アンケート ロジスティック回帰分析

アンケート結果をロジスティック回帰分析すると未来が見えてくる

アンケートは優れたマーケティングツールであり、アンケートを活用することによってマーケターは顧客や消費者たちの意向を把握することができます。

また、アンケートにはさらにもう1つ、隠れた能力があります。

それは、予測です。

未来を予測できれば、確度の高いマーケティングや、売上高に直結するキャンペーンを展開することが可能。

そして、その予測を可能とするのがロジスティック回帰分析です。

ロジスティック回帰分析とは何か、なぜロジスティック回帰分析が必要なのか分かりやすく解説します。

回帰分析とは

ロジスティック回帰分析とは、数ある回帰分析のうちの1つです。

まずは回帰分析から解説します。

知りたい数「従属変数」と説明する数「独立変数」

回帰分析とは、従属変数(目的変数ともいう)と独立変数(説明変数ともいう)の2つの変数を使って推計する統計手法のこと。

従属変数とは「知りたい数」と理解するといいでしょう。例えば、マーケターが消費動向を知りたいと思ったら、消費額が従属変数になります。

独立変数は、「従属変数を説明するための数」と理解してください。従属変数は知りたい数なので、独立変数は「知りたい数を説明するための数」になります。例えば、消費額(従属変数)は、所得額に応じて変わってくるという仮説を立てるのであれば、所得額が独立変数になります。

回帰分析をする目的は推計すること、つまり将来を予測することです。

もし、従属変数「消費額」と独立変数「所得額」の関係が数式で説明できれば、所得額の予測額によって将来の消費額を予測することができます。

単回帰分析と重回帰分析

アイスクリームの売上高を予測したい場合、従属変数を「アイクリームスの売上高」にして、独立変数を探します。気温、天気、季節、年齢層、性別、地域が独立変数になります。

従属変数と独立変数の関係性を数式で説明できれば、気温、天気、季節、年齢層、性別、地域などの独立変数の予測数値によって、将来のアイスの売上高を導くことができます。

所得額という1つの独立変数から従属変数を導き出すことを単回帰分析、気温や天気など複数の独立変数から従属変数を導き出すことを重回帰分析といいます。

ロジスティック回帰分析とは

ロジスティック回帰分析は、量的変数から質的変数を予測する分析手法です。

この場合、質的変数が従属変数(目的変数、知りたい数)になり、量的変数が独立変数(説明変数、知りたい数を説明するための数)になります。

ロジスティック回帰分析では、従属変数が複数個になるという特徴があります。

このようなときに便利

ロジスティック回帰分析の便利さは、実際に使ってみないと実感できないかもしれません。

具体的に、どのようにロジスティック回帰分析を使うのかみていきましょう。

アウトドア用品販売会社のマーケターが、優良顧客群はアウトドア派とインドア派のどちらが多いのか知りたくなったとします。しかし顧客リストには、アウトドア派かインドア派かのデータがありません。

もし、インドア派であるにも関わらずアウトドア用品を多く買う傾向をつかむことができれば、インドア用途向けのアウトドア風グッズをつくればヒットするかもしれません。

もちろん、優良顧客たちに「あなたはアウトドア派ですか、それともインドア派ですか」と尋ねればすぐに答えが出るのですが、ここではそれをしないこととします。

憂慮顧客たちの購買履歴から、アウトドア派orインドア派を予測してみましょう。

購買履歴からアウトドア派orインドア派を予測できるようになれば、顧客を、買った商品別にわけて、別々にアプローチすることができます。

したがって購買履歴からアウトドア派orインドア派を予測するリサーチは、マーケティング的に意義があるといえます。

ここで次のような仮説を立てます。

●アウトドア派は焚火台を購入している確率が高いのではないか

●インドア派は主にウェアを購入しているのではないか

このときロジスティック回帰分析は、次のように使います。

●質的変数(従属変数)を「アウトドア派の確率」と「インドア派の確率」にする

●量的変数(独立変数)を「焚火台の購入履歴」と「ウェアの購入金額が8割以上」にする

このロジスティック回帰分析を行った結果、量的変数から質的変数を説明できれば、つまり、仮説が正しいと証明されれば、次のようなマーケティング戦略を打ち出すことができるでしょう。

●焚火台を購入した顧客に、本格的な登山靴や、冬山の道具や、高額なチタン製の食器などをリコメンドする

●ウェアの購入割合が高い顧客に、値ごろ感のある日帰りキャンプセットをリコメンドする

これは「焚火台を買った人は、アウトドア派に違いない。それなら、よりハードなアウトドア用品を買ってもらえるはずだ」「ウェアの購入割合が高い人は、少しずつアウトドア・レベルを上げていくかもしれない。それなら、日帰りキャンプセットに食指を動かすかもしれない」と予測したことになります。

ロジスティック回帰分析を実施すると、未来志向のマーケティングを展開できるわけです。

なぜロジスティック回帰分析が必要なのか

一般的な回帰分析ではなく、わざわざロジスティック回帰分析を利用する目的は、「非線形的な関係性から将来予測をする」ためです。

したがって、線形的な関係性がある場合は、わざわざロジスティック回帰分析を使う必要はありません。

線形的な関係とは、変数yと変数xが、例えばy=axという関係にある場合のこと。

世の中の物事や現象は、線形的な関係よりも非線形的な関係のほうが多いもの。しかし、非線形的であっても、変数yと変数xに関係性があれば「工夫をすれば」xによってyの将来の値を予測することができます。

その工夫こそ、ロジスティック回帰分析です。

yが質的変数で、xが量的変数の場合、両者はほぼ非線形的な関係になるでしょう。

先ほどのアウトドア用品の事例でいえば、インドア派の客が、インテリアに使う目的で焚火台を買うことも、アウトドア派の人が古いウェアをすべて廃棄して、新しいウェアをひとそろえすることもあります。

つまり、普通に考えると「アウトドア派という質的変数=a×焚火台を買うという量的変数」または「インドア派という質的変数=b×ウェアをたくさん買うという量的変数」は成り立ちませんが、「アウトドア派という質的変数=a×焚火台を買うという量的変数」または「インドア派という質的変数=b×ウェアをたくさん買うという量的変数」という仮説が成り立つのであれば、ロジスティック回帰分析で調べる価値は十分にあるのです。

なぜなら実際に「アウトドア派という質的変数=a×焚火台を買うという量的変数」または「インドア派という質的変数=b×ウェアをたくさん買うという量的変数」が成立することがわかれば、次に展開するマーケティング・キャンペーンの確度が高まるからです。

まとめ~アンケートに語らせる

アンケート結果にはさまざまな情報が含まれていますが、すべてを引き出すことは至難の業です。そこで、統計学の手法を使って、アンケート結果が示した数値を分析していくことになります。

ロジスティック回帰分析は、アンケートの結果分析の手法としては高度な部類に入るでしょう。そのため、すべてのアンケート結果に対してロジスティック回帰分析を使う必要はないかもしれません。

しかし、マーケターがアンケート結果を凝視して「この仮説が成り立ちそうだ」と感じたら、迷わずロジスティック回帰分析を実施することをおすすめします。

ロジスティック回帰分析を使えば、エビデンスに基づくマーケティングやデータに基づくキャンペーンを実施できるでしょう。

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<参考>

ロジスティック回帰分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説

統計分析を理解しよう-ロジスティック回帰分析の概要-