谷)のサービスがいま、注目を集めている。勉強ノートを画像で共有できるアプリを提供し、塾に通えない子供らの学習をサポートする。日本経済新聞
朝日新聞デジタル
学習支援アプリでやる気増 ノート閲覧・スマホで解説…「自分に合う」:朝日新聞デジタル 高校生を中心に、学習を助けるツールのひとつとして、アプリやデジタル教材などの利用が広がっている。他の生徒がまとめたノートの閲覧や、スマホの画面で問題を共有して大学生から指導を受けるなど、生徒のニーズ…

朝日新聞デジタル
CNET
手書きの“勉強ノート”を共有できるアプリ「Clear」がEdTechの世界大会へEduLabは12月20日、優れたEdTechスタートアップ企業を表彰する世界最大のコンペティション「The Global EdTech Startup Awards(GESA)」の日本予選の結果、学生同士で勉強ノートを見せあえるアプリ「Clear」を提供するアルクテラスが優勝したことを発表した。CNET Japan

この記事は2018年2月のインタビューの様子を掲載しています。