アンケート 自由回答

自由回答欄を設定するとアンケートがもっと本音を語り出す

アンケートの質問は原則、選択肢を設けます。

「YesまたはNo」「すごくよい、よい、普通、悪い、すごく悪い」といった選択肢を設けることで、回答者が答えやすくなりますし、結果を数値化することもできます。

アンケート結果を数値化できると、客観的な評価や比較ができ、有力なエビデンス(科学的根拠)になります。

ただ、選択肢方式には限界も。なぜなら、選択肢は、アンケートの作成者の想定から生まれているからです。

回答者の本音を引き出すには、自由回答欄が有効です。

アンケートの回答者の感想や心境は、アンケートの作成者の想定を超えるもの。

アンケート用紙に「思うことを自由に記してください」と書いておくだけで、回答者は、作成者が予想しなかった指摘をしてくれるはずです。

自由回答とは

自由回答は、回答者に文章で書いてもらう回答のこと。

例えば、次のように設定します。

質問1:この製品には何色が似合うと思いますか。次のなかから1つ選んでください。1:赤 2:青 3:緑 4:黒
質問2:なぜその色を選びましたか。自由に回答してください。


質問2が自由回答欄になります。

ただ、自由回答欄は設定しないこともできます。例えば次のとおりです。

質問1:この製品には何色が似合うと思いますか。次のなかから1つ選んでください。1:赤 2:青 3:緑 4:黒
質問2:なぜその色を選びましたか。次のなかから1つ選んでください。
1:製品のデザインにマッチしているから
2:製品のイメージに合うから
3:企業イメージに合うから
4:無難な色だから
5:なんとなく

このように、自由回答欄は、通常の選択肢に置き換えることができます。

自由回答の場合、文章を書かなければならないので、回答者の負担になりますが、自由回答は回答者の意見を知るために有効な方法。

そのメリットとデメリットを見ていきましょう。

自由回答を設定するメリットとデメリット

自由回答欄を設けるデメリットとして、回答者によっては、文章を書くことを面倒に感じるということが挙げられます。

選択肢の質問には軽快に回答していたのに、自由回答欄をみた途端、離脱してしまうかもしれません。

これはアンケートにとって大きなデメリットとなるでしょう。

しかし、自由回答には、このデメリットを補って余りあるメリットがあります。自由回答のメリットを見ていきましょう。

回答者の思いを知ることができる

アンケートの自由回答では、回答者は意外に嘘をつけないものです。特に匿名アンケートであれば、嘘を書く理由がありません。

そのため回答者は、自由回答欄には、よいことも悪いことも正直に書きます。コストをかけてアンケートを実施する目的は、消費者や顧客の本音を引き出すことです。自由回答欄には本音が多く記載されているので、気づきの宝庫になります。

選択肢の場合、回答者は無意識に嘘を答えてしまうことがあります。

例えば、「好きか、嫌いか」の選択肢を用意したとき、「大筋では好きだが、ときどき嫌いになることがある」と考えている回答者が「嫌い」を選択してしまうことがあります。これは、アンケート結果に悪影響を及ぼします。

また、アンケートに慣れた回答者だと、際立つ回答をしようとすることがあります。そのような人は、「すごく好き」「まあまあ好き」「どちらかというと好き」の選択肢があったとき、本当は「どちらかというと好き」なのに「すごく好き」を選びます。これもアンケート結果を歪めることになります。

想定していなかったことを指摘してもらえる

自由回答欄に、アンケート作成者がまったく想定していなかったことを書く人がいます。

例えば、製品の使い心地について尋ねた自由回答欄に、企業についての感想を書いたり、コールセンターの対応のまずさを書いたり、新製品の提案をしたり、といった具合です。

回答者は、製品の使い心地について尋ねた自由回答欄に、企業についての感想を書いてはいけないことを知りながら、企業についての感想を書いています。

それは、そのことを強く伝えたいからです。

自由回答欄の文章は、消費者や顧客からのメッセージといえます。

自由回答欄を設定したほうがよいアンケート

次のような目的でアンケートを行うときは、自由回答欄を設定したほうがよいでしょう。

●商品の売れ行きが好調で、その理由を探りたい

●商品の売れ行きが不調で、その理由を探りたい

●どのような商品が求められているのか知りたい

●接客の不満を知りたい

●使い勝手の感想を聞きたい

●この商品を利用するシチュエーションを知りたい

●改善が必要な点を聞きたい

●普段の生活状況を知りたい

●企業に期待することを聞きたい

●企業に失望しているところを知りたい

企業が大きな課題を抱えていたり、自社では答えがみつからない疑問が生じたりした場合、自由回答から重要なヒントが得られるでしょう。

自由回答欄を設定するときの注意点

アンケートに自由回答欄を設定するときの注意点を紹介します。

ある程度は誘導する

回答者のなかには、「自由に書いてください」といわれて戸惑う人もいます。自由は意外に不自由なものです。

自由回答欄の空白を少しでも減らすために、ある程度、回答者を誘導してあげたほうがよいでしょう。「例」が有効です。

質問:リニューアルした弊社のロゴマークについて、自由に感想を書いてください。
例)「硬派なイメージがあった前回のロゴのほうがよかった」「形はよいが、色に違和感がある」など

「例」を書くことで、回答者は、アンケートの作成者が知りたいことを把握することができます。

ネガティブ回答を引き出し、そこにフォーカスする

自由回答欄は、ネガティブな意見を引き出すようにしましょう。そして、自由回答のネガティブな意見に耳を傾けることが大切です。

どれだけ業績が好調な会社でも、企業活動には必ず欠点や弱点があるもの。アンケート結果は欠点や弱点を白日の下にさらし、改善に取り組む切っ掛けになります。

マーケターは経営者に「多くの顧客がこのような指摘をしているのだから、改善しないわけにはいかないでしょう」と主張することができます。

自由回答欄でネガティブな意見を引き出すには、ネガティブな選択をした回答者に書いてもらうようにするとよいでしょう。例えば次のとおりです。

質問1:当店のケーキで一度も買ったことがないものはどれですか。
1:ショートケーキ 
2:チーズケーキ 
3:チョコレートケーキ 
4:シュークリーム
質問2:なぜこれまで一度も、そのケーキを買おうと思わなかったのでしょうか。自由に回答してください。厳しいご意見をお願いいたします。
例)「値段が高いから」「店員がすすめないから」「ショーケースのなかのそのケーキがおいしそうに見えないから」など




まとめ~「集計が面倒だから」で逃げないように

アンケートに自由回答欄を設けると、集計をするときにひと手間かかります。

回答者数が多くなるほど、その手間は増えます。

そのため大規模アンケートでは、集計しきれないという理由で自由回答欄を設けないことがあります。

しかし、自由回答欄は極力設けたほうがよいでしょう。

マーケターが自社製品の欠点に気づいていても、社内力学から、経営者や開発者に指摘できないことがあります。そのようなとき、アンケートの自由回答欄に厳しい意見が記載されていれば、マーケターは「お客様はこのように考えています」と、経営者や開発者にいうことができます。

自由回答欄を設置すると集計が面倒になりますが、手間をかける価値は十分あります。

無料お役立ち資料フォーム