アンケート 相関

相関でわかる顧客動向と販売動向の意外な関係|相関を使ったアンケート分析

「カレーのルーの販売が増えると、鶏肉の販売も増える」

このような関係を「相関」がある、といいます。

マーケターがマーケティング業務の一環として実施するアンケートの結果を分析するときに、相関を探ると、顧客動向と販売動向の意外な関係がみえてくることがあります。

その意外な関係こそ、マーケティング・キャンペーンのヒントとなるでしょう。

この記事では、相関の基礎知識を紹介したうえで、相関を使ったアンケート結果の分析方法を解説します。

相関とは

相関とは、1つの現象において2つの傾向を調べて、片方の傾向が強まったとき他方の傾向が強まるか、弱まるか、関係しないかを調べること。

前述したカレーのルーと鶏肉の関係を相関を使って説明すると「スーパーマーケットの販売において、カレーのルーの販売傾向と鶏肉の販売傾向から、カレーのルーの販売が増えたとき、鶏肉の販売が増えるか、減るか、関係しないかを調べる」となります。

正、負、無の3種類の相関

相関には、正の相関、負の相関、無相関の3つのパターンがあります。

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自動的に生成された説明

カレーのルーの販売が増えたとき、鶏肉の販売も増えれば、両者は正の相関がある、といいます。

カレーのルーの販売が増えたとき、鶏肉の販売が減れば、両者は負の相関がある、といいます。

カレーのルーの販売が増えたとき、鶏肉販売が増えたり減ったりすれば、両者は無相関である、といいます。

相関係数:正の相関の最大は1、負の相関の最小は-1

相関は「相関係数」を使うことで、数値化することができます。

相関係数は、2つの傾向の関係性の強弱を示し、最も強い正の相関を「1」、最も強い負の相関を「-1」、完全な無相関を「0」とします。

相関係数を算出するには、共分散や標準偏差といった、数学の特殊な数値を使います。計算式は次のとおりです。

相関係数=(共分散)÷(カレーのルーの標準偏差×鶏肉の標準偏差)

「1」「0.7」「0.4」「0.2」が強さの基準

相関係数は、2つの傾向(例えば、カレーのルーの販売傾向と鶏肉の販売傾向)の関係の強さを数値化したものなので、相関係数の大小によって相関の強さがわかります。

相関係数の数字と相関の強さの関係は次のとおりです。

  • 相関関数が0.7~1の場合、強い正の相関という
  • 相関関数が0.4~0.7の場合、正の相関という
  • 相関関数が0.2~0.4の場合、弱い正の相関という
  • 相関関数が−0.2~0.2の場合、ほとんど相関がないという(0の場合は無相関)
  • 相関関数が−0.4~−0.2の場合、弱い負の相関という
  • 相関関数が−0.7~−0.4の場合、負の相関という
  • 相関関数が−1~−0.7の場合、強い負の相関という

アンケート結果の相関を調べるとみえてくるもの

正の相関、負の相関と聞くと、正がよいもので負が悪いものというイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。

相関で重要なのは、プラス・マイナスではなく、数字の大きさです。

そして、強いとよく、弱いと悪い、ということではなく、強い相関にも、弱い相関にも、さらにいえば無相関にも、マーケティング上の意味があります。

アンケート結果を分析するときは、相関の数字の大きさに注目しましょう。

さまざまな角度から推測してみる

例えば、カレーのルーの販売と鶏肉の販売が正の相関であり、しかも強い相関であったら、スーパーマーケットのマーケターは次のように推測することができます。

  • うちのお客さんはカレーをつくるとき、鶏肉を使うことが多いようだ
  • カレーをつくるお客さんは、牛肉を選ばない傾向があるかもしれない
  • うちの近所に開業した評判のカレー店は、鶏肉をメーンにしているが、それがうちのお客さんに影響しているのかもしれない

また、カレーのルーの販売と鶏肉の販売が負の相関であり、しかも強い相関であったら、スーパーマーケットのマーケターは次のように推測することができます。

  • カレーのルーが売れているのに鶏肉の販売が伸びないのであれば、牛肉の販売は伸びているかもしれない
  • うちの近所に開業した評判のカレー店は、牛肉をメーンにしているが、それがうちのお客さんに影響しているのかもしれない

そして、カレーのルーの販売と鶏肉の販売が無相関だったら、スーパーマーケットのマーケターは次のように分析することができます。

  • カレーをつくるお客さんは、鶏肉を使ったり、使わなかったりするのだろうか、なぜだろうか
  • カレーのルーの販売と牛肉の販売も無相関なのだろうか
  • カレーのルーしか買わないお客さんが多いのかもしれない、精肉部門の販促を強化しよう

このように、相関を調べると、さまざまなマーケティング的アプローチをすることができます。

相関が強いときのマーケティング

相関が強いことがわかったら、強みを強化するマーケティングが有効です。

例えば、好景気のときに売上が伸びる商品があったら、地価が上昇したり、日経平均が上がったりしたときに、セールを実施してもよいかもしれません。

セールは切っ掛けが重要ですが、地価上昇キャンペーンや日経平均○万円超え記念キャンペーンは、消費者マインドを刺激しそうです。

相関が弱いときのマーケティング

相関が弱いことがわかったら、弱みを補うマーケティングが有効です。

例えば、あるアパレルメーカーが、毎年春だけ出足が鈍い場合、夏物衣料のラインナップを強化したほうがよいでしょう。春だけ出足が鈍いということは、夏物衣料以外の人気は高いわけです。その認知度を活用すれば、夏物衣料のテコ入れができるでしょう。

もしくは、選択と集中を進めて、相関が弱い分野を切り捨ててもよいでしょう。例えば自動車メーカーであれば、好景気に沸いても高級車が売れない場合、高級車事業から撤退して、大衆車に注力する方法があります。

まとめ

アンケート結果のなかの相関を調べると、さまざまな関係性がみえてきます。

そして、その関係性は次のマーケティング・キャンペーンの重要なヒントになります。

カレーのルーが好調に売れているのに鶏肉や牛肉の販売が伸びていなければ、客に鶏肉カレーや牛肉カレーを訴求することで精肉部門の売上高を上げることができるかもしれません。

ただし相関は、自然に浮かび上がってくることはありません。マーケターがアンケート結果をみて、「これとこれが関係ありそうだ」と疑うことで、相関の調査が始まります。

マーケティングのプレゼンでは、数字が物をいいます。相関は、相関係数で数値化できる点が優れているといえるでしょう。

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<参考>

相関係数の意味と求め方 – 公式と計算例

相関とは