アンケート ローデータ

アンケートでローデータに注目する意義「生の情報こそエビデンス」

企業によっては、マーケティングの一環で行うアンケート調査を外注することがあります。外注先の調査会社は、アンケートが終了すると集計して、統計を取り、分析して、発注企業に報告します。

このとき発注企業のマーケターは、外注先の調査会社に「ローデータ(Raw Data)」も提供してもらいましょう。

Rawは「生の」という意味で、ローデータとは手を加えていないアンケート結果のデータのことです。

マーケターは、分析結果や最終レポートだけでなく、ローデータも確認したほうがよいでしょう。「生の情報」こそ分析結果のエビデンスであり、ローデータから新たな気づきが得られます。

ローデータとは1次情報のことであり、エビデンスの根源

一般的に、アンケート調査を外注している企業のマーケターは、ほとんどローデータにアクセスすることはないでしょう。なぜなら、分析結果や最終レポートを読めば、アンケート調査で得られた情報を把握できるからです。

このような仕事に慣れているマーケターだと、分析結果や最終レポートのことを「データ」と呼ぶかもしれません。しかしそのデータは、外注先の調査会社による加工が施されたものなので1次情報ではありません。

真実は1次情報のなかにあり、1次情報こそ、真のエビデンス(科学的根拠)となるので、マーケターは常に1次情報に当たることが大切です。

アンケート調査における1次情報は、ローデータ。

つまり、ローデータが重要となるのです。

ローデータと「集計、統計取り、分析」の関係

アンケートの回答が出そろうと、次のように加工していきます。

<アンケート結果の加工の手順>

●ローデータづくり

●集計作業

●統計取り作業

●分析作業

●分析結果や最終レポートとしてまとめる

アンケート結果はまず、ローデータに加工します。ローデータの詳細については、次の章で解説します。

ローデータができたら、次に集計します。集計とは、ローデータを見やすくまとめること。

「Aさん男性」「Bさん女性」「Cさん男性」「Dさん女性」がローデータであり、「男性2人、女性2人」が集計になります。

集計はローデータをまとめただけなので、両者の情報量はほぼ同じ。つまり、情報の価値を上げるには統計取りが必要になります。

集計したものを統計の手法を使って加工すると、傾向や特性をつかむことができます。統計後の情報は、集計情報やローデータ情報より高度な内容となっています。

統計結果を基にして、他の数値と比較したり、原因を追究したりしたものが分析です。

分析した情報は、統計後の情報よりさらに価値が高まります。

情報としての価値は「ローデータ<分析結果」となりますが、分析結果では常に「エビデンスはあるのか」「なぜそのような見解になるのか」が重要です。

そのとき「このローデータを基にこの分析結果を導いています」と回答できなければなりません。

ローデータとは

ローデータがどのようなデータなのか解説します。

「1人の答え」「1つの質問と1つの回答」

先ほど、ローデータと集計の違いを次のように紹介しました。

●ローデータ:Aさん男性、Bさん女性、Cさん男性、Dさん女性

●集計:男性2人、女性2人

アンケート結果の集計・統計取り・分析は、マイクロソフトのエクセルか、エクセルに類似したソフトを使って行うはずです。

アンケート結果のローデータには、1)回答者1人ひとりの答え、2)1つの質問に対する1つの回答、という性質があります。

エクセルにすると、次のようになります。

テーブル

自動的に生成された説明

回答者1人ひとりの答えが載っていて、さらに「性別」を尋ねる1つの質問に対する1つの答えが載っています。したがって上記のエクセルの状態は、ローデータということができます。

「ローデータのまま」のデメリット

ローデータには、ローデータのままでは使いにくいというデメリットがあります。

以下のエクセルの表をご覧ください。

テーブル

自動的に生成された説明

これは、アンケート結果をさらに盛り込んだローデータになりますが、「見にくい」と感じるのではないでしょうか。

見にくさとは、情報収集のしにくさでもあります。

コストをかけてアンケートを実施したのに、情報が得られないのでは意味がありません。

そこで集計が必要になってきます。

集計したのがこちらのエクセルです。

時計 が含まれている画像

自動的に生成された説明

このようにすると、「チョコが好きな人は半数しかいない」「アイスとコーヒーの人気が高い」といった気づきが得られます。

マーケターがローデータを扱うことのメリット

情報が得にくいという決定的なデメリットがあるにも関わらず、ローデータはなぜマーケターにとって重要なのでしょうか。

エビデンスを持つ安心感

先ほど、ローデータはエビデンスの根源である、と紹介しました。

例えば、外注先の調査会社から、次の集計結果「だけ」を見せられたとします。

これは先ほど紹介した集計結果と同じものです。

時計 が含まれている画像

自動的に生成された説明

アンケート調査を発注したクライアント企業のマーケターは、この段階では、ローデータは確認していないものとします。

するとマーケターは「この数値は本当に正しいのか」という疑問が湧きます。しかしローデータが手元にないために、マーケターは自分では、上記の集計結果を検証することができません。

つまり、ローデータを入手すれば、マーケター自身が上記の集計結果を検証することができるため、マーケターは、「エビデンスを持っている」という安心感を得ることができます。

自分で分析することができる

マーケターがローデータを持っていると、自分が知りたいことを自分で分析することができます。

集計結果をもう一度確認してみます。

時計 が含まれている画像

自動的に生成された説明

これを見たマーケターは、次のことを知りたくなるでしょう。

●チョコ、アイス、コーヒーの「好き・嫌い」の男女の割合はどうなっているのだろうか

ローデータがあれば、マーケターは自分でこの疑問を解消できます。

ローデータは以下のようになっていました。

テーブル

自動的に生成された説明

ここから、次の結果を導き出すことができます。

●チョコ:男性の100%が「好き」と回答、女性の100%が「嫌い」と回答

●アイス:「男性:好き100%」「女性:好き50%、嫌い50%」

●コーヒー:「男性:好き50%、嫌い50%」「女性:好き100%」

まとめ~源流をたどる

ローデータは、アンケート分析の源流といえます。

普通は、アンケートの分析結果から貴重な情報が得られれば、それでアンケートの目的は達成できたことになります。

しかし、アンケート調査を外注した場合、集計、統計取り、分析がブラックボックスになってしまいます。そうなるとアンケート調査を発注した企業のマーケターは「この情報は貴重だが、本当なのか」という疑念をぬぐい去ることができません。

マーケターは「情報屋」の一面もあるので、情報の源流をたどるようにしたいものです。

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<参考>

統計とは?